九州北部の集中豪雨の犠牲者が増え続ける一方、関東や東北地方は猛暑が続いています。9日は福島競馬場でサマー2000シリーズの開幕戦・七夕賞、中京競馬場はダート重賞のプロキオンステークスが行われました。
中京メイン・第22回プロキオンステークス(GⅢ・ダート1400m 15頭立て)は、ドバイ帰りの⑧カフジテイク、麦秋ステークスを勝った②ベストマッチョ、欅ステークス2着④アキトクレッセント、①メイショウウタゲ・⑥チャーリーブレイヴ・⑭ブライトラインの「アハルテケステークス組」、⑫キングズガード、⑬イーデンホール、地方・兵庫競馬所属⑤トウケイタイガーなどが参戦しました。
スタートでメイショウウタゲがやや出遅れたのに対し、⑩レヴァンテライオンが好スタート決めたが、ダートコースに入ったところでトウケイタイガーが内から並ぶ。3番手グループには、③ゴーインググレート・⑨ナンチンノン・⑪ウォータールルドの3頭が固まっている。6番手ベストマッチョ、7番手アキトクレッセント、8番手チャーリーブレイヴ、9番手にメイショウウタゲ。中団より後ろのグループは、10番手イーデンホール、11番手カフジテイク、12番手ブライトライン、13番手キングズガード。キクノストーム14番手、⑦マヤノオントロジーが最後方。
3,4コーナー中間点で、タイガー先頭、レヴァンテが2番手、ナンチンノンとゴイグレが3番手を争い、マッチョ4,5番手の位置。中団の内側にカフジが控え、真ん中にアキト、外からブライトが急上昇。イーデンとキンガーはまだ後方だ。
直線コースに差し掛かり、トウケイタイガーが逃げ粘るが、2番手からゴーインググレート、外からブライトラインが突っ込んでくる。ゴール残り200mでブライトとゴイグレが競り合う。しかし、ラスト100mでキングズガードが2頭をかわして先頭。さらにカフジテイクが2番手に上がったが、キングズガードが先頭ゴールイン!カフジテイクは2着、ブライトラインが3着でゴールしました。
今後のダート短距離&マイル戦線を占う一戦は、単勝5番人気のキングズガードが優勝。1番人気のカフジテイクは直線追い込んだものの2着。3着のブライトラインは一旦は先頭に立ったんですけどねえ。上位3頭は向正面では後方の位置に控えていて、キンガーは直線で最内にいたけど、ラスト200mで外側に進路を変えると、グイッと突き差し、2着に2馬身差をつけての快勝。カフジの方は外出しに手間取る場面があったかもしれない。
地方馬のトウケイタイガーはスタートから積極的なレースを見せたけど、直線沈んで7着。3番人気のイーデンホールは6着、2番人気のアキトクレッセント12着、4番人気のベストマッチョはブービーの14着でした。
重賞初勝利のキングズガードは、父・シニスターミニスター、母・キングズベリー、母の父・キングヘイローという血統。昨年もこのレースに出走して3着に敗れましたが、今年その雪辱を果たしました。それに前々走の黒船賞(@高知)と、前走の天保山ステークスで2着が続いてたもんなぁ。念願の重賞タイトルを手にし、この先は南部杯かJBCスプリントに向かうでしょう。ダートの短距離部門も混戦状態なので、キンガーにもGⅠ奪取の可能性も十分にあるでしょう。
福島メインの第53回七夕賞(GⅢ・芝2000m 12頭立て)は、昨年のラジオNIKKEI賞を勝った⑧ゼーヴィント、福島記念を勝った⑨マルターズアポジー、⑪マイネルフロスト&②スズカデヴィアスの「鳴尾記念組」、福島民報杯2着③フェルメッツァ、2連勝中の⑥ヴォージュ、⑦タツゴウゲキ、⑫ソールインパクトなどが出走。
スタートで④フェイマスエンドが外にヨレて落馬しそうになったが持ち堪えた。スタンド前での先行争いで、フェイマスエンドとマルターズアポジーの2頭の競り合いから、アポジーが前に出る。ヴォージュ3番手、タツゴウゲキ4番手、マイネルフロスト5番手、ゼーヴィントは7,8番手あたり、スズカデヴィアス最後方で1コーナーを通過した。
2コーナーから向正面のところで、マルターズアポジーが果敢に飛ばし、フェイマスエンド2番手、3番手ヴォージュ、直後の4番手にマイネルフロスト追走。5番手タツゴウゲキ、6番手フェルメッツァ、その後ろの7番手にゼーヴィントが控えている。内側8番手に①パドルウィール、9,10番手の位置に⑩ウインインスパイアとソールインパクトが並走。後方は11番手⑤バーディーイーグル、スズカデヴィアスがポツンと最後方を進む。
3コーナーを回り、フロストが逃げるアポジーを捕らえて先頭に浮上。ヴォージュが3番手、ゼーヴィント4番手に上がった。外からはソルパクが捲るように追撃。
4コーナーを回ってラストの直線コース。マイネルフロストが後続を離して押し切ろうとするが、外からゼーヴィントとソールインパクト、一番外からデヴィアスが追い込んでくる。残り100mを切り、ゼーヴィントがフロストに迫ると、ゴール前でゼーヴィントが差し切ってゴールイン!ゼーヴィントが今年も夏の福島重賞で勝利しました!
夏の福島の名物重賞は、ゼーヴィントが単勝1番人気の期待に応えて優勝。3コーナーで先頭に立ったマイネルフロストをゴール前で差し切りました。2着のマイネルフロストは、2走前の新潟大賞典で2着、前走の鳴尾記念で3着、今回も馬券圏内に入りました。3着には8番人気のソールインパクト。ソルパクはここ6戦で3着が5回…。立派なブロンズコレクターやなぁ。3番人気のヴォージュは9着、2番人気のマルターズアポジーは11着大敗。前半はハイペース気味に飛ばしたけど、直線でズルズル失速してしまいました…。
ゼーヴィントは昨年のラジオNIKKEI賞以来、1年ぶりの勝利で重賞2勝目。夏の福島の2大重賞を制したのは、ツインターボ以来じゃないかと思います。鞍上の戸崎圭太騎手は、昨年に続いての七夕賞連覇。戸崎騎手は土曜日に4勝、この日は5勝を挙げ、2日間で計9勝と大暴れ。
ゼーヴィントは昨年のラジニケ賞を勝った後、セントライト記念2着、福島記念2着、年明けのAJCCでも2着と3戦連続で2着に甘んじていました。約半年ぶりのレースとなった今回、ようやく惜敗続きにピリオドが打たれました。この勝利で秋のGⅠに弾みがついたと思います。陣営は秋の天皇賞を秋の最大目標にするだろうけど、秋の福島記念で「福島3冠」挑戦ということもありそう。ゼーヴィントがGⅠを勝つところも見たいけど、福島3冠制覇の偉業も見てみたい。
来週・16日は、函館競馬場でサマー2000シリーズ第2戦「函館記念」が行われます。巴賞でGⅠ馬の意地を見せたサトノアレスが参戦するほか、鳴尾記念優勝のステイインシアトル、洞爺湖特別を勝ったジョルジュサンク、中山記念2着サクラアンプルール、アングライフェン、マイネルミラノなどが登録しております。