夏のローカル開催が終わり、今週から中山と阪神の秋季開催が開幕。10日は中山競馬場でサマーマイルシリーズ最終戦・京成杯オータムハンデキャップ、阪神競馬場はサマースプリントシリーズの最終戦・セントウルステークスが行われました。今年の夏のスプリント王とマイル王に輝いたのは?
阪神メイン・第31回産経賞セントウルステークス(GⅡ・芝1200m 14頭立て)は、⑥ラインミーティア、⑭フィドゥーシア、⑤プレイズエターナルといった「アイビスサマーダッシュ組」、北九州記念5着⑦ファインニードル、シルクロードステークス以来の実戦となる⑬ダンスディレクター、メンバー唯一のGⅠホース⑪スノードラゴン、②メラグラーナ、③アルティマブラッドなどが参戦しました。
スタートで④ツィンクルソードと⑩ワキノヒビキが後手を踏む。先行争いでファインニードルが一旦前に出るが、外からフィドゥーシアが鼻を奪い取る。さらに⑫ラヴァーズポイントが2番手に上がり、ファインニードル3番手に下がる。4番手アルティマブラッド、5番手①アドマイヤゴッド、6番手⑨ミッキーラブソング、7番手ラインミーティア、8番手スノードラゴン、9番手⑧ワキノブレイブ、10番手ダンスディレクター。11番手メラグラーナ、12番手プレイズエターナル、13番手ツィンクルソード、最後方にワキノヒビキという展開。
縦長の状態で内回り3,4コーナー中間を過ぎ、先頭を行くフィドゥーシアに、ラヴァーズが外から接近。アルブラとニードルが3,4番手で並走。ミーティアとスノドラは中団、ダンディレとメラグラはまだ中団より後ろの位置。
4コーナーから最後の直線コースに差し掛かり、フィドゥーシアがまだ先頭だが、ラヴァーズポイントが外から並びかける。しかし、ファインニードルが間を割って入ると、ゴール残り200mでフィドゥーシアをかわして先頭に浮上。後続からはラインミーティア・アドマイヤゴッド・アルティマブラッドが追い上げ、さらにはフィドゥーシアとダンスディレクターも脚を伸ばしたが、ファインニードルが先頭でゴールイン!直線抜け出したファインニードル、重賞初制覇で秋のスプリント王争いに名乗りを上げました!
スプリンターズステークスの前哨戦・セントウルステークスは、単勝1番人気だったファインニードルが、人気に応えて快勝。混戦の2着争いは、ラインミーティアが2着、大外猛追のダンスディレクターが首差の3着、3番人気のメラグラーナが4着。2番人気のフィドゥーシアは、最後に差されて8着。フィドゥーシアの母・ビリーブとの母子制覇の夢は叶いませんでした。
勝ったファインニードルは、今年6月の水無月特別以来となる通算6勝目。重賞2度目の挑戦で初勝利。前走の北九州記念は1番人気に支持されたけど5着敗戦。今回も1番人気でしたが、直線でフィドゥーシアをかわすと、後続の追撃を抑えて快勝。見事に前走のリベンジを果たし、スプリンターズステークスの優先出走権を獲得しました。鞍上のミルコ・デムーロ騎手は、約2か月半ぶりの重賞勝利。この夏は落馬負傷もあって不調でしたが、この勝利で復活の狼煙を上げそうな予感がします。
中山のメイン競走・第62回京成杯オータムハンデキャップ(GⅢ・芝1600m 15頭立て)は、⑩ダノンプラチナが病気のため出走取消により、16頭から15頭立てに変更。関屋記念で逃げ切り勝ちを収めた⑤マルターズアポジー、中京記念2着⑥グランシルク、NHKマイルカップ3着②ボンセルヴィーソ、東京新聞杯を勝った⑧ブラックスピネル、⑬ダノンリバティ、⑪アスカビレン、⑦ウインフルブルーム、⑨ウキヨノカゼ、①ダイワリベラル、③ガリバルディなどが出走しました。
15頭が飛び出して数秒後、マルターズアポジーがスーッと押し上げて先頭に立つ。ウインフルブルームが2番手、3番手にボンセルヴィーソ、4番手⑯マイネルアウラート、5番手にブラックスピネルが追走。6番手⑮ロサギガンティア、7番手④オールザゴー、中団8番手にダノンリバティ。9番手ダイワリベラル、10番手グランシルク、11番手ガリバルディ、12番手⑪アスカビレン。少し離れた後方グループは、ウキヨノカゼ、⑫トーセンデューク、⑭ミッキージョイの3頭。
3コーナーを過ぎ、逃げるアポジーに、2番手のフルブルームが差を詰める。アウラートが3番手に上がり、ボンセル内側の4番手。中団の方ではダノリバとグラシルが外に回った。
直線コースに差し掛かり、マルターズアポジーが粘るが、一番外からグランシルクが勢いよく上昇し、残り200mでアポジーを捕らえて先頭に躍り出る。ダノンリバティ2番手、ガリバルディ3番手に上がるが、グランシルクが1着でゴールイン!グランシルクが直線突き抜けて完勝しました!
秋のマイル戦線を占う一戦・京成杯AHは、単勝1番人気のグランシルクが、大外一気の末脚で勝利。2着争いはガリバルディとダノンリバティが並んで入線しましたが、ガリバルディが2着、ダノンリバティが3着という結果に。関屋記念との連勝を狙ったマルターズアポジーは4着。3番人気ボンセルヴィーソは11着、ブラックスピネルは12着でした。
グランシルクは10度目の重賞チャレンジで念願の初制覇。今年はダービー卿チャレンジトロフィーで3着、京王杯スプリングカップ3着、中京記念で2着と惜しいレースが続きましたが、今回のレースは今までの悔しさを晴らすかのような快走を見せました。3,4コーナー中間で大外に持ち出すと、直線で前の馬をまとめてかわし、最後は2着に1馬身3/4差をつけてフィニッシュ。最後は余裕で流し出ましたな。惜敗続きに終止符を打ったグランシルク、この後はマイルチャンピオンシップに向かうでしょう。
これで「サマースプリントシリーズ」と「サマーマイルシリーズ」の全日程が終了しました。スプリント部門はラインミーティアが優勝。アイビスサマーダッシュで1着になって10点、セントウルステークスで2着=6点獲得し、2戦合計で16ポイントを獲得しました。キーンランドカップを制したエポワスと、セントウルステークスを勝ったファインニードルが、共に14点で2位タイ。その後、シャイニングレイ、ダイアナヘイロー、ジューヌエコールが10点で4位タイになりました。
マイル部門は、ウインガニオンとグランシルクが15点で並び同点優勝。優勝の可能性があったマルターズアポジーは13点で3位、3戦出走したガリバルディが10点で4位に入りました。
サマージョッキーシリーズの方は、北村友一騎手が32点を獲得して総合優勝。函館スプリントステークスとCBC賞で連勝し、その後も着実にポイントを重ねました。2位には25ポイントを獲得したミルコ・デムーロ騎手、秋山真一郎騎手が23ポイントで3位になりました。北村騎手、おめでとうございます。