野球の国別対抗戦「2017 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」がついに開幕。7日からは東京ドームで1次ラウンドが始まりました。3度目の優勝を目指す日本代表(侍ジャパン)は「プールB」に入り、キューバ、オーストラリア、中国と同組です。開幕戦となるこの日はキューバ代表と対戦。今後に勢いづけるためにも、強敵・キューバに勝って白星発進と行きたいところです。
両チームのスタメン
日本
1(指)山田哲人
2(二)菊池涼介
3(中)青木宣親
4(左)筒香嘉智
5(一)中田翔
6(遊)坂本勇人
7(右)鈴木誠也
8(三)松田宣浩
9(捕)小林誠司
(投)石川歩
キューバ
1(中)サントス
2(遊)アヤラ
3(指)セペダ
4(左)デスパイネ
5(一)サーベドラ
6(三)グラシアル
7(二)ベニテス
8(捕)モレホン
9(右)セスペデス
(投)エンテンザ
日本は2日前のオリックス戦と同様、山田が1番、青木が3番。松田が8番サードでスタメン入り。対するキューバは、元巨人・セペダが3番、4番には福岡ソフトバンクホークスに移籍するデスパイネが座ります。
1回、日本先発・石川はキューバ先頭のサントスに内野安打を許す。続くアヤラの三塁ゴロを三塁手・松田がエラー。無死1,2塁の場面でセペダに変化球を打ち返されたが、鋭い当たりを2塁手・菊池が飛びついて2塁アウト→1塁もアウトでダブルプレー。菊池の好プレーで2死を取った後、デスパイネの四球で1,3塁とピンチが続いたが、サーベトラを3塁ゴロに打ち取り、なんとか0点に抑えました。
その裏の日本の攻撃は、山田と菊池が倒れて2死となった後、青木がレフトフェンス直撃の2塁打を放つ。2死2塁で4番・筒香がキューバ先発・エンテンザの4球目を振り抜き、詰まりながらもライト前に落ちるタイムリーヒット。2死からの連打で1点を先制します。
石川は2回も無失点に抑えますが、3回に先頭打者のセスペデスに2塁打を浴び、1死3塁でアヤラの犠牲フライで1点を失い、1-1の同点とされる。
4回、日本は1死から松田がセンター前ヒットを放つと、小林が送りバントでつなぎ、1死2塁と勝ち越しのチャンスを作る。この場面で1番・山田がキューバ2番手・イエラのスライダーを強振。レフトへの大きな打球は、グングン伸びてスタンドへ!2ラン本塁打かと思われたが、ビデオ判定に。検証の結果、フェンス前に乗り出した観客がホームランボールをキャッチしていたことが判明し、2塁打に変更。それでも日本が2-1と勝ち越しました。
日本は5回から則本昂大が2番手で登板。則本は1死後にモレホンから見逃し三振を奪うと、後続の打者も打ち取り3者凡退の好投。その裏、四球で出塁した中田が2塁への盗塁を決める。1死2塁の場面で坂本がイエラの直球を叩き、レフト線を破るタイムリー2塁打で3点目。なおも鈴木の四球で1,2塁とし、松田がキューバ3番手のホセ・ガルシアの2球目をジャストミート!レフトスタンド中段に飛び込む文句なしの3ラン本塁打で3点追加。日本はこの後、2死3塁から菊池の投手強襲のタイムリーヒットでさらに1点を追加。打者11人の猛攻で、一挙5得点のビッグイニング。スコアも7-1とキューバを突き放しました。
このまま普通に終わるかと思ったが、終盤に大きく動きます。7回、キューバはデスパイネが右中間スタンドへのソロ本塁打で1点を返すと、サーベドラとグラシアルも続き、無死2,3塁で代打・アービレイスのセンター前タイムリーヒット。4連打で3点を返し、7-4と3点差に詰め寄る。日本もその裏、2死1塁で筒香がキューバ4番手ホンデル・マルティネスの直球を捉え、右中間スタンドへの2ラン本塁打を放ち9-4とします。
8回、キューバは2死2,3塁でグラシアルがセンターオーバーの2点タイムリー2塁打を放ち、9-6と再び3点差。それでも日本は、8回裏に坂本の2塁打の後、松田がライト前へのタイムリーヒットで10点目。松田は2塁に進んだ後、バッテリーエラーで3塁まで進塁。1死3塁で小林がセンターへの犠牲フライを放ち11点目。
