秋の最強牝馬決定戦・第39回エリザベス女王杯(GⅠ・芝2200m 18頭立て)が16日、京都競馬場で行われました。勢いのある3歳世代と経験豊富な古馬たちが女王の座をかけて争うこの一戦、今年はオークス馬の⑤ヌーヴォレコルト、秋華賞馬⑫ショウナンパンドラ、昨年GⅠ3勝から一転今年は不振⑫メイショウマンボ、ヴィクトリアマイルV2⑩ヴィルシーナ、ベテラン⑨ホエールキャプチャ、巻き返しを図る2歳女王⑯レッドリヴェールのGⅠ馬6頭が参戦。他にも①ラキシス・③キャトルフィーユ・⑮ディアデラマドレの「角居厩舎3人娘」、重賞2勝②フーラブライド、⑯スマートレイアー、ブエナビスタの妹⑭サングレアルも出走しました。
単勝上位人気は、ヌーヴォレコルトが3.3倍で1番人気、メイショウマンボ2番人気(5.6倍)、ラキシスが3番人気(6.8倍)。4番人気以降はショウナンパンドラ(8.9倍)、スマートレイアー(9.3倍)、ディアデラマドレ、ヴィルシーナ、キャトルフィーユ、⑱アロマティコと続きました。
レースはほぼ揃ったスタートではじまり、ヌーヴォレコルトは好スタートを切った。スタンド前での先行争いで、ヴィルシーナが出ムチを入れながら前に行くが、⑦サンシャインがハナを奪い取った。メイショウマンボは3番手、ヌーヴォは5番手、ラキシスは中団につけ、ショウナンパンドラとスマートレイアーは後方からの競馬で1コーナーを回った。
2コーナーから向正面に入り、サンシャインが単独先頭、2番手にヴィルシーナ、メイショウマンボが3番手、4番手につけたヌーヴォレコルトは、岩田康誠騎手が手綱を押さえているが…。5番手に⑧グレイスフラワー、キャトルフィーユ6番手、7番手ラキシス、ホエールキャプチャ8番手。⑰ブランネージュ9番手、フーラブライドが10番手。11番手にレッドリヴェール、ディアデラマドレとショウナンパンドラが12,13番手で並ぶ。14番手④オメガハートロック、スマートレイアー15番手、16番手に⑬コウエイオトメ。その後はサングレアル、最後方にアロマティコが追走する。
外回り3コーナーに差し掛かり、サンシャインが依然として逃げ、ヴィルシーナの2番手、マンボ3番手は変わらず。ヌーヴォは4,5番手、ラキシスはヌーヴォの後ろにぴったりついている。リヴェール、パンドラ、レイアー、ホエール、デラマドレは中団キープ。レイアーが外からポジションを上げにかかる。
最後の直線で、サンシャインがまだ先頭だが、ヌーヴォレコルトがヴィルシーナを抜いて2番手に立つ。大外からはディアデラマドレがすごい脚で追い込み、真ん中からラキシス、さらにはキャトルフィーユもやってきた!ショウナンパンドラはやや遅れ気味だ。残り200mを切り、今度はヌーヴォが先頭に躍り出て、後続を引き離しに懸かるが、外からラキシスが徐々に差を詰め、最後は2頭が並ぶ感じでゴールしたが、外のラキシスがヌーヴォレコルトをゴール手前でかわして先着!ヌーヴォレコルト、差されてしまった…。
エリザベス女王杯 全着順&払戻金
1着①ラキシス 2分12秒3
2着⑤ヌーヴォレコルト クビ
3着⑮ディアデラマドレ 1馬身1/4
4着②フーラブライド クビ
5着③キャトルフィーユ アタマ
6着⑫ショウナンパンドラ 3/4馬身
7着⑬コウエイオトメ 1/2馬身
8着⑱アロマティコ 1馬身
9着⑦サンシャイン 1/2馬身
10着⑯スマートレイアー クビ
11着⑩ヴィルシーナ クビ
12着⑥メイショウマンボ 1/2馬身
13着⑰ブランネージュ 1馬身1/2
14着⑭サングレアル ハナ
15着⑨ホエールキャプチャ 1馬身1/4
16着⑪レッドリヴェール 1馬身1/4
17着④オメガハートロック 1馬身1/4
18着⑧グレイスフラワー 3/4馬身
単勝 ① 680円
複勝 ① 190円 ⑤ 140円 ⑮ 320円
枠連 [1]-[3] 610円
馬連 ①-⑤ 970円
馬単 ①-⑤ 2,140円
ワイド ①-⑤ 390円 ①-⑮ 1,240円 ⑤-⑮ 770円
3連複 ①-⑤-⑮ 3,030円
3連単 ①-⑤-⑮ 15,570円
重賞未勝利馬の勝利が続くこの秋のGⅠシリーズ、エリザベス女王杯もまた未勝利馬がGⅠタイトルを手にしました。単勝3番人気だったラキシスが、直線早めに抜け出したヌーヴォレコルトをゴール手前で差し切って勝利。重賞挑戦初勝利をGⅠで飾りました。1番人気のヌーヴォレコルトは、早めに先頭に立ち、後ろから来ないのでGⅠ2勝目は確実かと思われましたが、ラキシスの強襲に遭いクビ差の2着。秋華賞馬のショウナンパンドラは6着、昨年の勝ち馬で2番人気に推されていたメイショウマンボは13着に沈みました。
ラキシスに騎乗した川田将雅騎手は、エリ女初勝利。ハープスターとのコンビで勝った今年の桜花賞以来となるJRA・GⅠ5勝目を挙げました。管理する角居勝彦調教師、ラキシスの父・ディープインパクト産駒も同レース初勝利。角居厩舎はこのレース3頭出しで臨み、ラキシスが1着、ディアデラマドレ3着、キャトルフィーユが5着に入り、「角居3人娘」みんな掲示板圏内に載せました。これは素晴らしい!
ラキシスはこれまで重賞競走に6度挑戦し、2着が3回と勝利まであと一歩という状態が続きました。昨年のエリ女ではメイショウマンボの2着、今年3月の中日新聞杯、前走のオールカマーでも牡馬相手に2着でした。そして今回、7度目の正直で念願の初重賞勝ちを収めたのと同時に、ちょうど1年前の雪辱を果たしました。牡馬に揉まれた経験が活きましたね。GⅠの舞台で素質を開花させたラキシス、今後ますますの飛躍が期待されます。
来週・23日(勤労感謝の日)も京都競馬場でGⅠが開催され、秋のマイル王決定戦・マイルチャンピオンシップが行われます。昨年の優勝馬・トーセンラーをはじめ、3歳マイル王・ミッキーアイル、富士ステークスを勝ったステファノス、新潟のマイル重賞で2連勝したクラレント、2年前の覇者・サダムパテック、GⅠ2勝のロゴタイプ、グランプリボス、ダノンシャーク、エキストラエンド、ワールドエース、グランデッツァといった実績馬のほかに、重賞未勝利馬のフィエロ、レッドアリオン、サンレイレーザー、サンライズメジャーが出走を予定しております。
京都巧者が連覇を果たすか?或いはミッキーアイルとステファノスが世代交代を起こすか?それとも重賞未勝利馬と伏兵が波乱を起こすか?群雄割拠のマイル戦を制すのは?