五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

ヒノキ舞台を踏んだ

2013年04月04日 | 第2章 五感と体感
能楽の仕舞いと謡いを習い5年です。横浜が本拠地であるので、発表会は横浜能楽堂と上大岡にある久良岐能楽堂(帝国ホテルが持っていた能楽堂)での発表会がメインで、年に数回ある催しを含め、発表会の舞台に立たせていただく機会が結構あり、その度毎に一喜一憂しながら稽古を積ませて頂いています。

流派は金剛流。

能楽は五つの流派から成っており、「観世、宝生、金春、喜多」とあります。

金剛流久良岐会を主宰する熊谷先生の古希の祝いと会の20周年を記念し「今年は国立能楽堂で」ということになったのです。

国立能楽堂の舞台を踏むことができるなど、想像もしていなかったことなので「冥途の土産」(本気です^^)にするために、悔いの無いよう、一所懸命練習しました。いつもこのようにすれば悔いはないはずなのですが(笑)

仕舞いや舞囃子の地謡をさせていただきながら、長年かけて出来た舞台の傷をじっくりと眺めました。床にできたあの傷、この傷が魂の刻印のように見えてきて、なんとも幸せな心地良さが体中を駆け巡り、なんと自分は幸せなんだろう、、、と、至福を感じました。そうなんです。至福感とはこういう感覚なのです。

雲林院のクセを舞ったのですが、去年はどっぷりと武者を舞ったお陰で激しさを楽しみ、急に与えられたゆるりとした時空に出来ていなかった基礎を学ぶ良い機会にもなり、とても勉強になりました。
舞台の檜は、厚みがあり、深く柔らかく温かい感触でした。
ゆるりとしている仕舞いのお陰で、見所が良く見渡せてしまったこともちょっとした発見でした。国立の座席の傾斜は舞台に立つ人が自然な目線で隅から隅まで一気に見渡せるようになっていることがよく解りました。寝ている人も隈なく見えるわけです(笑)

舞台脇の簾は、和室になっていて、簾を通して拝見する能は、なんとも美しい風景でした。しばらくそこに座り見ていると、平安時代の御簾から外を見る貴族になっちゃったような気分にもなり、お得感満載。

丸一日、舞台裏から舞台までの隅々を歩き、今朝足袋を洗おうと足袋の裏を見ると、ほぼ汚れはありませんでした。

維持管理する皆様の心がけも改めて伝わり、ありがたいありがたい、と、お天道さまに手を合わせ、昨日の檜舞台に感謝する朝を迎えました。

次は何を舞わせていただけるのか、、、何を謡わせて頂けるのか、、、目の前にニンジンをぶら下げられる事が習慣化している自分にも苦笑し、仕事を頑張る気力も漲り、今日から新たな気持で働くことができそうです。

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