9回、日本6番手・牧田和久が2本のヒットと四球で2死満塁のピンチを背負ったが、デスパイネを見逃し三振に仕留めてゲームセット。日本がキューバの反撃を振り切り、白星スタートを飾りました。
第4回WBC・1次ラウンド 2017年3月7日(火)
日本VSキューバ 東京ドーム
(観衆数:44,908人、3時間56分)
キ|001 000 320|6
日|100 150 22x|11
[勝] 石川
[負] イエラ
[本] 松田(1号3ラン)、筒香(1号2ラン)、デスパイネ(1号ソロ)
WBC1次ラウンド・プールBの開幕戦は、5回に日本が打者一巡の猛攻で5点を奪い、終盤も着実に得点を積み重ね、11-6でキューバを下しました。筒香選手が侍ジャパンの4番の存在感を示せば、菊池選手が好プレーでピンチを防ぎ、ムードメーカー・松田選手が大活躍。キューバもデスパイネ選手が意地の一発を放ち、6点も奪いました。終盤に追い上げてきたときは、もしかして逆転されるんじゃないかと思いましたよ。キューバとは11日の順位決定戦で戦う可能性もあります。次の試合も乱打戦になるかもしれないぞ…。
この試合のヒーローとなった松田選手は、5打数4安打4打点の固め打ち。初回の守備でエラーを犯したけど、バッティングで帳消しに成功。最初の打席でセンター前ヒット&盗塁、2打席目もセンター前に弾き返し、勝ち越し点のホームを踏みました。5回の第3打席では、変わったばかりのピッチャーから完璧な一発。8回にはライト方向へ技ありのダメ押しタイムリーも放ちました。ホークスのときもそうだけど、元気な松田選手が打つと、チームの雰囲気が良くなるし、打線も活気づきますね。
2安打3打点をマークした4番・筒香選手、初回に詰まりながらもライト前へのタイムリーを放つと、7回の打席ではWBC初本塁打。悪くなりかけた流れを断ち切る大きな一発でした。大会初戦で4番の仕事をしっかり果たしたので、今後も大暴れしてくれるでしょう!
その他の選手では、坂本選手が2塁打を2本も放つと、小林選手と菊池選手も2安打のマルチヒット。小林選手は代表戦で初めてヒットを打ち、8回には犠牲フライで代表初打点。良い経験になったと思います。中田選手はノーヒットだったけど、5回に四球で出塁した後に二盗を成功。これがビッグイニングのきっかけとなるとは…。
投手陣ですが、先発の石川投手は4回まで55球を投げ、被安打2・1奪三振・1失点。立ち上がりのピンチを切り抜けた後、打たせて取るという内容で1失点に留めました。2番手の則本投手は、2イニング続けて3者凡退の好投を見せたけど、3イニング目の7回に4連打を浴びて3失点。9回の牧田投手は無失点だったけど、危なかったですよ。中継ぎ陣に課題ありだ…。
初戦を白星で飾った日本代表、8日の豪州戦は菅野智之投手が先発予定。豪州戦に勝てば2次ラウンド進出に大きく前進、というかほぼ確実でしょう。エースの快投と繋がる打線で2連勝となるか?
ところで、韓国・高尺スカイドームで行われているA組は、大変なことになっております。優勝候補の韓国が、大会初出場のイスラエルに1-2で敗れると、続くオランダ戦でもいい所が無く0-5の完敗。これで2連敗となり、1次ラウンド敗退は決定的か?オランダは先発のバンデンハーク投手が4回無失点の好投。松田選手とデスパイネ選手がホームランを打ったり、バンデンハークも勝ち投手になったりと、ホークス組の活躍が相次いでるので、ファンとしては嬉しい限りです。
韓国を破ったイスラエル代表は、2戦目の台湾戦に15-7で勝利。まさかの2連勝で1次ラウンド突破に王手をかけました。韓国戦の勝利が決してフロックではないことを証明したようだ。
快進撃を見せるイスラエル代表は、28人中27人が「ユダヤ系アメリカ人」のチームで、メジャー通算124勝の投手もいます。台湾と韓国はイスラエルを「超格下」だと思って甘く見すぎていたな…。日本も痛い目に遭わない様に気をつけてくださいね。