都心の大学病院は以前とほぼ同数の新人医師を確保できているのに対して、地方では確保できた新人医師数が以前と比べて激減した大学病院が多く、その結果として、地方では産婦人科や小児科などが休診に追い込まれたりする病院が続出し、地方での医師不足が非常に深刻化しています。
大学病院と関連病院とでしっかりと提携して、田舎であっても、若手医師にとってそこそこ魅力のある専門研修ができる病院を目指して頑張って、新人医師確保にも微力ながらできる限り協力していきたいと考えています。
****** 読売新聞、2006年3月29日
若手医師、地方離れ 新研修制度で流出
大学病院、確保半減も
新人医師の診療能力の向上を目的に臨床研修が義務化され、その1期生が研修を終え、来月から希望の進路に進むが、大学病院の医師確保人数は平均51人で、従来に比べ29%減る見通しが、読売新聞の調査で分かった。
特に地方では確保できた医師が半減した大学病院も目立ち、大学から医師の派遣を受けている地域の病院では、医師不足から病棟の縮小や休診に追い込まれるところも出てきた。
厚生労働省は2004年度、新人医師に2年間、内科、外科、救急など各科を回って、総合力を身につけさせる新しい臨床研修制度をスタートさせた。従来、新人医師の多くは出身大学に残ったが、新制度では、大学病院のほか、一般病院での研修を選ぶ医師も増え、新人医師の受け入れ先が流動化した。
読売新聞は、全国80大学に対し、研修を終えた医師の確保見込み数などを尋ねるアンケート調査を実施。53大学(回答率66%)が回答した。
都心の大学は新研修制度導入前と、ほぼ変わらない医師を確保できそうだが、地方では、大分大62%減、独協医大(栃木県)57%減、琉球大は53%減など、激減した大学が多い。
診療科別では、小児科は弘前大、産婦人科は弘前大、京都府立医大、琉球大などでゼロとなる見込みだ。
都心の一般病院の方が、患者が多いため、診療経験を積む機会が豊富で、給料が相対的に高いこともあって、地方の大学病院が敬遠される傾向が表れた。
その結果、大学病院の医師不足から派遣医師が引き揚げられ、病棟の半数を閉鎖したり、産婦人科や小児科を休診せざるを得なくなったりする病院も出ている。
(以下略)