閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

ふりかけ

2009-11-12 22:57:32 | 日々
畑から大根を抜いてくると、大量の葉っぱがオマケについてくる。
そんなに要らないといったってついてくる。
根よりも長くて、わさわさと茂る元気な葉っぱ。
トンと切り落とし、根のほうはちょっと脇に置いといて、
まずは葉のほうから…。
じゃこと炒めるのは、ちょっと飽きたので、
きょうは「ふりかけ」をつくりましょう。

大きく育った大根なら、きれいな葉の部分だけとり、茎は捨てます。
間引き大根なら、細い茎ごと。

塩を入れた熱湯でさっとゆで、水にとり、きゅっと絞ります。
できるだけこまかく刻み(小口切りではなく、縦横にみじん切り)
もう一度きゅっと絞ります。

油をひかないフライパンか中華鍋でからいりし、
最初は強火で、途中から弱火にして、水分をとばします。
カラカラにすればそれだけ保存がききますが、大変なので、
数日のうちに食べるものなら、しんなりした程度で止め、
フライパンにひろげて冷まします。

塩、白ごま、もんで粉にしたけずり節を混ぜ、
(ちりめんじゃこのこまかいものを軽く炒って加えても)
お好みで七味をぱらっと振って、できあがり。
冷蔵庫で数時間おくと、味がなじんで美味しくなる気がします。

うちでは、ふたり分で1合のお米しか炊きません。
ふりかけといっても、野菜のおかずの一品として、塩を控えめに、
茶碗1杯のごはんにたっぷりかけられるようにつくります。


ひびが入ったままけっこう長く使っていたごはん茶碗が
ついに割れたので、新しいのを買ってきました。
380円で、良い柄のがあり、満足。
(あ、猫のお皿より安かった…笑)
もうひとつ、割れそうで割れずにいるものは、土鍋。
こちらは、次に買い替えるときには
ひとまわり小さくなるのかもしれない。
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巻き取り

2009-11-10 20:32:54 | 日々
Mの展示が無事終了しまして、
(2週間休みなしというのは長かったですね)
昨日は撤収のお手伝いに行ってきました。

展示物そのものは軽いものばかりなのですが、ケースは重いし、
そのどちらもが傷つきやすいので、扱いがややこしいのです。
200メートルの寒冷紗の巻き取りが超たいへんでした。
いやぁ、今後しばらく寒冷紗は見たくない感じ(笑)
スタッフ&助っ人の皆様、ありがとうございました。

 
日に100人前後、多い日には300人以上の来客のある現場に
居合わせてみて、実感したのは、
「世の中にはいろんなヒトがいるんだ~!」
ということでした。
(あたりまえですが…ふだん家にいると、猫以外には、
配達の人くらいしか会うことがないもんですから…)

何に興味があるか。
どんな反応をするか。
そういうことだけではなく。

たとえば、何かの情報を文字で書いて掲示してあると、
それを見る人と、見ない人がいる。
見る人の中に、その文字を読む人と、読まない人がいる。
読む人の中に、理解する人と、誤解する人がいる。
理解のしかたはほぼひとつだが、誤解のしかたは百通りくらいある。

文字で表現することを生業(いちおう?)としている身としては、
「伝えたつもり」のことが「伝わっていない」、
「わかるはず」と思ったことが「わからない」現実を
目のあたりにして、なかなかオソロシク思いました。

Mは「ここ(会場)に住んでるんですか?」という質問を
何度も受けたそうです。
わざわざ質問して下さる人はごく一部なので、あとのほとんどの方は
誤解したままお帰りになったのかもしれません。
すみません、それは誤解ですっ。

ついでに、優秀なスタッフのT氏をMと思い込んで帰られた方は…
まあ、いいんじゃないでしょうか、そのままでも(笑)
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うたうポロンくん

2009-11-08 16:59:27 | 日々
きょうは、ある古い童話の本のこと。
『うたうポロンくん』(藤田圭雄/作 和田誠/絵 小峰書店)
初版は1962年…ご存じの方いらっしゃるでしょうか。
わたしが初めて買ってもらった「絵本じゃない字の本」の1冊でした。

吟遊詩人の音夢鈴さんあたりには、
ぜひご感想をうかがってみたいような本…
オペレッタふうに挿入歌(手書きの楽譜つき)があったりするし、
なにしろ、主人公の「ポロンくん」って「全音符」なんです。

