3歳クラシック競走の第1戦が終わり、今週から東京&京都開催がスタート。4月なのに夏みたいな陽気だった22日は、東京競馬場でオークストライアルのフローラステークス、京都競馬場は安田記念の前哨戦・マイラーズカップが行われました。
京都メイン・第49回読売マイラーズカップ(GⅡ・芝1600m 14頭立て)は、昨年のマイルチャンピオンシップで2着だった③エアスピネル、同レース3着⑤サングレーザー、阪急杯2着⑨モズアスコット、⑧ロジクライ&⑭グァンチャーレの歴代シンザン記念覇者、マイル重賞3勝①ヤングマンパワー、京都金杯を勝った⑩ブラックムーン、元イエスタカスの⑦ダッシングブレイズなどが参戦しました。
スタートでグァンチャーレが良い飛び出しを見せたが、直後にモズアスコット,ロジクライ,⑥ムーンクレスト,③ベルキャニオンの4頭が先手を争い、ベルキャニオンとロジクライの2頭が前に出る。3番手ムーンクレスト、4,5番手の位置にヤングマンパワーとモズアスコットが並び、グァンチャーレが6番手。中団7番手に⑬カデナ、内側8番手にエアスピネルが控える。9番手⑫テイエムイナズマ、サングレーザーは10番手、11番手⑪ピークトラム(兵庫)、12番手②ガリバルディ、13番手ダッシングブレイズ、最後方にブラックムーンが追走する。
外回り3,4コーナー中間に差し掛かり、先頭のロジクライは前半800mを45.8秒で通過。坂の下りを利用してモズアスが2番手に浮上しロジクラに接近。その後ろではグァンチャーレが3番手、カデナとエアスピも中団から前に迫る。ヤングマン8番手、レーザーは9番手、ブラムンは一番外に出した。
4コーナーを過ぎ、最後の直線コースに入ったところで、今度はモズアスコットが先頭に浮上。2番手争いではロジクライが内で粘り、ベルキャニオン、外からエアスピネルとグァンチャーレ、さらにはサングレーザーが追い上げる。ゴール残り100mを切ってもモズアスが先頭だが、外からエアスピとレーザーが差を詰め、ゴール前でレーザーがモズアスを捕らえて先頭ゴールイン!サングレーザー鮮やかな差し切り勝ちで重賞2勝目!
重賞勝ち経験馬が10頭も参戦した今年のマイラーズカップは、4番人気のサングレーザーが直線大外から差し切って快勝。2番人気のモズアスコットは早めに抜け出すも、阪急杯に続いての2着。マイル戦線も4歳勢が強いですね~。1番人気のエアスピネルは5か月の休み明けが響いて3着。ゴール前で脚が止まったように見えました。3番人気のロジクライは序盤で先行したものの、最後は7着に終わっています。
サングレーザーは昨年のスワンステークスに次いでの重賞2勝目。マイルCS、阪神カップでは3着と惜しいレースが続きましたが、今回はマイル戦で初めての勝利を手にしました。勝ちタイム1分31秒3は、京都芝1600mのレコードタイムです。この馬は昨年4月から8戦連続で3着以内に入っており、安定感も十分。安田記念でも馬券圏内に入って来るだろうと思いますが、レコード勝ちの反動が出る恐れもある…。
サングレーザー鞍上の福永祐一騎手は、2日連続でメインレースに勝利。土曜日は東京の特別競走で3連勝しました。先週の皐月賞の悔しさを晴らすかのような活躍ぶりでした。そろそろGⅠで結果出さないと…。
東京のメインは、第53回サンケイスポーツ賞フローラステークス(GⅡ・芝2000m 16頭立て)。昨年はモズカッチャンが制し、その後のオークスで2着、秋華賞3着、エリザベス女王杯で優勝しました。今年のフローラSは、3戦2勝の④サトノワルキューレ、ミモザ賞を勝った⑫レッドベルローズ、フラワーカップ3着⑯ノームコア、チューリップ賞4着①サラキア、祖母はノースフライト⑩オハナ、2004年オークス馬ダイワエルシエーロの娘⑪カーサデルシエロ、⑤ノーブルカリナン、⑧ラブラブラブなどが出走しました。
