日本シリーズ出場権を懸けて争う「プロ野球クライマックスシリーズ」は、15日にファイナルステージがスタート。3年ぶりのパリーグ制覇を果たした福岡ソフトバンクホークス(1勝のアドバンテージあり)は、ファーストステージでオリックスを下した北海道日本ハムファイターズ(パリーグ3位)と対戦。今季限りで退任する秋山幸二監督のためにも、このCSは負けるわけにはいきません。15日の初戦はホークス・大隣憲司VS日ハム・浦野博司の先発で始まり、9回裏にドラマが起こりました!
両チームのスタメン
ソフトバンク 日本ハム
1(中)柳田悠岐 (右)西川遥輝
2(遊)今宮健太 (二)中島卓也
3(左)内川聖一 (中)陽 岱鋼
4(指)李 大浩 (一)中田 翔
5(三)松田宣浩 (指)大谷翔平
6(右)中村 晃 (三)小谷野栄一
7(一)吉村裕基 (左)赤田将吾
8(捕)細川 亨 (遊)大引啓次
9(二)明石健志 (捕)市川友也
(投)大隣憲司 (投)浦野博司
初戦のマウンドを託された大隣は、初回に西川と中島の日ハム1,2番を内野ゴロに打ち取ると、陽岱鋼を空振り三振に仕留め、3者凡退の上々な立ち上がり。2回には2死から小谷野にレフトへの2塁打を浴びますが、赤田を遊撃ゴロに打ち取り0点で切り抜けます。3回も3者凡退に退け、序盤3イニングは日ハム打線を無失点に封じます。
日ハム先発・浦野から先制点が欲しいホークスですが、1回はわずか6球で3者凡退。2回はイデホが3球三振に倒れると、松田と中村も凡退し、この回もランナーを出せず。迎えた3回裏、先頭の吉村がライト前ヒットを放って出塁すると、続く細川がキッチリと送りバントを決めます。明石が外野フライに倒れて2死2塁の場面で、柳田が浦野の5球目を捉え、ライトへの大きな当たりはフェンス直撃のタイムリー2塁打!2塁から吉村が生還し、ホークスが1点を先制します。
1点の援護を貰った大隣は、4回に陽岱鋼にヒットを許すも、中田翔と大谷を打ち取る。5回と6回もゼロに抑え、日ハムを寄付けない快投を見せます。一方、追加点が欲しいホークス打線の方は、5回に2死から細川と明石の連続ヒット、相手の暴投で2,3塁のチャンスを作るも、柳田が2塁ゴロに倒れて2者残塁。6回はイデホと松田の連続ヒットで2死1,2塁としたが、中村晃が3塁フライに倒れて3アウト。浦野の前になかなか追加点が奪えません。
ホークス1点リードで迎えた7回、ここまで無失点に抑え続けていた大隣が、日ハム先頭の中田に低めのカーブを合わせられ、レフトスタンドへのソロ本塁打を浴び、1-1の同点とされてしまう。続く大谷に変化球をレフト前に運ばれると、左翼手・内川の怠慢守備で2塁打とされる。さらに小谷野の犠打→細川が3塁に投げるもセーフとなり、無死1,3塁とされる。そして赤田の遊撃ゴロの間に3塁走者が生還し、1-2と逆転された。
このまま日ハムの勝利で終わりかと思われましたが、9回裏にホークスがリーグ王者の意地を見せます。先頭のイデホが四球を選んで出塁すると、松田が浦野のフォークを叩いてセンター前ヒット。無死1,3塁と同点またはサヨナラのチャンスを迎える。中村2塁ゴロ→3塁走者・江川智晃(イデホの代走)がホームに突っ込めず、1死2,3塁となり、吉村が日ハム2番手・増井浩俊の2球目をセンターへ弾き返し、打球は中堅手・陽岱鋼の頭上を超えた!ランナー2人が生還して勝負あり!吉村の逆転サヨナラタイムリーで、ホークスがファイナルステージの初戦を制しました!
パ・クライマックス・ファイナルステージ 2014年10月15日 (水)
ソフトバンク-日本ハム第1戦 (ソフトバンク1勝、ヤフオクドーム、試合時間 3時間19分 / 観客数 28,087人)
F 000 000 200 2
H 001 000 002x 3
勝利投手 [ソ] 五十嵐 (1勝)
敗戦投手 [日] 浦野 (1敗)
本塁打 [日] 中田 1号(7回表ソロ)
【バッテリー】
[日] 浦野、増井-市川
[ソ] 大隣、森、森福、五十嵐-細川、鶴岡
パリーグクライマックスシリーズのファイナルステージの第1戦は、ホークス1点ビハインドの9回裏に1死2,3塁の場面で、吉村選手の値千金の逆転2点タイムリーが生まれ、ホークスが3-2で日ハムにサヨナラ勝ちを収めました!7回に一旦は逆転されたけど、土壇場で試合をひっくり返しましたねえ。これがパリーグ王者の底力です!リーグ優勝を決めた「10.2最終決戦」の再現を起こしたホークス、大事な初戦をモノにして、アドバンテージ1勝を含めて「2勝0敗」としました。
この日の先発ピッチャー・大隣投手は、8回途中(7回2/3)まで122球を投げ、被安打5・4奪三振・1四死球・2失点。序盤から打たせて取るピッチングで、6回まで日ハム打線をわずか2安打・無失点に抑えましたが、7回に中田選手に同点ソロ弾を浴び、無死1,3塁から内野ゴロで勝ち越し点を献上。敗戦投手は免れたけど、7回の2失点は悔やまれます…。
この日は9回表2アウトから4番手で登板した五十嵐亮太投手が勝利投手に。小谷野選手をセンターフライに討ち取り、その直後に味方が逆転したため、五十嵐投手に白星がついたのでした。打者1人、たった6球で勝ち投手なんてラッキーですね。その前にマウンドに上がった森唯斗投手、森福允彦投手が相手の中軸を抑えたのも勝利の要因といえるかも。
打線の方はチーム全体で9安打。吉村選手と松田選手がともに2安打のマルチヒットを記録しました。この試合のヒーローとなった吉村選手は、最初の打席で先制点の起点となるライト前ヒットを放つと、柳田選手のタイムリーで先制ホームを踏みました。そして9回のサヨナラ打のシーンは、増井投手の高めのフォークをしっかりと捉えました。今季は代打での打率が.500、得点圏打率も.370をマーク。CS初戦でもここ一番での勝負強さを発揮させました。吉村さん、横浜を出てよかったなあ。
16日のCS第2戦の予告先発は、連勝を狙うソフトバンクは武田翔太、日ハムは中村勝が登板します。武田投手は日ハム戦に1試合登板して0勝1敗。ホークスは中村投手に対して4戦4敗と大の苦手。相性最悪の天敵を攻略して、日本シリーズ進出に王手をかけられるか?