これはかのじょが描いた天使画です。ごらんのように、足がありません。かのじょはよく、こういう表現をします。
なぜと思いますか。
それはかのじょが、自分を肉体化することに難を感じていたからです。
かのじょは、人間になることが、苦手だったのです。
かのじょは人間よりも、植物の霊に近い天使です。ときに食欲さえ、理解できない時があったのです。
日を浴びるのが好きだった。雨の日には、水を吸える植物の喜びと同調していた。キョウチクトウの若木の素直な伸び方に、自分の生き方との共通点を見出していた。かのじょは、植物として生きる方が向いているのです。
かのじょが人間として生きるのは、わたしたちよりもずっと難しいのです。
それでも、長い時を、人間としてあなたがたとともに生きてきた。
あなたがたを、愛していたからです。
一番好きな女性という天使が、あなたがたにとっては、この上ない大事なものだと、知っていたからです。
サビク