スタートは16頭バラつき、サトノワルキューレとサラキアが少し遅れる。1コーナー奥ポケットから2コーナーに向かっての先行争いで、⑦デュッセルドルフが先頭に立ち、ノームコアがカーサデルシエロを抜いて2番手に。内側4番手にオハナ、5番手ラブラブラブ、外側6番手に⑮パイオニアバイオ。中団グループは、7番手レッドベルローズ、8番手ノーブルカリナン、9番手ハイヒール。10番手に②オスカールビー、11番手⑬ヴェロニカグレース、12番手に③ウスベニノキミ。13番手⑥ファストライフ、サラキアは14番手を追走し、15番手⑭ディアジラソル、サトノワルキューレが最後方。
3コーナーを回り、前半1000mの通過タイムは61秒1のスローペース。デュッセルがレースを引っ張り、ノームコアがピタリと2番手、パイオニアが3番手にポジションを上げる。オハナは内側4番手、デルシエロ5番手、カリナン7番手、ベルローズは中団馬群の外側。サラキアとワルキューレはまだ後方グループ。
16頭が一団の状態で4コーナーを回り、直線コースでの攻防へ。直線に入ったのと同時にノームコアが先頭だが、外からパイオニアバイオが並びかけ、デュッセルドルフも頑張っている。後続では、外からサトノワルキューレとレッドベルローズが追い込みをかけ、サラキアも馬群の内側を割いて上がって来た。ゴール残り200mを切ってからパイオニアとノームコアの8枠2頭が競り合うが、ラスト100mでワルキューレが3番手から突っ込み、ゴール前で2頭をまとめて抜き去りフィニッシュ!サトノワルキューレが最後に逆転し、フローラステークスを制しました。
2着までにオークスの優先出走権が与えられるフローラステークスは、序盤から先行策を取ったノームコアとパイオニアバイオの8枠2頭が、残り100mまで先頭争いしていたので、開幕週らしく前残りの決着になるかと思われましたが、最後方から怒涛の追い上げを見せたサトノワルキューレがゴール前で差し切り優勝。1番人気に応えて重賞初制覇を果たしました。2着にはパイオニアバイオが入り、この2頭がオークスへの優先出走権を獲得。パイオニアは単勝オッズで13番人気の伏兵でしたが、低評価を覆す快走を見せました。3着には5番人気のノームコアで、2番人気のサラキアが4着。4番人気レッドベルローズは7着、3番人気のオハナは14着と大敗しました。
勝ったサトノワルキューレは、栗東・角居勝彦厩舎所属。父・ディープインパクト、母・ヒアトゥウィン。馬主はサトミホースカンパニー。社名からして、セガサミーの里見治会長の所有馬です。
過去の戦績では、昨年11月の新馬戦で1着、2戦目の梅花賞は3着。3戦目の前走はゆきやなぎ賞に出走して1着。この日のフローラSで連勝を飾り、通算成績4戦3勝としています。2400mのレースを2度も経験しているし、左回り&輸送を克服したのは良かったと思えます。本番ではアーモンドアイとラッキーライラックの2強が控えているけど、その中に割って入れるのか?
来週からは6週連続でGⅠレースが開催。4月29日の昭和の日は、京都競馬場で現役最強ステイヤー決定戦・天皇賞(春)が行われます。昨年の春天で2着だったシュヴァルグラン、阪神大賞典を制したレインボーライン、菊花賞2着・クリンチャー、日経賞を勝ったガンコ、サトノクロニクル、アルバート、ソールインパクト、トーセンバジル、ミッキーロケット、チェスナットコートなどが登録しています。
さらに同日には、香港・シャティン競馬場で「クイーンエリザベス2世カップ」があります。日本からはアルアインとダンビュライトの2頭が参戦。香港勢からは、香港ダービー馬・ピンハイスター、昨年12月の香港カップを勝ったタイムワープ、チェアマンズトロフィーを勝ったパキスタンスターなどが出走します。昨年はネオリアリズムが優勝。2年連続で日本馬の優勝はなるか。