ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

書類処理作業の増大

2007年05月31日 | 地域医療

勤務医の過重労働の要因の一つに、書類処理作業の増大があります。

外来診療、病棟回診、手術、分娩立会いと、忙しく働いている医師ほど、その仕事量に比例して、煩雑な事務量が爆発的に増大していきます。ただでさえ診療で手一杯で過労に陥っている医師に、書類処理作業の重圧がのしかかります。

例えば、1件手術を実施するとなると、手術の前には、手術に伴う合併症・後遺症などの説明内容に対する同意書、入院診療計画書、輸血・血液製剤使用の承諾書など、山のような書類を作成して、患者さんに一つ一つ署名してもらう必要があります。退院時には、患者さんが、生命保険の入院証明書だとか、職場に出す診断書だとか、1人で何枚もの書類をドサッと持ってきます。

1週間も書類処理を放置しておくと、机の上が書類の山になってしまいます。患者さんからは、『書類はまだですか?』という催促・苦情の電話が毎日何度もあります。以前は、その書類の山の処理のために、たまの休日を丸一日つぶしたり、平日時間外の夜中に病院に出勤して徹夜で書類の山の処理をしてました。

当科では、専属の非常に有能なクラークが書類作成を手伝ってくれるようになって、医師は書類にサインするだけで済むようになり、以前と比べて、書類処理の負担がかなり減って非常に助かっています。

医師不足対策として、国の方からも、最近、いろいろな構想が発表されてますので、そのうち、それらの政策の効果が現れるのかもしれませんが、それまで、病院の方がもってくれるか、わかりません。当面の緊急避難的な生き残り策として、各病院で、地域や病院の実情に応じて、いろいろ創意・工夫をしていく必要があります。