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せり なずな
ごぎょう はこべら
ほとけのざ
すずな すずしろ
これぞ春の七草
せり なずな
ごぎょう はこべら
ほとけのざ
すずな すずしろ
これぞ春の七草
春の七草のひとつ「すずしろ」とは大根のこと。大根は、その色から清浄であるといわれ、淡白な味は調理法を選ばず、しかも体内の毒素を中和しジアスターゼによる消化を助ける働きがある。
墨田川の西岸に位置し、10メートルほどの丘にある浅草寺の支院「待乳山聖天(まつちやましょうでん)」は、商売繁盛を表す巾着と、身体を丈夫にし良縁成就、夫婦仲良く、一家の和合を加護する意味の、大根をシンボルとする神様だそうだ。
今年も多くの参拝客で賑わった
境内では、奉納神楽も披露され
参拝者は振舞われたふろふき大根とお神酒に舌鼓を打っていた
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吉田兼好は、徒然草の中で大根をこのように取り上げている
吉田兼好は、徒然草の中で大根をこのように取り上げている
筑紫に、なにがしの押領使などいふやうなる者のありけるが、土大根を万にいみじき薬とて、朝ごとに二つづゝ焼きて食ひける事、年久しくなりぬ。
或時、館の内に人もなかりける隙をはかりて、敵襲ひ来りて、囲み攻めけるに、館の内に兵二人出で来て、命を惜しまず戦ひて、皆追ひ返してにげり。いと不思議に覚えて、「日々こゝにものし給ふとも見ぬ人々の、かく戦ひし給ふは、いかなる人ぞ」と問ひければ、「年来頼みて、朝な朝な召しつる土大根らに候う」と言ひて、失せにけり。
深く信を致しぬれば、かゝる徳もありけるにこそ。
九州にいた兵隊の元締めが、大根を万病の薬であると信じこんで、毎朝二本づつ焼いて食べ続けていた。
警備員が館を留守のときに、敵が襲い込んできたが、館の中に見知らぬ兵隊が二人あらわれて、捨て身の体勢で戦ったために、敵をみんなやっつけてしまった。とても不思議なことだったので「どちらさんですか? いつもここに住んでいる兵隊さんではないようですが、このように戦ってくれるとは」と尋ねると「あなたがいつも信じて疑わず、毎日、毎朝、食べていた大根でございます」といって去っていった。
どんなことでも深く信じてさえいれば、こんな徳があるのかも知れない。
2007.01.07