今のおまえは
すべてが嘘だ
顔も
心さえも
誰かをまねして作った
偽物なのだ
おまえは
自分以外の誰かになりたかった
本当の自分が
憎いほど嫌いだったからだ
醜いことをして醜くなった自分など
唾棄してしまいたいほど
嫌だったのだ
永遠に自分など忘れて
まったく違う自分になりたかった
美しくなり
高くなり
あらゆるものの中で
いちばんいいものになろうとした
あほうよ
あほうよ
自分に都合よく作った
自分の中で
本当の自分がこすれてゆく
虚無の羽根が生えた
悪徳の鏡の中に沈んでゆく
どんどん馬鹿になってゆく
おまえを一番愛してくれる親の目に
おまえを一番信じてくれる犬の目に
疑念が住み着く
これは何者だと
愛する我が子ではない
信ずるわが友ではない
そのようにしておまえは
真実の愛を
ことごとく失ってゆくのだ
何もかもは
おまえ自身が嘘だからだ
偽物の美をかぶり
高い人間のふりをして
世界中のすべてをだまそうとしている
いやらしい悪者だからだ