遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

故玩館所蔵の高札(上)

2023年03月29日 | 高札

故玩館には、現在16枚の高札があります。そのうち、内容が重複する2枚を除いた14枚を下表に一覧で示します。

       故玩館所蔵の高札一覧

この内の半数は江戸時代、残りは維新・明治時代の物です。前者では、墨書きの残っている物は2枚しか無く、また、高札表面は風化がすすんでいます。それに対して、後者では、墨書きが少し薄くなっている物もありますが、たいていは鮮明に残っています。高札板自身の痛みも少ない。その理由は、高札制度最終期の物で、時代が新しいこと、屋外に掲示された期間が最長でも6年間と短いこと、の二つによると思われます。 

高札の形は、五角形(駒形)と四角形に大別されます。故玩館所蔵の高札14枚(表1)のほとんどは、横長の五角形(駒形)で、四角は3枚のみです。駒形高札11枚の内、8枚には屋根がついています。四角型の高札には、屋根はありません。吊り金具のついている物は4枚、裏木で補強されている物は5枚あります。裏木や吊り金具の存在と高札の重要度との間に、特に関係は無いようです。
 大きさは、縦26~47㎝、横38~116㎝、厚さ0.9~3.5㎝で、横幅や厚さの違いが大きい。さらに、重さは、0.7~6.2㎏と、非常に大きな差があります。薄くて小さな高札(No.3)と厚くて大きな高札(No.14)では、10倍ほども重さが違います。
 材質は、まちまちです。特に、堅さには非常に大きな違いあります。高札No.5、10、14は堅い木を使っています。高札No.7、8、9、11、12も、しっかりとした材質です。一方、高札No.1、2、3、4、6、13は、緻密でない木を使っています。特に、高札No.6は、非常に柔らかい木でできています。厚さの薄い高札の場合、柔らかな木を、厚くて重い高札の場合には、堅い木を使う傾向が認められます。

コメント (2)
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