昨年10月に元横綱・日馬富士から暴行を受けた幕内力士の貴ノ岩関(千賀ノ浦部屋、本名アディヤ・バーサンドルジ)が、今月4日に弟弟子の付き人に暴力をふるった事が発覚。貴ノ岩関はこの事件の責任を取る形で引退を表明しました。
貴ノ岩関は今月4日の夜、冬巡業先の福岡県行橋市内のホテルで、弟弟子の貴大将関(三段目)に対し、忘れ物の言い訳をしたことに腹を立て、素手で顔を4,5発殴打。貴大将関には大きなケガはなかったものの、頬が腫れていたという。その翌日に日本相撲協会が貴ノ岩の暴力行為を公表。東京に強制送還された貴ノ岩は、6日に千賀ノ浦部屋で謹慎を始めました。
謹慎開始から一夜明けた7日、日本相撲協会本部のある両国国技館を訪れ、事情聴取を受けた後に八角理事長に引退の意向を伝え、協会も引退届の受理を発表しました。
午後7時30分から千賀ノ浦部屋内で引退会見を開き、千賀ノ浦親方が「八角理事長から『本当に引退という形でいいんですか』と訊かれたが、貴ノ岩の意思が固く、引退という形になった」、「前日に『まだ辞めないで頑張ろう』と声を掛けたが、どうしても責任を取りたいという気持ちが強く、このような結果となった」と取材陣に説明しました。
貴ノ岩は「この度は巡業先で弟弟子に手を上げてしまい、大変辛い思いをさせてしまい、弟弟子のお父さん、お母さん、家族の皆様、千賀ノ浦親方とおかみさん、部屋の力士たち、部屋の関係者の皆様、応援して下さる皆様、大相撲を支えて下さるファンの皆様、日本相撲協会に大変ご迷惑をおかけしたことを心よりお詫び申し上げます。本当に申し訳ございませんでした」と深々と謝罪。「この場を借りて、弟弟子に手をあげてしまい、大変つらい思いをさせたことを深く反省し、責任を取って本日を以って貴ノ岩義司、現役を引退させていただきます」と頭を下げました。
記者との質疑応答で、前日の夜に引退を決断し、「相撲を続ける気持ちは今でもあるが、引退して責任を取る形が強かった」と述べると、1年前は暴力を受けた側が1年後に手を上げる側になった理由の質問には、「自分の気持ちの弱さ、自覚がなかった」と反省していました。付き人とは話し合いをして謝罪したという。
その後、2人の師匠への想いを語り、現在の師匠である千賀ノ浦親方に対しては「部屋に受け入れてくれて、弟子として一生懸命恩返しして精進していく気持ちでありましたが、このような気持ちで離れることになりまして申し訳ないという気持ちしかありません」。入門時からの師匠だった元貴乃花親方に対しては「育ててくれた感謝の気持ちと、迷惑かけて申し訳ない気持ちが両方ある」と述べました。貴乃花親方とは連絡を取ったのですが、内容は話せませんでした。
暴力事件当日に関しての質問では、「夕食時にビール1杯を飲んだ」、「忘れ物をしたのは自分が服用している風邪薬だった」ことを明かしました。
千賀ノ浦親方も「暴力という形で引退するのは本当に残念に思う。まだこれから4~5年取れると思っていたのですが、本当に残念という言葉しかない」と心境を語り、、「この社会で暴力をふるったら終わりだから、良く落ち着いて真面目に、できることはなんでもやってほしいし、何事に対しても一生懸命やっていけるような社会人になってほしい」と貴ノ岩にメッセージを送りました。
貴ノ岩関は昨年10月に元横綱・日馬富士関に暴行を受けた後、11月の九州場所と今年1月の初場所を休場。今年3月の春場所で復帰して8勝7敗と勝ち越すと、続く夏場所では11勝4敗、名古屋場所では13勝2敗の好成績で十両優勝を果たし、幕内に返り咲き。西前頭13枚目だった秋場所は10勝5敗。貴乃花部屋消滅→千賀ノ浦部屋に移籍し、東前頭6枚目で迎えた先月の九州場所は、6勝9敗と負け越しに終わりました。
日馬富士事件の時は被害者の立場だった貴ノ岩が、今度は加害者として付け人を暴行。このニュースが報じられたとき、日本中だれもが「おい貴ノ岩ぁー!」と怒った方も多いと思います。九州場所で貴景勝関が優勝し、千賀ノ浦部屋に活気が出てきた矢先での不祥事ですよ。貴景勝関の優勝ムードに水を差したし、千賀ノ浦親方夫妻、貴乃花さんの顔に泥を塗りましたな。1年前は「かわいそうだ」と思ったけど、今となっては庇う気にもなれません。
同じ貴乃花部屋出身の貴源治関も「これが貴ノ岩の人生なんだな」と呆れてました。もしかしてだけど、貴ノ岩は他の力士たちにも手を出したりとかしてないよな?風邪薬を忘れたぐらいで、弟弟子を殴るのは非常に最低だ。それに、風邪を引いてるんだったら、ビールなんか控えて、部屋で静養すべきだったんじゃないのか?
日本では貴ノ岩への厳しい声は多いですが、母国のモンゴルは家族が猛烈なバッシングに遭っています。相撲協会にも残れないし、母国にも帰れない。この先どうするのだろうか?貴ノ岩には大いに猛省してもらいたい。