能、井筒の皿を揃えてみました。
1.楽焼 謡曲・井筒四方皿
12x12cm 大正
井筒、ススキと謡曲の一部が描かれた、楽焼きの四方皿です。
2.粟田焼 井筒 湯呑み
高4.3cm、径8.3cm 明治~大正
能、井筒(後場)の男装シテと井筒、ススキが描かれた湯呑みです。
3.清水焼 井筒小皿
径10.7cm 大正~昭和
清水焼 井筒小皿です。
先回の道成寺小皿と同じ手の皿です。
絵付けは平凡で、味わい深い皿とは言えません。
で、今回、あらためてこの皿を見てみました。
能・井筒の前場。
里の女(シテ)と旅僧がやりとりをする場面です。
上部には、はっきりと、「井筒」と書かれています。
そして、作り物の ・・・・・・・・・・ ん?
何かおかしい!
荒涼とした在原寺の秋。風になびくススキが無い!
かわりに、一本の矢、これは・・・・・
上の皿に描かれていたのは、能、賀茂の作り物ではありませんか。
能の作り物を調べてみると
この本には、「井筒」と「賀茂」の作り物が隣り合って載っています。
ひょっとして、元絵を描いた人が取り違えた?
いずれにしろ、この品、エラー皿です。
好んで買ってくれる人がいるわけではないし、
エラーコインのようにプレアがつくわけでもない。
いわば、できそこないの品です。
でも、この皿、憎めません。
じっと見ていると・・・・・・
なぜかほほがゆるんで、ホットするのです。