ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

第1回婦人科腫瘍専門医試験

2006年12月10日 | 医療全般

昨日は、第1回婦人科腫瘍専門医試験(日本婦人科腫瘍学会)が実施され、午前中に筆記試験(100問、2時間)があり、午後に面接試験がありました。

従来、産婦人科診療に従事する医師は、大学卒業後5年後に受験資格ができる産婦人科専門医資格と母体保護法指定医師資格はほぼ全員が取得してきました。今までは、その2つの資格さえ取得しておけば、資格的にはほぼオールマイティで済んでいたわけですが、最近は、産婦人科の中でも細分化された周産期、腫瘍、不妊症、内視鏡手術などのそれぞれの専門分野の専門医資格制度があいつで創設されました。

医療の世界では、最近、救急医療に従事するのは救急専門医の資格取得者でなくてはならないとか、助産に携わることができるのは医師か助産師の資格取得者に限定されるとかの規制が非常に厳しくなってきつつあり、自分の専門分野の専門医資格を取得してないと、将来、『無資格診療』とか言われて、へたをすると何もできなくなってしまう可能性もあります。

現在の婦人科腫瘍『暫定』指導医の資格は5年後には消滅してしまうので、とりあえず当面は受験しなくても全く困らないのですが、5年後以降も婦人科悪性腫瘍の診療に従事する予定のある者はこの資格を取得してないと、もしかしたら今まで普通にできていた専門分野の診療がいきなり無資格診療になってしまってできなくなってしまう可能性もあります。私も年齢的に5年後はまだ引退してないはずなので、立場上、やむなくこの試験を受けてきました。

今回は、第1回の最初の試験だったので、一体全体、どんな試験になるのか?さっぱりわかりませんでした。試験範囲もさっぱりわかりませんので、何をどこまで勉強したらいいのかも全くわかりませんでした。また、果たしてどの程度の合格率なのか?も全くわかりません。

会場には、非常に多くの受験生がいました。受験番号で席が指定されていて、たまたま席が隣り合わせた『受験生』は、試験が終わってからちょっと話してみたら大学の同窓(出身大学が同じ)ということが判明し、共通の知り合いや恩師の話題などで試験後に大いに話が弾みました。

なお、今回の受験対策用に、『婦人科腫瘍学の基本必修知識』をざっとまとめましたので、一応、このブログにもアップしておきます。今回の筆記試験の問題冊子も持ち帰ることができましたので、近日中にアップできる予定です。