東日本大震災からちょうど9か月を迎えた12月11日、2011年度の2歳女王決定戦・第63回阪神ジュベナイルフィリーズ(GI・芝1600m 18頭立て)が阪神競馬場で行われました。ファンタジーステークスを制した⑪アイムユアーズ、小倉2歳Sの勝ち馬⑯エピセアローム、函館2歳S優勝の⑤ファインチョイスといった「重賞ウィナー組」、ディープインパクトを父、ブエナビスタを姉に持つ「超良血」で、デビュー2戦目でのGI制覇を狙う⑬ジョワドヴィーヴル、ディープ産駒の①アンチュラス、⑱サウンドオブハート、⑫ラシンティランテ、⑧イチオクノホシ、⑮トーセンベニザクラなどが参戦しました。
直前の単勝の上位人気は、1番人気がサウンドオブハート(4.6倍)、2番人気がエピセアローム(5.3倍)、ラシンティランテが3番人気(6.5倍)。4番人気のジョワドヴィーヴル(6.8倍)までが10倍以下で、5番人気以降はイチオクノホシ、ファインチョイス、⑩アナスタシアブルーと続きました。
スタートはややばらけた感じとなり、②エイシンキンチェムがポーンと飛び出したのに対し、⑥スイートスズランが大きく出遅れ。⑰ガーネットチャームや⑭プレノタートも後手を踏んだか?先行争いでは、ファインチョイスがキンチェムをかわして鼻を奪い、アイムユアーズ、ラシンティランテ、サウンドオブハート、エピセアロームの有力勢が2番手を争う。でもサウンドオブハートとラシンティランテが掛かり気味だ。6番手にアナスタシアブルー、アンチュラス9番手、ジョワドヴィーヴルは中団の10番手。10番手集団の中にイチオクノホシとトーセンベニザクラがいて、後方グループでは15番手の位置にガーネットチャーム、⑨ナオミノユメ、④マイネボヌールが並び、スイートスズランがポツンと最後方。
外回り3コーナーの中間点~残り800mを切り、ラシンティランテがわずかに先頭で、ファインチョイスやサウンドハードもピッタリと並んでいる。先頭争いは混戦模様か?アンチェラスが内に入り、エピセアロームとジョワドの2頭は外に持ち出して4コーナーを回って最後の直線へ。サウンドオブハートが先頭に立とうとするが、ファイチョが内で粘る。しかし、残り200mでジョワドヴィーヴルが一気に突き差してトップに浮上!そして最後は2番手以下を引き離してゴールイン!
全着順&払戻金
1着⑬ジョワドヴィーヴル 1:34.9
2着⑪アイムユアーズ 2 1/2
3着⑱サウンドオブハート ハナ
4着⑧イチオクノホシ 1/2馬身
5着①アンチュラス クビ
6着⑰ガーネットチャーム クビ
7着⑭プレノタート アタマ
8着⑯エピセアローム クビ
9着④マイネボヌール 1/2馬身
10着⑮トーセンベニザクラ ハナ
11着⑤ファインチョイス 1 1/4馬身
12着⑩アナスタシアブルー 1/2馬身
13着⑨ナオミノユメ 3/4馬身
14着③アラフネ 1 3/4馬身
15着⑫ラシンティランテ 1 1/4馬身
16着⑥スイートスズラン クビ
17着⑦レディーメグネイト 1 1/4馬身
18着②エイシンキンチェム 1/2馬身
単勝 13 680円
複勝 13 280円 11 330円 18 210円
枠連 6-7 880円
馬連 11-13 4870円
馬単 13-11 8270円
ワイド 11-13 1820円 13-18 810円 11-18 1410円
3連複 11-13-18 9370円
3連単 13-11-18 62850円
牝馬戦線に驚異のニューヒロイン誕生!デビュー2戦目のジョワドヴィーヴルが、鮮やかな差し切り勝ちで2歳女王の座につきました。2戦目でのGI制覇は史上最短記録だそうです。2着争いはアイムユアーズが入り、1番人気だったサウンドオブハートは3着に敗れました。2番人気だったエピセアロームは8着、3番人気のラシンティランテは15着と言う結果でした。有力馬のほとんどがが前に行きたがって、サウンドやラシンに至っては、道中掛かった事が敗因だった気がする。
ジョワドヴィーヴルに騎乗した福永祐一騎手と、管理する松田博資調教師は、昨年のレーヴディソールに続いて阪神JF2連覇。福永騎手は同レース3勝目で、自身のGI勝利も1年ぶりとなりました。ディープインパクト産駒からは3頭目のGI馬誕生、母・ビワハイジは95年に優勝、姉・ブエナビスタは2008年に勝っており、親子&姉妹制覇の偉業を達成。それにしてもビワハイジは現役時代にGIを勝てば、母親としてGI馬を2頭も輩出して成功を収めている。まさしく名牝といえるでしょう。
2戦目でいきなりGIの大舞台に挑戦、「超良血」といえども勝てるかどうか難しいんじゃないかと思いましたが、あっさりとやり遂げましたね。有力勢が積極的に前に行く中、ジョワドは中団待機でしっかりと折り合い、最後の直線で末脚を炸裂させ、前にいる馬達をまとめて抜き去り、最後は2馬身半差の快勝劇。小柄な馬体と爆発的な加速力は父に瓜二つです。福永騎手が「こんなに圧倒するとは思わなかった」と舌を巻くぐらいの強さ、2戦目とも思えないような勝ちっぷりを見せたので、怪物じゃないかと思いました。来年の牝馬クラシック戦線でも大いに活躍し、いつかは父と姉を超えるような馬に進化してほしいと願っています。
来週は牡馬の2歳チャンピオンを決める「朝日杯フューチュリティステークス」が行われます。ダイワメジャー産駒のダローネガ、京王杯2歳ステークスの覇者・レオアクティブ、デイリー杯2歳Sを制したクラレント、2戦2勝のアルフレードなどが出走登録しています。絶対的な本命が不在で、混戦必至が予想されます。果たして2歳牡馬の頂点に立つのは…?