勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

片月見

2006-11-03 23:56:52 | Weblog
 「今夜は旧暦の十三夜、昔ながらの習慣だけどお月見のまねごとにお団子をこさえてお月様にお供え申し上げました。
・・・中略・・・
十五夜にあげないんだから片月見になっても縁起が悪いから、食べさせてあげたいと思いながらも思うだけであげることが出来なかったのです」(樋口一葉「十三夜」から)
≪河出文庫より、現代語訳・篠原一さん≫
 
 樋口一葉は小説「十三夜」の中で、月見は十五夜と十三夜の両方するもので、片月見は縁起が悪いといっている。

 中秋の名月が、旧暦8月15日であるのにたいして、旧暦9月13日を十三夜として愛でるのは、日本人特有の繊細な美意識だという。

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 今宵11月3日は、旧暦9月13日の十三夜。小春日和の今日の浅草は午後には時代祭りがあり、江戸文化をはじめとする過ぎ去った時代を蘇らせる行列絵巻が繰り広げられた。

 夜まで賑わった浅草寺境内も、10時を過ぎるとさすがに静かになり、ライトアップされた五重塔の真上には十三夜の月が雲間から顔を出し、その美しさを競っていた。

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 中秋の名月は曇り空でお月見はできなかったが、次の日の満月は見ることができた。
片月見であろうが、美しいものを愛でるのに遠慮は要らない。東京では美しい十三夜を見ることができた。
2006.11.03