先週末1日、米国ウィスコンシン州で行われた試合結果です。
クルーザー級戦(8回戦):
アンソニー ペティス(米)判定2対0(78-74、77-75、76-76)元世界4階級制覇王者ロイ ジョーンズ(米)
*既に昨年、ボクシングの殿堂入りを果たしているロイ ジョーンズ(米)。あろうことか、UFCなる別格闘技からボクシングに転向したアンソニー ペティス(米)と公式な試合で対戦。僅差とは言え、ジョーンズにとり不可解な判定負けを宣告されました。
2020年11月に、マイク タイソン(米)とエキシビションマッチを行ったジョーンズ。今回のペティス戦も、同じ志向で行われるのかと思っていました。しかし、まさか公式な試合で行われるとは...。いくら元スーパーマンだからといって、ジョーンズは1969年1月生まれの54歳。最後に行った実戦から5年以上経っている50代の人間が、公式なボクシングに出場できること自体が間違っています。54歳のジョーンズが終始試合を優位に進め、36歳のペティスを翻弄し(ジョーンズが判定負けでしたが)無事に試合が終わったから良かったものの、事故でも起こっていたらどうしていたのでしょうか?
何はともあれ、ジョーンズにはもう2度と公式な試合を行わないで貰いたいものです。残念ながら、その偉大なキャリアに不必要な黒星を加えてしまったジョーンズ。戦績を66勝(47KO)10敗(5KO)としています。
(先日のロイ ジョーンズ)/ Photo: the Sun
ロイはミドル級、スーパーミドル級、ライトヘビー級、そしてヘビー級の4階級で世界王座を獲得しました。現役のゲナディー ゴロフキン(カザフスタン)、サウル アルバレス(メキシコ)、ドミトリー ビボル(キルギスタン)、アルツロ ベテルビエフ(カナダ/露)がいくら強くても、全盛期のジョーンズには太刀打ち出来なかったでしょう。それぐらい彼は強かった、いや、強すぎました。
(四半世紀前ほどのロイ ジョーンズ。上の写真と同一人物です。)/ Photo: the Fight City
ジョーンズのキャリアを簡単に振り返ってみます。
1988年(35年前):ソウル五輪に出場し、ライトミドル級(プロで言うスーパーウェルター級)で銀メダルを獲得。
1993年(30年前):あのバーナード ホプキンス(米)に判定勝利を収め、自身初の世界王座であるIBFミドル級王座を獲得。
1998年(25年前):ライトヘビー級で犯罪的な強さを見せつけていた正に絶頂期。WBAとWBC王座を保持していた。
2003年(20年前):ライトヘビー級ではあまりにも強すぎ、クルーザー級でも釣り合う相手がいなかったため、ヘビー級王座に挑戦。WBA王者ジョン ルイス(米)を相手にせず、最重量級の王座をも獲得。
2008年(15年前):プエルトリコの英雄フェリックス トリニダードとの「遅すぎた」対戦に勝利するも、スーパーミドル級で一時代を築いたジョー カルザゲ(ウェールズ)には大差の判定負け。
2013年(10年前):ロシアの地でマイナー団体WBU(ドイツ版)クルーザー級王座を獲得。
2018年(5年前):地元米国フロリダ州ペンサコーラのリングで、マイナー団体WBU(ドイツ版)クルーザー級王座を再獲得。この試合を最後に、実戦から遠ざかっていました。