月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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アルギエバ・62

2023-03-19 04:59:19 | 詩集・瑠璃の籠

病んだ心を
奥底に折りたたんで
自分は幸せなのだと
愚かな虚栄の中に
逃げていく人よ

豪華に料理した
林檎の味の中に
いつも空しい風を感じて
所詮人生はこんなものかと
わびさびに逃げる
馬鹿者よ

おまえが苦しいのは
おまえが馬鹿なことをしているからだ
逃げることはできない
自分から逃げ続け
猿の喜びばかり
追いかけているからだ

もっと食い物を
もっとせっくすを

永遠に変わらぬ
自分だけの栄華を

愚か者め
人を馬鹿にして
自分ばかりいいことにしようとするから
すべては崩れてくるのだと
いつになったら気づくのか

虚栄の中に建てた城は
どんなに頑丈に造っても
すぐにあほうになる
愛ではないものは
すぐに滅亡の風に吹かれ
嫌なものになる

何度同じことを
繰り返しても
まだ馬鹿をやるのか
まだ逃げるのか

木の葉一枚の汚い嘘の上に
何度も何度も砂の城を建て
幻の栄華を
追いかけ続けるのか



コメント
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