すでに手元になく、内容もうろ覚えですが、
男の子が野原でみつけた、すきとおる玉のような生物。
それがポロンくん。
歌の好きなポロンくんに案内されて、
男の子は不思議な音楽の世界をおとずれます。

記憶にあるシーンのひとつは、
ポロンくんが楽譜の「病気」を治す場面。
患者さんは、「♪やっとこやっとこ くりだした」と始まる
有名な童謡「おもちゃのマーチ」です。

(わたしは、この「やっとこ」がわかってなくて、
折り紙の「やっこさん」を先頭に行進してくる
なにやら珍妙な行列を思い描いていたようなのですが、
まあそれは置いといて…)

「♪おもちゃのマーチが らったった」というくだりが、
さっそく問題ありと診断されました。
「マーチが(ミファミレ)」だと「町が」に聞こえるよ、って。
音符の並びが、その場で「マーチが(ソファミレ)」に修正されます。
さらに、「人形の(ドッソソ)兵隊」はまるで「人魚の」じゃないか、って。
ここは、音符ではなく歌詞のほうを、どう直したのだったかな…。

いま思うと、けっこう専門的だし、大胆ですね。
当時、作詞家も作曲家も、すでに故人になっていたとはいえ、
誰でも知っている老舗の童謡への批判を、真正面から、
しかも、子どもの読者相手に、堂々と書いちゃってる(笑)。

わたしは6歳くらいで、理解しきれない部分もあったでしょうが、
「そうなんだ」ってことは、しっかり頭の基礎部分にしみこみました。
童話として、良いのかどうか、ということは別にして、
「歌」と「ことば」にこういう強いこだわりを持つオトナに、
たまたまコドモの時期に出会えた、というのは、
貴重なことだったのではないか、と思います。

もうひとつ、記憶に残っているシーンがあります。
車とぶつかりそうになった男の子を助けようと
ポロンくんが飛び出していく場面。
まあるいひとつの全音符が、一瞬のうちにこまかい16分音符にわかれ、
2本ずつのしっぽをしっかり組んで、車と子どもの間に柵を作る!

これほど力強く頼もしい「柵」というものを
わたしは他に見たことがありません。
不可能を可能にする想像力。言葉の魔法。
そして和田誠さんのイラストがあったからこそ実現した
最高級のイリュージョンでした。

残念ながらとっくの昔に絶版になってしまいましたが、
できることなら、もう一度、手にとってみたい本です。
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「クリスマスのかね」

2009-11-06 09:57:08 | お知らせ(新刊)

今年3冊目の新刊です。
『クリスマスのかね』(教育画劇)
アメリカのレイモンド・M・オールデンという人の書いた
古い(130年くらい前?)童話を元にした絵本。

絵は山田花菜さん。
ちょっとクラシカルで、あったかくて。
貧しい村の兄弟が、クリスマスイブに、ふたりだけで
大きな町の教会に出かける…という話なんですけど、
しっかりしてけなげなお兄ちゃんと、無邪気そのものの弟、
この子たちの表情がとっても魅力的です。

原作は短篇ですが、そのまま日本語に移し変えただけでは、
絵本の文章としては長すぎます。
見開きの片ページが小さい字で埋まってしまうくらい。
小さい子にも読めるような文字で、表現で、
全体に短く書き直す必要がありました。

この書き直しのことを、リライト(再話)といいまして、
いわゆる「名作童話」では昔から広くおこなわれています。
わたしは、原則としてリライトはお引き受けしない主義
(理由は単純、自分の作品がそうされたら嬉しくないから…笑)
ですが、花菜さんの絵を目にしたら、
ぜひやりたい!と思ってしまいました。

全訳して、場面割りしたものを元に絵を描いていただきながら、
わたしは絵本としての文章を練る、という同時進行方式で、
きわめて厳しいスケジュールだったにもかかわらず、
しっとりした余韻のある絵本ができあがりました。

最後の見開き画面の絵を見て、ページをめくると、
もうひとつ、文章なしで、小さい絵があります。
この部分の記述は、原作には一切ありません。
でも、こうだったらいいな。
うん、きっと、こうだったに違いない。
そう思って、描いていただきました。

絵本だからこそ、できること、です。

クリスマスのかね
オールデン・原作
竹下文子・文
山田 花菜・絵
教育画劇

 

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音をさがす

2009-11-05 21:25:34 | 木苺通信

 

