遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

瀬戸ルス釉瓶掛

2019年11月22日 | 古陶磁ー全般

ルス釉が全面に施された瓶掛けです。

どうやって嵌め込んであるのかわかりませんが、しっかりとした木の台がついています。

             高22.4㎝、口径26㎝

 

貼花で見事な龍が

 

獅子耳、二つついています。

 

大型本にも、この瓶掛けは載っています。

 

この本(1973年発行)では、緑釉貼付雲竜文瓶掛となっています。

今は、緑釉に対して、ルス釉の名称が一般的となりました。

江戸時代、18世紀後半から幕末にかけて、瀬戸で使われた呂宋釉(るすゆう)は、 同じ緑釉の「織部」よりも、 発色が良く、 透明感が高く、均一な緑色の焼き物が得られるため、瀬戸の焼き物に広く使われ、全国的なヒット商品となりました。



均一度が高いことは平板でもあり、味わいに乏しいとも言えます。量産品ということもあって、織部の緑釉と比べ、一等低いものとされてきました。
しかし、最近、ルス釉の焼き物を再評価しようという動きが出てきています。科学的分析もなされ始めています。
 

ところが、ある日、B級雑鉢置場に・・・・

この瓶掛けが置かれているではありませんか。

かつて、アライグマが出入りしていた場所です。

 

しかも、中には土と苗が入っています。

わるびれた風もなく

「杜若の苗を植えるには、底に穴が開いていない鉢がいいんだって。これがピッタリ。」

杜若に水はつきもの。

「なるほど」と、妙に納得したのであります。

 

この瓶掛け、今は骨董市でも不人気ですが、その昔は結構な値段だったんです。

確か、私が古物に手を出しはじめて3つ目の品。遠い遠い昔のことです。

家での地位は、床の間脇 ⇒ 廊下の隅 ⇒ 土間 ⇒ 外 という運命をたどってきました。それでも、鉢カバーとして玄関横の地位をかろうじて保っていたのです。

しかし、ついに植木鉢へ降格。場所もB級置き場。

まあ、蘭鉢などには驚くような品もあることだし、と自分を慰め・・・・・

ここはひとつ貸しをつくったことにしておきましょう。


でも、相手に借りたという意識がなければ、貸したことにはならない?(^^;)

 

コメント (7)
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