破滅というものは
大陸を割るほどの
轟音をもって作ることもできますが
このたびは
そういうことはあまりやらないつもりです
静かなる月に敬意を表し
しろかねの貝の眠りのように
みじろぎもしない静寂で
作ってみましょう
涼やかなアラクネの絹のように
音もなく ひるがえる
清らかにも 冷たい
聖夜の破滅です
それはそれは
蒼い鶴の羽のように
軽やかだか
鋼の膜のように鋭い刃が
あなたの喉を切りはらう
気づいた時には すべてが
消滅している
悲鳴も凍りつく
法則上の真実です
どのように計算しても
そうならざるを得ない現実を
あざやかに見せてあげましょう
天使の腕前というものを
思い知らせてさしあげましょう
静かなる月の優しさを
絹と借りて
わたしは
聖夜に降りる乙女のように
あなたがたのもとを
訪れましょう