産科医療の集約化が必要な地域では、関係者間の利害を調整して、なるべく早く産科医療の集約化を実行に移す必要があると思います。その際、地域内における利害の調整が一番難しいと思いますが、万一、地域全体の産科施設が全部消滅してしまった後では、集約化したくてもできなくなってしまいます。地域によっては、非常に緊急的な課題になっていると思われます。
****** 読売新聞、2006年4月22日
救急対応中心に「産科診療圏」、産科婦人科学会が提言
産婦人科医不足が診療に影響を与えている問題で、日本産科婦人科学会(理事長・武谷雄二東大教授)は22日、横浜市で総会を開き、産婦人科医療を安定的に提供するための体制を検討してきた委員会の中間報告を明らかにした。
中間報告によると、20~30年後の産婦人科医療提供体制として、人口30万~100万人(出生数3000~1万人)ごとに、24時間態勢で救急対応できる中核病院を中心とした産科診療圏を設ける。
各都道府県は、各産科診療圏の必要な産婦人科医数や産科病床数、助産師数を定め、それらを確保する。
高齢の妊婦や高血圧などの合併症を伴う「ハイリスク妊娠・出産」を取り扱う公立・公的病院は原則、産婦人科専任医師3人以上が勤務していることが必要とする、緊急提言も盛り込んだ。福島県立大野病院で帝王切開中に妊婦が大量出血で死亡し、1人しかいなかった産婦人科医が今年2月逮捕された事件を受けたものとみられる。
(以下略)
(2006年4月22日、読売新聞)