わが家の紙雛さま。
30年ほど前に、父の知人からいただいたもの。
本来の「人形(ひとがた)」を思わせるシンプルさが美しい。
たたむと一式が薄い本くらいの大きさにおさまってしまいます。
ただし、上に猫が座って勝手に「たたんで」しまうことがあるので、
飾り場所に要注意。
うしろの屏風の句は、
桃ありてますます白し雛の顔 太祇
更けまさる火かげやこよひ雛の顔 龍之介
お内裏さまの座布団(・・とは言わないか?)の裏にも
何やら書いてあるのですが、達筆すぎて読めず。
ひな祭りといえばどこでも耳にするのが、
「あかりをつけましょ ぼんぼりに」
で始まる例の「うれしいひなまつり」の歌。
作詞の山野三郎=サトウハチローってことも知りませんでしたが、
この歌詞が、あっちこっち間違ってるらしい・・
という話題を某所でお見かけしたので、それに関連した話を。
わたしは、このねっとりした短調のおうたが、もともとあまり好きでなく、
うちの母もそうで、「赤いもうせんしきつめて」という長調で明るい
文部省唱歌の「ひなまつり」をどうして歌わなくなったのかしらと、
いつも言っておりました。
(わたしは、そっちはまたあっけらかんと元気よすぎて、
いまいち気分が出ないなーと不満に思っていましたが・・笑)
で、ひなまつりの歌って、結局この2つしかないんだっけ?と、
検索してみたところ、けっこう他にもあったことを発見。
たとえば、こういうの・・
「おひなまつり」 (動画)
うわあ、これはレトロ。
キューピーさんも参加してて、さすがに今では、ちょっと、ね・・
という感じですが、面白いと思うのは、当時のひなまつりのご馳走。
赤白青のひし餅・・っていうのは、フランスの国旗ではなくて、
もちろん青=緑なんですけども、そのあとの「きんとん」がやや意外。
きんとんって、昔はお正月じゃなく、ひな祭りだったのかな?
(でも、わたしが子どものころには、白酒がカルピスになっていて、
それもまたいつのまにかすたれてしまったようだし。
今は何飲んでるの? シャーリー・テンプル?)
で、いろいろ作られたらしい歌も、時代の流れの中で淘汰されて
「うれしいひなまつり」だけが残っているような状態ですが、
そうそう、これも知ってた!と思いだしたのが、こちら。
「おひなさま」 (←音が出ます)
だいりさまやら かんじょやら
ごにんばやしも にぎやかに
あられ ひしもち もものはな
ぼんぼりつけて ひなまつり
絵本唱歌(作詞作曲者不詳)とのことですが、
素朴でなかなかよろしいです。
年少さんにも歌いやすいし、伴奏も簡単そうだから、
保育園あたりではこれを採用してはいかがでしょうか。
ワンコーラスしかないのがちょっと物足りないけれど。
さて、おうたはいろいろありますが、
ひな祭りのおはなしは、といったら、迷わずこれ。
立原えりか童話集『花びらいかだ』(思潮社 1966年)
ひな人形を題材にした表題作のほか6篇収録。
立原えりかさんのこの頃の作風が好きで、
(ひまねこちゃん小学4年生くらい)
第3童話集まで持っているのですが、ページの間から
ときどき四つ葉のクローバーなぞ出てくるので要注意。
本日のにゃんこ。
おいたをしたので、魔法使いに「ミニ猫」にされた茶々姫。