五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

「私と能楽」を語ってみた

2013年04月29日 | 第2章 五感と体感
二日間続けて能の会を楽しみました。

晴れた日に傘の骨に紙を貼るとピッと張れ、笠を差して三笠山~♪(忠実な言い回しではありませんが、こんな感じ)
昨日の狂言「末広」を拝見し、「おっ、お見事、座布団一枚~!!」と、心の中で大いに手を叩きました。

金春惣右衛門師の米寿のお祝いの会とあって、末広を選んだことは言わずとも解ることですが、この「言わずとも解ること」で、大いに心を豊かにしていくのが日本文化の面白さでもあります。

言語療法を学び続ける者として、理論を学ぶ中で何が大事かというと私自身の感情の言葉による表現の仕方です。

能楽の魅力の感じ方は、人によって様々ですが、私と能楽は学生の頃の装束の取り合わせに魅せられたことから始まりです。曼荼羅を観る旅と同時に、能楽の装束は、自身の作品制作に随分影響を受けました。
そのうち表装の取り合わせの勉強を装束からさせていただき、いつのまにやら自分が仕舞いと謡いを習うことで戯曲と所作の面白さに取り憑かれているということに。。。

人の言霊を聴くにあたり、聴く側の感性の豊かさが要求されます。心理学の学びだとその訓練のことをセンシビリティートレーニングと言いますが、私の場合、そのトレーニングに大いに役立っているというわけです。

言葉は言霊です。

自分が発する言葉が、どんな背景で生まれてくるのかを辿る旅は、私が生まれ育った日本の歴史に大きく影響されています。
歴史を学び、自分の知り得る限りの祖先と重ね合わせていくと、源氏物語や伊勢物語、平家物語が読みたくなり、その物語の場所に立ちたくなります。

立ってみると時代の壁が取りさられ、千年前の自分や百年前の自分の魂に出会うような心持と体感を覚えるのです。

特に能楽には、その力が秘められています。

だから面白い。

自分のやっていること学んでいることが全て繋がっていて、それが自分を成り立たせているのです。
それが私の喜びなんだとつらつら思います。

「5月5日は横浜能楽堂にて金剛流:熊谷眞千子師シテの「富士太鼓」を観ます。開演は14時~ 指定席四千円 自由席三千円」
師匠の能を楽しみに、五月の連休を大切に過ごしたいものです。

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