遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

ありそうでない!?古染付メダカ紋煎茶碗(5客)

2023年03月17日 | 古陶磁ー中国

今回も煎茶碗です。

メダカがたくさん描かれた煎茶碗です。

口径 6.7㎝、高台径 2.6㎝、高 4.2㎝。中国明末ー清初。

小さな煎茶碗で、メダカが数多く描かれています。胎土は、先回の松竹梅図煎茶碗より灰色がかっています。器体も少し厚めです。口縁には銀の覆輪が施されています。したがって、縁の状態が見えませんが、おそらく多くの釉剥がれがあると思います。使う際の口当たりを良くし、耐久性を増すために覆輪がなされたのでしょう。写真では、蛍手のような透明感のある器に見えますが、それほどではありません。

今回の品で一番の目玉は、胴に描かれた多くのメダカです。

五客の煎茶碗のどこをとっても、同じ図柄はありません。メダカの配置が絶妙なのです。メダカたちの向きに偏りがありません。しかし、まったくバラバラかというとそうでもない。自然にバラついているといった感じでしょうか。

実はこの品は、四十数年前、まだガラクタ集めを始めてまもない頃、近くの田舎骨董屋にすすめられて買った物です。当時は、木の物ばかりを求め、陶磁器は避けていました。なんせ、陶器と磁器の区別もつかなかったのですから。私としては、大枚をはたきました。しまった、高い買い物をしてしまったか😥・・・何年か経ち、ようやく陶磁器にも手が出始め、メダカ模様が気になって注意して物をみるようになりました。ところが、どこにでもありそうなこの模様がなかないのです。しばらくして、骨董市でメダカ模様の伊万里焼小碗を見つけました。器には、整列して泳ぐメダカが描かれていました。その後もボツボツと目にするようになりましたが、いずれもメダカたちが揃いすぎで面白味がない。その後、ある骨董雑誌に、少しバラけたメダカ紋の蕎麦猪口が載っていました(記事が見つかりません(^^;)。しかしそうはいっても、メダカたちは、同じ方向に泳いでいます。もっとバラけたメダカ紋は無いのか・・・・あきらめかけていた時、東京青山ハナエモリビルの地下骨董街にあった上品な女主人がやっている店に、私の品と似たメダカ配置の煎茶碗が置いてありました。覆輪は無し。伊万里焼の古染付写しです。しかし、手に取ろうとして思わず引きました・・・値段がハンパでない😵‍💫  この伊万里焼一個で、私の古染付5客が買えるのです。主人曰く、これは伊万里のなかでも稀品です・・・そうか、私のメダカ煎茶碗はこの品の本歌だったのか😊

右も左もわからない駆け出しの頃、騙されたかもしれないと思って買ったバラバラメダカの煎茶碗は、有りそうで無い品だったのですね。

下戸は煎茶で、ビギナーズラックに乾杯🎉🤗🎊

 

 

コメント (4)
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