秋のGⅠシリーズの中休みだった9日は、東京競馬場でハンデ戦重賞・アルゼンチン共和国杯、京都競馬場はダート重賞のみやこステークスが行われました。ジャパンカップとチャンピオンズカップの優先出走権を手にしたのはどの馬か?
東京のメイン・第52回アルゼンチン共和国杯(GⅡ・芝2500m 18頭立て)は、春の天皇賞で3着に入った⑮ホッコーブレーヴ、京都記念馬④デスペラード、目黒記念を勝った⑬マイネルメダリスト、⑰ラブリーデイ、⑪フェイムゲーム、⑨クリールカイザー、重賞2勝の③フェイムゲームなどが参戦しました。
正面スタンド前でのスタートは、18頭綺麗に揃ったが、⑤ネオブラックダイヤがちょっと躓いて後方からのスタート。先行争いでクリールカイザーが前に出るが、内からデスペラード、外でラブリーデイと⑯スマートギアが先行策、スーパームーンは5番手、ホッコーブレーヴとフェイムゲームは中団に控えてスタンド前を通過。
1コーナーを回って、向正面に差し掛かったところで、今度はデスペラードが単独先頭に立ち、後続に大差をつけて一人旅。離れた2番手にクリールカイザー2番手、3番手にラブリーデイ。4番手スマートギア、5番手に①サイレントメロディ。6番手にスーパームーン、7番手辺りで②モビール・⑱マイネルジェイド・マイネルメダリストの3頭が横並び。その後ろの10番手集団には、フェイムゲーム・⑧セイクリッドバレー・⑫リキサンステルス、外からホッコーブレーヴがポジションを押し上げようとする。14番手⑥コスモロビン、15番手⑭アドマイヤケルソ、⑦サイモントルナーレ16番手、後方は⑩プレティオラスとネオブラックダイヤという展開。
縦長の状態で3コーナーを過ぎ、先頭のデスペラードと後続の差が無くなり、クリールが残り600mのところでデスペラードをかわす。ブレーヴは大外から一気に追い上げられるか?フェイムは内に持ち出して4番手まで浮上。最後の直線に入り、残り400mでクリールカイザーが先頭、内でデスペラード、外でラブリーも追う。残り300mでフェイムゲームが外に進路を変える。後続からはスーパームーンとケルソも追い込んできている。残り100mでフェイムがクリールを抜き、そのまま突き放して先頭ゴールイン!フェイムゲーム外から突き差して重賞3勝目!
3週間後のジャパンカップに向けてのステップレースは、単勝2番人気のフェイムゲームが差し切り勝ちで優勝しました。道中は中団の内ラチ沿いを走行し、4コーナーで4番手まで進出。残り300mのところで進路を外に切り替え、フェイムゲームをかわし、最後は後続に2馬身半差をつけての快勝でした。直線早めに抜け出したクリールカイザーが2着、3着には3番人気のスーパームーンが入りました。1番人気だったホッコーブレーヴは、直線で伸び脚を欠いて14着と大敗してしまいました。
勝ったフェイムゲームは、昨年の京成杯、今年2月のダイヤモンドステークスに次いで3度目の重賞制覇。鞍上の北村宏司騎手は、先週の秋の天皇賞に続き、2週連続で重賞勝ちを収め、このレースで年間100勝を達成しました。フェイムが進路変更から突き抜けたのは、北村騎手の好騎乗といえますね。2年連続で年間100勝をマークし、昨年の101勝を間違いなく超えるでしょう。
京都メイン・第5回みやこステークス(GⅢ・ダート1800m 16頭立て)は、メンバー唯一のGⅠ馬⑦ニホンピロアワーズをはじめ、昨年の勝ち馬①ブライトライン、シリウスステークスを勝った⑤クリノスターオー、現在2連勝中の⑭インカンテーション、⑩ナムラビクター、⑪サトノプリンシパル、3歳馬④ランウェイワルツ、⑯アスカノロマン、②ソロル、地方・兵庫所属の⑮タガノジンガロなどが出走しました。
スタートで⑨ラガートモヒーロが後手を踏み、クリノスターオーが好ダッシュを見せる。しかし、サトノプリンシパルが先手を奪い取って正面スタンド前を通過。ニホンピロアワーズは6番手、ナムラビクター7番手、インカンテーションは11番手で1コーナーを回る。
2コーナーを過ぎ、サトプリが先頭、クリスタが2番手、アスカノロマンとブライトラインが3,4番手で並び、⑬グラッツィアが外から急上昇。6番手グループには、タガノジンガロとビクター、間にアワーズが8番手。9番手にランウェイワルツ、インカン10番手、11番手に⑥イッシンドウタイ、ソロル12番手。その横で⑧カシュカシュが13番手からポジションを上げにかかる。後方は⑫ヴォーグトルネード、③マイネルバイカ、トモヒーロがしんがり追走。
3コーナーに差し掛かり、サトノプリンシパルがマイペースで逃げ、クリノスターオーとグラッツィア、アスロマ、ナムラビクターが接近する。ニホンピロアワーズは馬群にもまれ、ブライトラインは最内、インカンテーションは外に持ち出した。4コーナーから直線に入り、サトプリがまだ粘り、ビクターが並びかける。クリスタは間を割れずに苦しんでいる。大外からインカンとランウェイが猛追。ラスト200mでナムラビクターが一旦抜け出すが、残り100mでインカンテーションがビクターをかわして先頭ゴールイン!捲り差しで3連勝を飾ったインカンテーション、チャンピオンズカップの優先出走権を手にしました!
暮れの中京チャンピオンズカップの前哨戦・みやこステークスは、2番人気のインカンテーションが中団追走から徐々に追い上げ、直線で外から末脚を伸ばして1着。年末のダートGⅠ戦線に名乗りを上げました。2着争いはランウェイワルツとナムラビクターが並ぶような感じでゴールしましたが、ランウェイが2着になり、ビクターはアタマ差の3着に終わりました。1番人気のクリノスターオーは、直線でうまく抜け出せず5着。ニホンピロアワーズは7着に終わっています。
インカンテーションは昨年のレパードステークス以来となる重賞2勝目。昨年のこのレースでは、ブライトラインにハナ差の2着に敗れており、今年見事に雪辱を果たしました。ここ最近はエルムステークスで3着、8月のBSN賞と9月のラジオ日本賞で1着。新潟で2連勝し、みやこSも勝って3連勝。いまが絶好調なインカン、通算7勝のうち左回りで5勝(新潟3勝、中京2勝)と相性抜群。CCではコパノリッキーを倒してGⅠタイトル奪取もあるかもしれません。
来週からは7週連続でGⅠ開催!その第1弾となる16日は、京都競馬場でエリザベス女王杯が行われます。オークス馬・ヌーヴォレコルトと秋華賞馬・ショウナンパンドラが京都で再び相見え、昨年の最優秀3歳牝馬・メイショウマンボは連覇に挑みます。さらには巻き返しを図る2歳女王・レッドリヴェール、ヴィクトリアマイルを勝ったヴィルシーナ、古豪・ホエールキャプチャ、府中牝馬ステークスで優先出走権を手にしたディアデラマドレ、フーラブライド、キャトルフィーユ、デニムアンドルビーが出走予定。この秋のGⅠは、重賞未勝利馬の優勝が相次いでますが、エリ女はどうなるのか?