関西の人々は、「お水取りが終わると春が来る」と口々に云います。
いつかはその時期に訪れたいと思い続け、ようやく念願が叶いました。
3月1日から2週間続く本行。正確には修ニ会(しゅにえ)と云います。
人の持つ「むさぼり、怒り、愚痴」の三毒によっての様々な罪を懺悔し、清浄な身心を得ることによって、災いを取り除き幸福を招くための行です。
簡単に云いますと、「人々の幸福を願う行事がお水取り」なのです。
10日、小雨がぱらつく中、東大寺の二月堂前で19時から始まる松明(たいまつ)の行を1時間ほど待ちました。
数時間前から火の粉を浴びる位置を陣取り日が暮れるのを待つ人、二月堂を遠めに眺め雑踏から離れて眺める人、それぞれです。
私たちは是非近くで見たいと願い、二月堂を間近に見上げることの出来る場所を確保することができました。始まる30分前には身動きが出来なるくらいの混雑ぶりです。
そうはいっても、松明を待つ大勢の人に苛立ちは無く、静かに時を待つ。そんな感じです。
いよいよ、
夕暮れが闇に変わり、七時の梵鐘とともに、お堂の明かりがいっせいに消されます。
皆息を殺して、音を待ちます。
暫くたつと、長い竹の枝の松明を持った練行衆が一人階段を駆け昇る音が聞こえてきました。そしてその松明を掲げ二月堂の角に立ちます。そこで燃える炎を安定させるように松明をゆすります。すると火の粉が大きく散ります。
大きなどよめき。大きな歓声。
「揺れる大きな炎は、魂で、生命の源だ」
初めて目の当たりにする松明の炎に、そういう想いが湧き上がりました。
「火は、生命の躍動を投影するもので、私の命もこのように躍動しているのかもしれない。」
意識せずして涙が流れ落ちていることに気付きました。
炎が舞い上がり、火の粉が大きく散る毎に、ため息と感嘆がどよめきとなり、人の声の渦となるのです。
自己と炎の姿を重ね合わせると、瞬間のうちに溜めた心を浄化されていくように感じます。不思議な浄化作用です。
松明の炎。
もう少し、思い巡らし、静かに自分を見つめたい、今はそんな想いです。
人気blogランキングへ
いつかはその時期に訪れたいと思い続け、ようやく念願が叶いました。
3月1日から2週間続く本行。正確には修ニ会(しゅにえ)と云います。
人の持つ「むさぼり、怒り、愚痴」の三毒によっての様々な罪を懺悔し、清浄な身心を得ることによって、災いを取り除き幸福を招くための行です。
簡単に云いますと、「人々の幸福を願う行事がお水取り」なのです。
10日、小雨がぱらつく中、東大寺の二月堂前で19時から始まる松明(たいまつ)の行を1時間ほど待ちました。
数時間前から火の粉を浴びる位置を陣取り日が暮れるのを待つ人、二月堂を遠めに眺め雑踏から離れて眺める人、それぞれです。
私たちは是非近くで見たいと願い、二月堂を間近に見上げることの出来る場所を確保することができました。始まる30分前には身動きが出来なるくらいの混雑ぶりです。
そうはいっても、松明を待つ大勢の人に苛立ちは無く、静かに時を待つ。そんな感じです。
いよいよ、
夕暮れが闇に変わり、七時の梵鐘とともに、お堂の明かりがいっせいに消されます。
皆息を殺して、音を待ちます。
暫くたつと、長い竹の枝の松明を持った練行衆が一人階段を駆け昇る音が聞こえてきました。そしてその松明を掲げ二月堂の角に立ちます。そこで燃える炎を安定させるように松明をゆすります。すると火の粉が大きく散ります。
大きなどよめき。大きな歓声。
「揺れる大きな炎は、魂で、生命の源だ」
初めて目の当たりにする松明の炎に、そういう想いが湧き上がりました。
「火は、生命の躍動を投影するもので、私の命もこのように躍動しているのかもしれない。」
意識せずして涙が流れ落ちていることに気付きました。
炎が舞い上がり、火の粉が大きく散る毎に、ため息と感嘆がどよめきとなり、人の声の渦となるのです。
自己と炎の姿を重ね合わせると、瞬間のうちに溜めた心を浄化されていくように感じます。不思議な浄化作用です。
松明の炎。
もう少し、思い巡らし、静かに自分を見つめたい、今はそんな想いです。
人気blogランキングへ