現役力士たちの八百長疑惑が波紋を呼んでいる大相撲。その影響で「大相撲トーナメント」、「NHK福祉大相撲」といったイベントが中止となりました。八百長発覚から4日が経った6日、日本相撲協会は3月13日から大阪府立体育会館で開催予定だった「春場所」の中止を決定しました。本場所での中止は昭和21年の夏場所以来約65年ぶり、不祥事での中止は史上初となります。
相撲協会は午前中に理事会を開き、春場所の開催中止を正式決定。夕方での記者会見で放駒理事長は「相撲の歴史において最大の汚点を残してしまった。申し訳ない」と謝罪し、中止の理由については「八百長問題の解明が進まない中で、本場所を開くことは国民の理解を得られない」、「疑惑調査が難航していて、膿を完全に出し切るまでは土俵上で相撲をお見せすることは出来ない」と夏場所以降の中止も示唆しておりました。また、この会見で年内の地方巡業を中止を発表。村山弘義副理事長が野球賭博や八百長などの相次ぐ不祥事で、「役に立てなかった」と述べて辞任の意向を示しました。
八百長に関与したとみられる十両の千代白鵬関、元幕内・春日錦の竹縄親方、三段目・恵那司関の処分については保留。竹縄親方とメールのやり取りをしていて、関与を否定している清瀬海関に対しては、特別調査委員会が「関与を認定せざるを得ない」と判断しました。千代白鵬は引退届を提出しましたが、協会側は受理せず。4人にはいずれも厳しい処分が下されそうです。
春場所中止を受け、力士代表として評議員会に出席した大関・魁皇関が、報道陣の質問に答え、「大阪で待っていてくれているファンの皆様には本当に申し訳ない」と謝罪。白鵬関も会見に出席する予定でしたが、体調不良のため急きょキャンセルとなりました。
春場所の開催地である大阪では、大阪府立体育会館前の掲示板には本場所中止を伝える貼り紙が掲載され、市民から「やってほしかった」、「春の風物詩が無くなる」、「大半の人はまじめにやってるので若い力士たちが気の毒だ」と落胆の声があれば、相撲案内所組合の人が「死活問題。どうすればいいのか」と不安げに。橋下徹大阪府知事は「残念です。一日も早く国民の信頼を回復する事を願う」とコメント。春場所担当部長の北の湖理事は、大阪での会見で謝罪し、3度も頭を下げておりました。
今回の本場所中止は当然の結果だろうと思います。八百長がこんなにも明るみになっていて、連日テレビのニュースやワイドショーで報道され、国民の理解を得ずに強行したらますます相撲協会に批判が殺到するかもしれません。正直言って、夏場所以降中止になっても一部の相撲ファン以外は誰も悲しまないんじゃないでしょうか。相撲中継見るよりも民放のニュース番組や「5時に夢中」を見た方が面白いもん。
それにしても貴乃花が現役を引退して以降不祥事が目立ちますね。サッカー騒動に泥酔といった朝青龍の度重なる問題行動、時津風部屋の暴行死事件、相次ぐ大麻問題、野球賭博、外国人力士のケンカ騒ぎ、そして八百長疑惑…。これだけの問題を抱えている団体は異例、よく事業仕分けの対象になりませんね。日本人力士の低迷、観客減、不祥事などで相撲人気がますます低下するだろうし、八百長問題の解決、協会の体質が改善がしなければ、日本の国技は終わりを迎えるでしょう。