再び緊急事態宣言下の東京。
真冬の公園は大賑わい。
私は相も変わらず家で映画三昧。
今回は、ケン ローチ三昧。
最初の一本は、「この自由な世界で」
33歳、シングルマザーのアンジーはもうすぐ中学に上がる息子を実家に預けて、ロンドンで友人とルームシェアして暮らしている。ある日、セクハラからのパワハラで職をクビになり、いい加減雇用される側から雇用する側になろうと前職のキャリアを生かして、移民への仕事斡旋会社を立ち上げるが・・
雇用する側、される側、イギリス人は仕事を自国民のみならず移民とも取り合わないとならず、賃金は減り、斡旋料は裕福な誰かの元へ。
この自由な世界がもたらした結果がこれである。
まるでドキュメンタリー映画でも見てるみたいな気分。どうなっていくのか目が離せない。度重なる出来事に心が折れたかと思いきやの、タフな展開。
最後まである意味あっぱれな、観る側の心に問題提起し、いつまでも重くのしかかるそんな映画だ。
そしてもう一本は、「エリックを探して」
映画『エリックを探して』予告編
「わたしは、ダニエル ブレイク」と「この自由な世界で」の2本を観た後だったので、あ、この監督こういうタッチの映画も作るんだなあと、社会のあり方を問いかけつつも、今度はほっこりとするファンタジーと抱腹させる痛快な最後。
こちらも満点。とても面白かった。
そして3本目が、「天使の分け前」
映画『天使の分け前』予告編
こちらも系統としては「エリックを探して」に似ている。
ただどの映画にも共通する主人公は、本当に普通の人(今作は、ちょっと、いや、結構悪い前科者だ)
天使の分け前、とはウィスキーを蒸留する樽から毎年2%が蒸発して消えていく。それを蒸留所では「天使の分け前」と呼んでいるそうだ。(なんてロマンチック)
生まれついてのチンピラのロビーは顔に傷も残る前科者。父親の代からの因縁の相手と会えば喧嘩をする日常。職なし。
ただそんなロビーにも愛してくれる女性がいて、その女性との間に子供が産まれる。
今度こそこれまでの自分にサヨナラして、真っ当になろうと試みるも・・
そんな中、ふとした優しさからウィスキーの味を知り・・
全くしょうもない奴らと思いながら、最後がとても粋で良かった!!