先週末8日、有明コロシアムで行われた試合結果です。
WBOアジア太平洋ウェルター級戦:
王者佐々木 尽(八王子中屋)TKO3回1分13秒 挑戦者/前日本王者小原 佳太(三迫)
*これまでに日本王座の2階級制覇を達成し、OPBF(東洋太平洋)スーパーライト級に加え、WBOアジア太平洋ウェルター級王座を2度獲得してきた小原。2016年9月には敵地ロシアで世界王座のリングにも立ちました。ここ数年、日本の重量級(世界の中量級)を牽引してきた第一人者と言って間違いないでしょう。対する佐々木は2021年10月にアンディ 平岡(大橋)が保持していた日本とWBOアジア太平洋スーパーライト級王座に挑戦しますが完敗。しかし今年初めに114秒の速攻で現在保持する王座を獲得しました。
「勢い対経験」となった今回の一戦は、上昇気流にのる佐々木があっという間に経験の小原を飲み込む形でKO勝利。初防衛に成功すると共に、1月のタイトル獲得がフロックでないことを証明しています。
豪快なボクシングを披露し、鮮やかな新旧交代劇を演じた佐々木。「このボクシングではこれ以上のレベルではちょっと...」という声も聞かれますが、この勢いでどんどん試合をこなしていった貰いたいですね。今後の更なる活躍が期待しましょう。
2023年4月13日現在の、ウェルター級のタイトル保持者たちは下記のようになります。
WBA(スーパー):エロール スペンス(米/防衛回数0)
WBA(レギュラー):エイマンタス スタニオニス(リトアニア/0)
WBC:エロール スペンス(米/2)
IBF:エロール スペンス(米/6)
IBF(暫定):ジャロン エニス(米/0)
WBO:テレンス クロフォード(米/6)
OPBF(東洋太平洋):豊嶋 亮太(帝拳/2)
WBOアジア太平洋:佐々木 尽(八王子中屋/1)
日本:空位
*この辺りの階級になると、世界と日本のレベルの違いは大変顕著になってしまいます。しかし国内やアジア圏レベルでも、軽量級に無い豪快な試合が見れるだけに、佐々木や小原の対抗馬的な選手がどんどん出てきてほしいものです。
IBFフェザー級挑戦者決定戦:
WBOアジア太平洋フェザー級王者阿部 麗也 (KG大和)判定3対0(119-109x2、117-111)元IBFスーパーバンタム級、フェザー級王者キコ マルティネス(スペイン)
*以前から、その才能を高く評価されていた阿部。30歳となった現在、29戦目にして世界2階級制覇王座に大差の判定勝利を収め、ようやく世界挑戦への挑戦権をゲットしました。9年ぶりに日本のリングに立ったマルティネス。試合内容は数字ほど離れていなかっただけに、まだまだ頑張ってくれるでしょう。
先日もお届けしましたが、2023年4月14日現在の阿部とマルティネスが活躍するフェザー級のタイトル保持者たちは下記のようになります。
WBA:マウリシオ ララ(メキシコ/防衛回数0)
WBC:レイ バルガス(メキシコ/0)
WBC(暫定):ブランドン フィゲロア(米/0)
IBF:ルイス アルベルト ロペス(メキシコ/0)
WBO:ロベイシー ラミレス(キューバ/0)
OPBF(東洋太平洋):空位
WBOアジア太平洋:阿部 麗也(KG大和/1)
日本:空位
スーパーバンタム級戦(6回戦):
那須川 天心(帝拳)判定3対0(60-53x2、59-54)日本バンタム級2位与那覇 勇気(真正)
*これまで那須川の別格闘技での試合は見たことがありませんが、想像していたボクシングとは全く違ったボクシングを披露しデビュー戦に勝利。基本に忠実で戦闘能力が高いだけに、今後の活躍に期待出来そうです。
ただ、与那覇が日本バンタム級2位とは言え、質、量ともに低下している国内ランカーであり、これまで8回戦以上の経験のない選手。那須川陣営には、じっくりとしたキャリア作りをして貰いたいですね。