DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

あの試合から30年(WBCミドル級ほか:1993年5月8日)

2023年05月08日 05時44分33秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前の1993年5月8日、米国ネバダ州ラスベガスで行われた試合結果です。
WBCミドル級戦:
挑戦者ジェラルド マクラレン(米)TKO5回2分9秒 王者ジュリアン ジャクソン(バージン諸島)

3つの世界戦を含め、数名の著名選手たちが出場したこの興行。その中で一番面白かったのが、稀代の強打者対決となったこのミドル級戦でした。すでに2階級制覇を達成していたジャクソンの戦績は46勝(44KO)1敗!まだまだマイナー団体だったWBO王座を返上し、主要団体のタイトルに挑戦してきたマクラレンの戦績は27勝(25KO)2敗!二人合わせて73の白星を築き、その内KO/TKO勝利が69。数字だけ見ても驚異的ですが、両者ともその数字に見合うだけの本物の強打者でした。

   

(超強打者同士の打ち合い、ペース争いが繰り広げた一戦)/ Photo: Youtube + Queensberry Rules

ジャクソン、マクラレン共にお互いの強打にビビる事なく戦闘が開始されました。マクラレンが先手を取ったかと思えば、2回にはジャクソンがペースを奪回。両者が激しく主導権の奪い合いをしていきます。

3回、両者の頭が激突し、ジャクソンが鼻柱から出血するアクシデントに見舞われ、攻撃力も一時停滞してしまいます。しかし5回、お返しとばかりに2度のローブロー(低打)でマクラレンに膝をつかせたジャクソン。レフィリーからは「次のローブローで減点だ!」と勧告を受けてしまいます。

試合は一時中断の後再開されましたが、そこからローブローの被害者だったマクラレンが一気に試合を終わらせてしまいます。右から左のコンビネーションで豪快にダウンを奪ったマクラレン。ジャクソンはカウント内に立ち上がるも、再び米国人の強打にさらされ万事休す。マクラレンが緑のベルトへの鞍替えに成功すると同時に、KOキングとしての主役の地位もゲットしました。

3大世界戦の先陣を切って行われたこのミドル級戦ですが、その辺がアメリカらしいというのでしょうか、メインイベントではなかったため会場はまだまだ半分ぐらいの客入りでした。勿体ないと言えばそれまでですね。

WBCヘビー級戦:
王者レノックス ルイス(英)判定3対0(118-111、117-111、116-112)挑戦者トニー タッカー(米)

WBCスーパーライト級戦:
王者フリオ セサール チャベス(メキシコ)TKO6回45秒 挑戦者テレンス アリ(米)

*この興行が何とも贅沢なことだったか。KOパンチャー同士による世界ミドル級戦が3大世界戦のこけら落としとして行われ、ヘビー級王者に認定されたルイスの初防衛戦、当時の最強戦士チャベスの防衛戦が同時に開催されました。その他にもヘクター カマチョ(プエルトリコ)やメルドリック テーラー(米)など、当時を代表する元世界王者たちも出場しています。チャベスは去る2月末に、母国メキシコで13万7274(情報源によって若干の数字の違いがあります)もの観衆の前で防衛戦を行ったばかり。驚くなかれその試合、対グレグ ホーゲン(米)と今回のアリ戦の間に無冠戦を一試合こなしていました。まさに戦うチャンピオン!というか怪物ですね。

(左からルイス、チャベス、ジャクソンと、当時のスーパーチャンピオンたちがそろい踏み!)/ Photo: BoxRec

後に名王者の地位を手に入れたルイスですが、元王者タッカー相手に勝つのがやっと。チャベスもこのアリ戦あたりから衰えが見え始めました。本来ならルイスやチャベスが主役である筈だった今回の大興行。結果はマクラレンとジャクソンの勝利と言って間違いないでしょう。

コメント
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