小型アンプを弄っていると何故だかジミヘンの『リトルウイング』が弾きたくなってくる
泣く子も黙るあのイントロはギター弾きの永遠の憧れなのだ
完全コピーで弾く人もいれば、独自のアレンジを加える人も多い
やはり巷で反応が良いのは完コピだと思う
特に日本の場合にはアレンジという文化がまだ根付いていないように感じる
音楽の世界や楽器の文化では少し遅れているように感じられる
この曲は多くのプロもカバーしている
私が一番好きなのはレイヴォーンのアレンジなのだ
原曲の良い部分を残しつつ良い感じにアレンジを加えている
私はジミヘンのコピーをするレオヴォーンのフレーズを真似ているのだ
原曲は意外に短い
これからというところでフェードアウトしてしまう
私もその先が聴きたかった一人なのだ
コードを鳴らすだけでも曲のイメージが湧いてくる
秀逸なコード進行もこの曲の魅力なのだ
ジミヘンのコピーは本当に勉強になる
数々のリックは私が逆立ちしても思い付かないものばかり
そもそも他人のフレーズを真似るのは難しい
その中でもジミヘンのアプローチは本当に独特なのだ
まさに天才なのだ
コード崩しという概念を気づかせてくれたのもジミヘンなのだ
私のギター道の転換期にもなっているのだ
苦手だったストラトが一気に楽しくなってきた時期とも被る
シングルピックアップの楽しさを知ったと同時にハムバッカーがつまらなく思えてきた
あくまでも私の個人的な感想だが・・
ギター弾きの多くは少しギターが分かってくるとシングルに流れていく
この傾向に間違いはない気がする
読者の皆さんのこの曲のイントロ部分の楽譜を入手して触れていただきたい
クリーンやクランチの音に傾倒したのもジミヘンとの出会いがきっかけになる
練習の成果もあり、私はこのイントロをマスター出来た
しばらく弾かないでいると忘れているのだ
また始めから練習のやり直しになる
しかしながら、初見とは異なる
一度弾けたという自信が背中を後押ししてくれる
まぁ、毎年神経も衰えるのだろうが・・
その一方では経験も増しているのだ
色々な意味で相殺されていると解釈しているのだ
実際のところ、ここ最近の私はまだ進化を続けているという実感がある
速いフレーズは苦手になっているが・・
一音に対する重みが増しているように感じられる
抑揚というか音のニュアンスがコントロールできるようになってきた
電池駆動のアンプだからこそ、そんなニュアンスが不可欠なのだ
アンプ単体での遊びは意外に奥深い
それなりに弾けないと飽きてしまう
ギター練習の過程において『飽き』は最大の敵なのだ
上手い下手はあまり関係ないと思う
ギターの練習はマラソンのようなものだと思う
とにかくコツコツと積み上げていくしかないような気がする
一気に上手くなるというワープのような手法はあり得ない
どんな練習も無駄にはならない気がする
若い頃に挫折した曲をどんどん消化している自分がいるのだ
とにかく有名な曲を制覇したいという夢があるのだ
ランディローズの『DEE』も完コピした経験がある
凝り性の私はクラシックギターまで買ってしまった
鉄弦のアコギでも代用がきくということで手放してしまったが・・
この曲も聴くと簡単そうで弾くと難しい曲の筆頭だといえる
やはりプロにも愛好家が多い
千差万別で解釈が異なるところが興味深い
原曲を無視したアレンジは個人的には好きになれない
難しい部分や弾き難い部分を簡単にアレンジで終わりではダメだと思う
先日もアコギで久しぶりに挑戦したが微妙なのだ
まぁ、真面目に取り組めばまた弾けるようになると思う
繰り返しになるが・・
弾けたという成功体験が大事なのだと思う
若い頃の私はとにかく中途半端だった
楽曲の美味しい部分だけをコピーして満足していた
先に述べたように弾けないフレーズを簡単にアレンジしてお茶を濁した
結局のところ、自分のためにならないのだ
最近はとにかく『完走』を目指している
少しまえにアコギにハマっていた時にもそんな感じで向き合っていた
エレキ系の思い出の曲はラリーカールトンの『Room335』なのだ
あまりにも有名なフュージョン系の名曲なのだ
読者の皆さんも一度は聴いたことがあると思う
導入部分のフレーズを聴けば一発で分かる
名曲は掴みのフレーズが秀逸なのだ
私も少しばかり作曲に足を突っ込んでいるがあんなフレーズは出てこない
フュージョン系の曲の多くはスケールの連結というスタイルなのだ
それを飽きさせることなく聴かせる部分に弾き手のセンスと手腕を感じる
インストものに興味を持ったのは高中正義氏なのだ
氏が多大な影響を受けた一人がカールトン氏なのだ
そんな流れで私も聴くようになった
聴くだけでは終わらないのが私の良いところなのだ
ある知人たちとの会話が心に火を付けた
「ラリーカールトンのあの曲は別格だよね」
「素人でコピーできる奴っていないんじゃない?」
「俺もコピーしたけど最初の数小節で挫折したわ」
「あの曲ってプロでも難しいんじゃないかな?」
アホな私はこの曲のコピーに半年を費やした
曲のテンポを半分くらいに落として練習を重ねた
難しい部分は数小節に数週間も費やした
アホであり変態だと思う
とにかく完コピを目指したのだ
結果を記録する為に録音したのだ
間違っては最初からを何度も繰り返した
本家を左チャンネル、私の演奏を右チャンネルという手法で録音した
ボリューム控えめで何となく本家に重ねて弾いているのでは納得できなかった
どうせ憎まれ口をきかれるのは容易に想像できる
「コピーが完成したよ 聴いてみる?」
まぁ、半年も経過しているので仲間達はすっかり忘れているようだった
「これお前が弾いたの?」
良い感じで驚いてくれたことが嬉しかった
そんな周囲の反応も後の練習の背中を押してくれた
ギター上達にとって重要なことは『成功体験』に尽きる
自分自身で成果を感じられる何かをすることだと思うのだ