3連休最終日でバレンタインデー前日の13日は、東京競馬場ではクラシックへの登竜門・共同通信杯、京都競馬場では春の古馬GI戦線を占うステップレース・京都記念が行われました。共同通信杯はディープインパクト産駒の直接対決、京都記念はGI級のメンバーが集結と見どころ満載でした。
京都のメイン競走・第104回京都記念(GⅡ・芝2200m 12頭立て)は、昨年の菊花賞馬・③ビッグウィーク、NHKマイルカップを制した④ダノンシャンティ、昨年の有馬記念で3着と健闘した②トゥザグローリー、「善戦マン」返上を目指す⑫ヒルノダムールの最強4歳勢が集えば、2008年の菊花賞馬①オウケンブルースリ、2007年のシンガポール航空インターナショナルカップ優勝馬⑨シャドウゲイト、京都コースを得意としている⑤メイショウベルーガといった古豪も参戦しました。
レースはビッグウィークが好スタートを切りますが、⑩セラフィックロンプと⑪プロヴィナージュの牝馬2頭が先行し、ヒルノダムール4番手、トゥザグローリーは5番手でゴール板を通過、ダノンシャンティは掛かっていて折り合いが悪く、オウケンブルースリ最後方。1コーナーから向正面に入り、セラフィックロンプが先頭、プロヴィナージュ2番手、3番手にトゥザグローリー、そのすぐ後ろにビッグウィークがぴったりと付いている。中団にはメイショウベルーガとダムールが5番手で並走、7番手にシャドウゲイト、ダノンシャンティ9番手。後方には⑥ロードオブザリング、⑦ヒカルカザブエと続き、ブルースリ依然として最後方追走。
残り1000m~外回り3コーナーに差し掛かり、シャドウゲイトが早くも動いて先頭集団に加わる。有力馬は中団の位置に固まっている。シャンティはまだ8番手、オウケンブルースリは外に持ち出している。下り坂でトゥザグロが先頭集団に迫り、ヒルノダムールも動き出す。ベルーガはまだ加速せずに直線勝負!
12頭が4コーナーから最後の直線に入り、先頭争いはセラフィックが最内で粘って、ビッグウィーク、ヒルノダムール、シャドウゲイトの3頭が横並びの中、大外のトゥザグローリーが残り200mでまとめてかわして首位浮上!大外からメイショウベルーガも飛んできて、ダムールを捉えるもトゥザグロには届かない。トゥザグローリーはベルーガの猛追を振り切り先頭でゴール!並居るライバルを破ってGI制覇に一歩前進したトゥザグローリー、この馬の進化は止まらない!
単勝1番人気だったトゥザグローリーが、その期待に応えて京都記念を制し、昨年の中日新聞杯以来2度目の重賞勝利。2着のメイショウベルーガは京都での相性の良さを証明。2番人気のヒルノダムールは3着に終わり、またしても重賞初制覇ならず。ダノンシャンティは道中折り合いを欠きながらも4着に入り、菊花賞馬・ビッグウィークは休み明けの影響もあり6着でした。
トゥザグローリーは母がトゥザヴィクトリー、父がキングカメハメハという良血。お母さんはかつて池江泰郎調教師が管理し、息子も池江氏に育てられました。池江さんの定年前に重賞を勝利するなんて、なんつう孝行息子だ!この勝利は定年を迎える恩師に捧ぐ1勝ではないかと思います。この日は道中3,4番手で進み、直線では前を行く馬たちを外から一気に差し切りました。ここ5戦で3勝と好調、GI制覇の期待も高まる一方。春の天皇賞は距離的に不安があるけど、宝塚記念なら優勝候補の一角として挙げられそうです。
東京メイン・第45回共同通信杯(GⅢ 芝1800m)は、13頭によって争われました。このレースの注目は、ラジオNIKKEI杯2歳ステークスの勝ち馬⑪ダノンバラードとデビュー2連勝中の⑤サトノオーによる「ディープ産駒」の直接対決が実現。ダノンバラードは重賞2勝目、サトノオーは3連勝での重賞Vに挑みます。他にもステイゴールド産駒の②ナカヤマナイト、⑬ディープサウンド、⑫ベルジャザール、船橋競馬から④ダブルオーセブンが参戦しました。
③タツミリュウがポンと飛び出して始まったこのレース、先行争いでディープサウンドが大外から押し上げて先頭を奪います。2番手付近には好スタートを見せたタツミリュウ、⑥ユニバーサルバンク、ベルシャザールがいて、ダノンバラードは中団7番手。9番手の位置にナカヤマナイト、サトノオーは後方待機、⑧ニジブルームが最後方を追う。
先頭のディープサウンドは1馬身リードで3コーナーを回り、ユニバーサルバンクがピッタリと2番手。ダノンバラードはまだ中団待機、サトノオーはまだ後方。直線に入り、ディープサウンドとユニバーサルバンクの2頭が並び、最内からナカヤマナイトが突っ込んでいき、先頭争いは3頭に絞られた。ディープサウンドとサトノオーは外に持ち出すがあまり加速しない。後続ではベルジャザールとダブルオーセブンが上昇。残り100mでユニバーサルバンクが前に出たが、最後はナカヤマナイトがゴール前でかわしてゴール!
直線の3頭の叩き合いを制したのは、ステイゴールド産駒のナカヤマナイトでした。道中逃げていたディープサウンドが、ディープ産駒最上位の3着。同じくディープ産駒のサトノオーは6着、1番人気だったダノンバラードは9着と惨敗。地方馬(ダブルオーセブン5着)に負けるなんて正直情けない。ダノンバラードに至っては初めての府中コース&左回りで大苦戦、これではダービーや秋の天皇賞、ジャパンカップといった府中のGIレースでは勝てそうにありません。池江さんもこの結果にため息しか出ないでしょう。この日の東西重賞は、池江厩舎の明暗が分かれた1日となりました…。
来週は東京競馬場で今年のJRAGIレースの第1弾・第28回フェブラリーステークスが行われます。「冬のダート王」を決めるこのレースですが、昨年の覇者・エスポワールシチーが回避し、サクセスブロッケンが現役引退を発表。歴代王者不在の中、JCダートを制したトランセンド、根岸ステークスの勝ち馬・セイクリムズン、ダノンカモン、オーロマイスター、シルクメビウス、ダイシンオレンジ、バーディバーディ、地方からフリオーソが出走予定。フリオーソはミルコ・デムーロとのコンビで挑む予定だとか。それに屈腱炎で2年近く休養していたカジノドライヴが出走登録。絶対的な本命がいなくて混戦&波乱もあるかもしれない今年のフェブラリーSは、2月21日PM3時40分に発送予定です。