ときには、葉のおもてを激しく打つ雨。
枯葉を踏んで通る、用心深い動物のひそかな足音。
きのこの傘がひらく音。
木の実が枝から落ちる音。

「木琴森へ」(「木苺通信」より)

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拡大鏡

2009-11-05 14:42:33 | 日々
先日「おちば」というほうきのことを書きましたが、
こちらもお役立ちアイテム。
棒状の拡大鏡であります。

じつは、最近、辞書のこまかい文字が読みにくい。
他のことではまだあまり不自由を感じないのだけれど
(古い文庫本だって読めるし、針に糸だって通せますし!)
さすがに辞書だけは、ピント合わせに時間がかかるようになった。
画数の多い漢字など、いくらいっしょうけんめい見つめても、
そのパーツが「目」だか「日」だか判別できない、
というようなこともふえた。

どうしても電子辞書というものになじめないわたしにとって、
紙の辞書が読めなくなるのは深刻な脅威といってもいい。
いちいちこまめに調べるのが好きで、
調べるついでに道草して遊ぶのがもっと好きなのだ。
そのことが不自由になると、脳のある部分が
正常に維持できないんじゃないかと思うくらい。

見づらいと、だんだん辞書をひくのがおっくうになる。
ま、いいか、とあきらめるようになる。
習慣というのは、それが「良い習慣」であればあるほど、
つけるより失うほうが早い。
失ってしまってからでは遅い、と気づいた次第。

で、いさぎよく拡大鏡を買うことにしたわけです。
探偵の持っていそうな丸い大きいのもありましたが、
とりあえず使いみちを辞書に限定して選んだのが、これ。
紙の上にぴたっとのせて使います。
横でも縦でも、ぴたっと。
(丸型だと、どんなに大きくても、ページ上で移動するたびに
周辺が不安定にゆがんで酔いそうになってしまうので!)

ガラスではなく合成樹脂なのがちょっと惜しいけれど、
もう、ばっちり、くっきり、よく見えます。
よぉし、これで怖いものなし。
また翻訳のお仕事もくださいね。

(特別出演:うちの「執事」のリーダーズ)
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黒ラム

2009-11-04 09:46:20 | 日々
TPOに合わせて、というほど数があるわけでもないし、
よそゆき、といっても滅多によそへは行かないのですが、
その「よそゆき」のハンドバッグのうちのひとつ、
黒のラム革の、きわめて柔らかいポシェット風のもの…
これがまあ、たいそう手のかかる子で、
ちょっと放っておくとすぐにご機嫌が悪くなります。

温暖で多湿な土地柄。
しかも山の中で、木々にかこまれ、すぐそばには川もあるので、
どうしても家の隅々に湿気がたまります。
椎茸の栽培に適しているくらいだから、カビとか苔とかキノコとか、
そういう方々にはきわめて居心地の良い環境なのですね。
ここに引っ越して1年目、革装の辞書が丸ごとカビたのに
ショックを受け、革製品は一切持たないことに決めました。

でも、ある程度の年齢になると、やっぱり本革がいいなあ、と
たまに思ったりもするようになるわけで。
要するに、手入れさえ怠らなければいいのだ。
と、決心して、革製品もまたひとつふたつと増えました。

梅雨どきはもちろんのこと、真夏も、秋の長雨も油断できません。
冬場を除き、たびたびご機嫌伺いをして、無事を確かめ、
少しでも怪しい兆候があればすぐさま対処。
別にブランド品でも何でもないお手頃価格の品ばかりですが、
気に入って買ったもので、たぶん二度とめぐり会えないから、
少しでも長く使いたいと。

努力のかいあって「開けてびっくり」はさすがに減りました。
ところが、数年前に仲間入りした黒ラムちゃん。
この子はいわば虚弱体質で、通常のお世話では駄目なんであります。

からりと晴れたので、風をいれましょうと洋服だんすを開け、
念のためにバッグの戸棚も開けたら、あららら…。
みんな同じところに入れてあるのに、黒ラムちゃんだけ、
どうしてこんなにカビ君と仲良し?

ベランダに持ち出し、クリーナを薄くつけて慎重に拭いていると、
何やら妙に重くひっかかる手ごたえ。
見れば、共革の飾り房(シマウマのシッポ風)の先に、
さも嬉しそうに食いついている茶々姫が…。
あーあーまったくこれだからねーもうっ!

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