今年最初のJRAGI競走・第28回フェブラリーステークス(GI ダート1600m・16頭立て)が20日、東京競馬場で行われました。エスポワールシチーとスマートファルコンのダート界のトップホースが不在の中で争われる今年の「春のダート王決定戦」は、昨年のジャパンカップダートを制し、ドバイでの「ゴドルフィンマイル」の招待を受諾している⑫トランセンドが参戦すれば、交流GI5勝を誇る「地方競馬のエース」⑬フリオーソ(船橋所属)がミルコ・デムーロ騎手とのコンビで中央GI獲りに挑戦。他にも目下3連勝の⑭セイクリムズン、⑦ダノンカモン、池江泰郎厩舎(これが最後のGI)所属の⑤バーディバーディの「新興勢力勢」、南部杯覇者①オーロマイスター、⑮シルクメビウス、⑯マチカネニホンバレ、⑩ダイシンオレンジの「ダート中堅組」、②コスモファントム&④ライブコンサートの「芝からの刺客」も出走しました。
直前の単勝オッズでは、1番人気はトランセンド(3.5倍)、2番人気セイクリムズン(5.1倍)、フリオーソが3番人気(5.5倍)。4番人気以降はバーディバーディ(7.3倍)、ダノンカモン(7.6倍)までが単勝一桁台。6番人気以降はシルクメビウス、マチカネニホンバレ、オーロマイスターと続きました。
レースはトランセンドがいきなり好スタートを切り、押して押して鼻を奪います。一方でフリオーソは後方からの競馬。そして⑧ビクトリーテツニーがやや遅れ気味。ダートコースに入り、トランセンドが先頭、セイクリムズンとマチカネニホンバレが2番手を争い、4番手にダイシンオレンジ、5番手に⑪メイショウタメトモと続く。6番手にコスモファントム、バーディバーディ7番手、ダノンカモンは8番手。後方集団には、フリオーソ12番手、メビウス、オーロマイスターが並走し、③ダイショウジェット15番手。ビクトリーテツニーはポツンと置かれて最後方追走。
3コーナーのケヤキを通過し、先頭のトランセンドとニホンバレの2頭がピッタリと並び、その後ろにはセイクリムズンがつける状態。位置的には絶好ともいえる。フリオーソは大外に持ち出しているが、まだ後ろの方。最後の直線に差し掛かり、トランセンドがまだ先頭で粘り、マチカネニホンバレも少し離されたが食らいついている。セイクリムズンが馬群に沈む代わりにバーディバーディが3番手に浮上し、前を行く2頭に迫りかかる。残り200mでトランセンド1馬身リード、バーディバーディがニホンバレをかわして2番手に浮上。大外からフリオーソが一気に追い上げ、4番手のダノンカモン、マチカネニホンバレをかわす。そしてトランセンドはゴール前で突き放してそのままトップでFINISH!2着争いではフリオーソがバーディバーディをわずかに捕らえたか。
最終成績&払戻金
1⑫トランセンド 1:36.4
2⑬フリオーソ 1.1/2
3⑤バーディバーディ クビ
4⑦ダノンカモン 1.1/4
5⑯マチカネニホンバレ クビ
6⑥クリールパッション 2.1/2
7④ライブコンサート ハナ
8⑮シルクメビウス ハナ
9⑩ダイシンオレンジ クビ
10⑧ビクトリーテツニー 1/2
11③ダイショウジェット 1/2
12①オーロマイスター クビ
13⑪メイショウタメトモ 3
14⑭セイクリムズン クビ
15⑨パワーストラグル 3
16②コスモファントム 2
単勝 12 350円
複勝 5 220円 12 160円 13 220円
枠連 6-7 480円
馬連 12-13 1,100円
馬単 12-13 2,040円
ワイド 5-12 560円 5-13 860円 12-13 490円
3連複 5-12-13 3,200円
3連単 12-13-5 12,240円
(結果についてはJRA発表のものでご確認下さい。※お約束)
トランセンドがJCダートに続いてGI2連勝でフェブラリーステークス制覇!JCDとフェブラリーステークスのGI連覇は、昨年のエスポワールシチーに続いて史上5頭目となります。鞍上の藤田伸二騎手はJRAGI通算14勝目、このレースでは初勝利を飾りました。またトランセンドを管理する安田隆行調教師もフェブラリーS初勝利です。
東京1600mでは2009年の武蔵野ステークス6着と敗れた事もあり、レース前まではコースとマイル適正が不安視されていたのですが、本番ではスタートで飛び出すと、道中はマチカネニホンバレに並ばれるも終始先頭を譲らず、そのまま逃げ切り勝ちを収めて不安をはねのけました。GIホースの意地1番人気の支持に応え、ドバイへ弾みをつけましる完勝劇。最高の形でドバイに向かいます。
トランセンドはドバイミーティングで「ゴドルフィンマイル」の招待を受諾していますが、今回の勝利で「ドバイワールドカップ」に変更するといわれています。もし参戦すればブエナビスタやヴィクトワールピサとの対戦が実現するかもしれません。藤田騎手じゃないけど、「ドバイWCに出ればよろしいやん」かと。オールウェザーでどこまで通用するのか期待しよう。
2番人気だったフリオーソは2着に終わり中央GI奪取の悲願達成ならず。スタートで後手を踏みながらも最後の直線では大外から猛追し、ダノンカモンやバーディバーディをかわして2着に入りました。上がり3ハロンの35.7秒は16頭の中で最速タイム。ここまで健闘できたのはデムーロ騎手の手綱捌きの上手さがあったからだと思います。主戦を務める戸崎圭太騎手が乗っていたら、最悪の場合2ケタ順位に終わっていたかもしれないので、陣営の判断は間違いではなかったか?
3番人気のセイクリムズンは、道中3番手と好位につけながらも、直線でズルズルと後退して14着惨敗。初の大舞台で気合いが入っていたはずだけど、空回りしちゃったんでしょうか…?芝組ではライブコンサートが7着、コスモファントムは最下位に終わりました。
来週からは中山競馬場と阪神競馬場に戦いの舞台が移ります。27日は中山で中山記念、阪神では高松宮記念の前哨戦・阪急杯が行われます。中山記念には昨年のグランプリホース・ヴィクトワールピサが登場!2011年の初戦は得意の中山コース、ドバイへむけ絶対に落とせないレースになるでしょう。アパパネも出走予定だったんですが、発熱で回避決定。他にもリーチザクラウン、キャプテントゥーレ、リルダヴァルも登録しています。阪急杯の方は、ガルボ、サンカルロ、ワンカラット、ビービーガルダンあたりが出走登録。いよいよ春GIへ向けた戦いが本格化。トライアルレース&古馬GIの前哨戦は見逃せない!