transient tachypnea of the newborn
【概念】 出生後の肺胞内の肺水の排出・吸収遅延によって発症する、比較的予後良好な新生児呼吸器疾患である。新生児にみられる呼吸障害の中では最も頻度が高い。
【症状】 出生直後から認める多呼吸をを主とした呼吸器症状で発症する。重症になると陥没呼吸、呻吟、チアノーゼが出現する。通常は生後1~3日で臨床症状、X線所見ともに改善する。ただし、気胸、新生児遷延性肺高血圧症といった合併症の発症には注意をしておく必要がある。
【診断】
・ 出生直後の多呼吸を主とした症状と胸部X線とで診断されるが、他の呼吸器疾患の可能性を否定した後の除外診断となる。
・ 胸部X線所見: 肺野全体の透亮像の低下に膨張部分を伴うことが特徴的である。
【治療】
・ 特別な治療を要さない児も多いが、呼吸障害が強い、あるいは酸素化が維持できない場合は、SpO2モニター下に酸素投与(通常はFIO2 40%以下で十分)を行う。
・ 重症例では、人工換気やサーファクテン投与を行う。。