先回に引き続き、秀衡塗りです。
今回は、秋草が描かれた盆です。
径 30.8㎝、底径 19.3㎝、高 3.9㎝。現代。
底は2cmほどの厚み、縁でも1cmの厚さがある皿で、かなりがっしりとしています。
定番の金箔菱形と雲にくわえて、これまた定番の秋草が描かれています。葉の先にあるのは、露でしょうか。
光の加減を調節してやると、木目が浮かんできます(皿の右半分、縦の縞)。
先回のブログで、秀衡塗りは布着せ処理がなされているので、表面に木目は浮かばないと書きました。しかし、布着せは一級品に施されます。今回の品は普及品で、木地に直接漆が塗られています。実は、先回の品も同じように木目が見られました(写真では写らない程かすか)。
秀衡塗りに限らず、江戸時代の盆は、このように、木地に漆を塗り、さらに簡単に色漆で絵を描いた丸い尺物が多かったと思われます。作るのにそれほど手間がかからず、実用に向いていたと考えられるからです。
このように、本来は実用品の秀衡塗りですが・・・
今は、どうしても、こうなってしまいますね(^.^)
考えてみれば、伝統工芸品はすべてそうですね。
ところが、今の時代、手元に置いてみると、神々しく輝きます☺️
それと、お値段もあって、いきおい、一段高い所へ鎮座ということになってしまいますね😅
でも、この盆などは普及品ですから大丈夫です。
あの、木粉を樹脂で固めたコーヒーカップと同じ値段でした(こっちが高過ぎ😢)
いかにも秀衡塗りという雰囲気が伝わってきますね。
確かに、もともとは、実用のために作られたのでしょうけれど、現実には、なかなか、実用にするには勇気が要りますね。
結局は、実用にはプラスチック製を使い、このような本物は、どうしても最後の写真のようになってしまいますよね(^-^*)