年に1度の地方競馬の祭典「JBC 2014(ジャパンブリーディングファームズカップ)」が3日、岩手・盛岡競馬場で行われました。盛岡でJBCが開催されるのは、2002年に次いで12年ぶり2回目です。JBCは1日にGⅠレースが3レースも行われます。まずPART1として「JBCレディスクラシック」と「JBCスプリント」を回顧します。
ダート女王決定戦・第4回JBCレディスクラシック(1800m・16頭立て)は、JRA勢からは交流重賞3勝の④ワイルドフラッパー、ブリーダーズゴールドカップを勝った⑩サンビスタ、ここ4戦で3勝の⑥トロワボヌール、現在3連勝中の⑮ブルーチッパー、ユニコーンステークス2着の①コーリンベリー、⑨アクティビューティの6頭が参戦。地方勢は、地元・岩手から⑦カミノマーチ、⑧フラッシュモブ、⑪マムティ、⑬コウギョウデジタルの4頭が出走。他にも⑤マイネエレーナ(浦和)、③ピッチシフター(愛知)、⑭カイカヨソウ(船橋)も出ました。
スタンド前でのスタートは大きな出遅れは無し。好スタートを切ったコーリンベリーが先手を取り、ブルーチッパーが2番手につける。サンビスタ3番手、ワイルドフラッパーは5番手あたりで1コーナーを回った。
1,2コーナーから向正面に出て、コーリンベリーが先頭、2番手にピッチシフター、3番手にコウギョウデジタル。4番手グループには内にアクティビューティ、真ん中サンビスタ、外側の6番手にマイネエレーナ。その後ろの7番手にワイルドフラッパーが追走。中団グループにはピッチシフターとトロワボヌール、その後ろの10番手にカミノマーチ。11番手にカイカヨソウ、12番手マムティ。後方は大きく置かれて⑫ブレーヴスキー(愛知)13番手、②エイシンルンディー(笠松)・フラッシュモブ・⑯ボーラトウショウ(高知)が最後方で並走。
先頭集団は3コーナーに差し掛かり、コーリンとチッパーが先頭で並び、フラッパーが3番手進出。サンビスタ4番手、アクティ5番手、エレーナとボヌールはちょっと遅れ気味。4コーナーから最後の直線に入り、今度はブルーチッパーが先頭、ワイルドフラッパーが並びかける。残り200mで外に持ち出したサンビスタが2頭を捕らえ、ラスト100mで抜け出した。大外からトロワボヌールが2番手に上がるも、サンビスタが先頭でゴールしました。
JBCレディスクラシックは、単勝2番人気のサンビスタが優勝。序盤から好位置につけると、直線でワイルドフラッパーとブルーチッパーをまとめてかわし、トロワボヌールの追撃を抑えました。砂の女王の座に就きました。2着には大外から上がってきたトロワボヌール、3着には1番人気・ワイルドフラッパー。3連単「⑩-⑥-④」で5,760円という結果に。
4着・アクティビューティ、5着のブルーチッパーまでが中央勢が占め、地方勢はマイネエレーナの6着が最高。中央からもう1頭参戦したコーリンベリーは、直線失速して9着。岩手所属馬はカミノマーチの10着が最高でした。(着順と配当はこちら)
勝ったサンビスタはGⅠ初勝利で、重賞2勝目。鞍上の岩田康誠騎手は、レディスクラシック3勝目で、GI昇格後初勝利となりました。サンビスタを管理する角居勝彦調教師は同レース初勝利です。GⅠタイトルを手にし、体調が良ければ12月7日のチャンピオンズカップの参戦もあるでしょう。
ダート短距離王決定戦・JBCスプリントは、この1年で重賞4勝を挙げている①ノーザンリバー、高松宮記念馬でダート初挑戦の②コパノリチャード、一昨年の勝ち馬⑥タイセイレジェンド、⑫ドリームバレンチノ、⑮セイクリムズン、⑭ティアップワイルドの中央勢に加え、③サトノタイガー(浦和)、昨年のJBCLCで3着⑬キモンレッド(大井)、⑩ハードデイズナイト(川崎)、⑨ドリームクラフトと⑤ランドオウジ(ともに岩手)などが参戦しました。
レースは横一線のスタートで始まり、⑯エスワンプリンス(佐賀)とタイセイレジェンドが前に出るが、タイセイが前に出る。内からコパノリチャードが並びかけ、サトノタイガー3番手。エスワンは4番手に下がる。5番手集団にノーザンリバーとランドオウジ、ドリームバレンチノは7番手。中団の8番手にティアップワイルド、9番手セイクリムズン。10番手にキモンレッド、ハードデイズナイトが内からポジションを上げ、④スマイルヴィジット(兵庫)12番手、⑪ヤサカファイン13番手。後方は⑦サトノロマネ(高知)、ドリームクラフト、⑧エーシンハダル(笠松)がしんがり追走。
3コーナーを過ぎたところで、タイセイが単独先頭、リチャードが2番手、タイガーが3・4コーナー中間のところでリチャードをかわす。バレンチノが3番手に浮上。リバーはまだ馬群にいる。4コーナーから直線に入り、タイセイレジェンドが逃げ、サトノタイガーとドリームバレンチノが追いかける。先頭争いはこの3頭に絞られたか。外からはセイクリムズン、ノーザンリバーがイン突きを狙うも厳しい。ラスト100mでバレンチノ・タイセイ・タイガーの3頭が並び、ゴール前でドリームバレンチノが抜け出してゴールイン!3頭の叩き合いを制したドリームバレンチノ、嬉しいGⅠ初勝利です!
ダート最速王を決める一戦は、直線ラスト100mで3頭が並ぶ大激戦。マッチレースの末、ドリームバレンチノが勝利を収めました。浦和所属のサトノタイガーはクビ差の2着。フジノウェーブ以来の地方馬JBC制覇にあと一歩及ばず。内ラチ沿いで逃げたタイセイレジェンドが3着。単勝1.9倍の圧倒的1番人気に推されていたノーザンリバーは5着、初ダートのコパノリチャードは直線でズルズル後退して最下位の16着でした。リチャードはダート適正無いですな…。Dr.コパさんもこの結果にはガッカリしているのでは?(JBCスプリントの全着順はこちら)
自身5度目のGⅠ挑戦で悲願のGⅠ制覇を成し遂げたドリームバレンチノは、金沢競馬場で行われた昨年のこのレースで2着に入り、その1年後にリベンジ達成。昨年12月のゴールドトロフィー以来の重賞制覇で、芝・ダート合わせて通算4勝目。ちなみに、芝では2012年の函館スプリントステークス、2013年のシルクロードステークスに勝っております。鞍上の岩田騎手は、レディスクラシックに続いてGⅠ2連勝。スプリントは初勝利です。
PART2では、ダート界のトップホースが集結した「JBCクラシック」を振り返ります。