今から30年前の1992年10月14日、両国国技館で行われた試合結果です。
WBAストロー級戦(現ミニマム級):
挑戦者大橋 秀行(ヨネクラ)判定3対0(118-110、117-110、116-112)王者崔 熙墉(韓国)
*この試合から遡ること2年。大橋はリカルド ロペス(メキシコ)に完敗し、それまで保持していたWBCストロー級王座を失っていました。ロペス戦後4連勝を飾った大橋に、WBA王座へ鞍替えての王座返り咲きの機会が訪れました。
この試合の3日前に、後楽園ホールのリングでロペスが圧倒的な強さを見せつけ、大橋から奪った王座の5度目の防衛に成功していました。大橋も「ロペスに続け!」と行きたかったのですが、崔に大いに苦しめられ大苦戦。判定は大差で大橋を支持していましたが、試合内容自体は非常に競ったものでした。ジャッジ3名はそれぞれ、8ポイント、7ポイント、4ポイント差で大橋としていましたが、1~2ポイント差で大橋が妥当と言った所だったでしょう。
(大橋が苦しみながらも崔に勝利。2度目の世界王座を獲得しました。)
ロペスと比べれば、どうしても落ちてしまう崔ですが、決してレベルの低い選手ではありませんでした。アマチュアで確かな経験を積み、プロでも大橋戦前までの戦績は14戦全勝(7KO)。保持していた王座も4度の防衛に成功。大橋戦から2年半後、日本のリングで暴れまわったレオ ガメス(ベネズエラ)を破り、世界2階級制覇も達成しています。
どうしてもロペスと比べられてしまった当時の大橋。そして残念ながら実力、実績ともにライバルとは大きな隔たりがありました。しかしアジアの強豪崔を下し、世界王座に返り咲いた事実はもっと評価されるべきではないでしょうか。