2023年のJRA総決算・第67回有馬記念(GⅠ・芝2500m 16頭立て)が24日、中山競馬場で行われました。春の天皇賞馬⑩ジャスティンパレス、今回がラストラン③タイトルホルダー、2022年2冠牝馬⑯スターズオンアース、今年の皐月賞馬①ソールオリエンス、2021年②シャフリヤール、2022年⑤ドウデュース、2023年⑬タスティエーラの歴代ダービー馬3頭、香港GⅠ馬⑫ウインマリリン、凱旋門賞4着⑮スルーセブンシーズなどが参戦しました。
単勝オッズは、1番人気がジャスティンパレス(3.6倍)、2番人気ドウデュース(5.2倍)、ソールオリエンスとスルーセブンシーズが6.5倍で同率3番人気。さらに5番人気タスティエーラ(7.1倍)、6番人気タイトルホルダー(8.3倍)、7番人気スターズオンアース(8.6倍)までが一桁台でした。
外回り3コーナーでのスタートで、スターズオンアースが好スタートを決めたのに対し、ドウデュースとソールオリエンスと③ホウオウエミーズは後方から。スターズオンアースと⑪ハーパーの2頭が行くかと思ったら、タイトルホルダーが先手を奪い、スターズオンアースは2番手。ハーパーと⑭プラダリアが3,4番手、ウインマリリン5番手、6番手シャフリヤール、7番手⑦アイアンバローズ、タスティエーラは8番手。中団勢はソールオリエンスとスルーセブンシーズ、ディープボンド・⑧ライラックの4頭。後方勢は⑨ヒートオンビート、ドウデュース、ホウオウエミーズ、ジャスティンパレスは最後方。
1周目の4コーナーを回って正面スタンド前に入り、タイトルホルダーがレースを引っ張り、スターズオンアース2番手、プラダリアが単独3番手、シャフリヤールが4番手、スルーセブンシーズが5番手。タスティエーラとソールオリエンスは中団追走、ドウデュースは後方4番手、ジャスティンパレスは依然として最後方でゴール板を通過した。
1コーナーを回り、先頭のタイホは前半1000mを60秒4で通過し、1,2コーナーの間に後続を引き離していく。スタオンは2番手変わらず、プラダ3番手、シャフリ4番手、5番手ハーパー、スルセブ6番手。内側7番手アイアン、8番手マリリン、9番手タスティ、ヒートオンが10番手まで浮上し、オリエンス11番手。12番手ボンド、ドウデュが13番手から進出開始。14番手エミ―ズ、15番手ライラック、ジャスパレが最後方。
2周目3コーナーのところで、タイホと集団の差が大きく広がる。3,4コーナーでスターオンとプラダが並び、シャフリとハーパーとマリリンが4番手争い。スルセブ6番手、ドウデュが大外ぶん回して順位を押し上げる。タスティとオリエンスとジャスパレは中団馬群あたり。
4コーナーからラストの直線に入ってもタイトルホルダーが逃げ続ける。このまま逃げ切って有終の美か!?スターズオンアースが2番手で頑張り、外からドウデュースが猛追。残り200mでタイホとスタオン&ドウデュの差が縮まり、残り100mで3頭が並ぶとドウデュ僅かに先頭。スタオンも喰らいつき、後ろからはシャフリヤールとジャスティンパレスも追い込んで来たが、ゴール前でドウデュースが抜け出してゴールイン!ドウデュースと武豊、クリスマスイヴの有馬で完全復活!
【有馬記念 全着順】
1着⑤ドウデュース
2着⑯スターズオンアース
3着④タイトルホルダー
4着⑩ジャスティンパレス
5着②シャフリヤール
6着⑬タスティエーラ
7着⑫ウインマリリン
8着①ソールオリエンス
9着⑪ハーパー
10着③ホウオウエミーズ
11着⑦アイアンバローズ
12着⑮スルーセブンシーズ
13着⑧ライラック
14着⑬プラダリア
15着⑥ディープボンド
16着⑨ヒートオンビート
【払戻金】
単勝 ⑤ 520円
複勝 ⑤ 230円 ⑯ 240円 ④ 330円
枠連 3⃣-8⃣ 980円
馬連 ⑤-⑯ 2,730円
馬単 ⑤-⑯ 4,380円
ワイド ⑤-⑯ 930円 ④-⑤ 1,210円 ④-⑯ 1,720円
3連複 ④-⑤-⑯ 8,050円
3連単 ⑤-⑯-④ 42,110円
単勝10倍以下が7頭ひしめく混戦だった「クリスマスイヴ決戦」のグランプリは、2番人気だったドウデュースが後方から追い込み、ラストの直線で先行するタイトルホルダーとスターズオンアースの2頭をかわして優勝しました。大外枠だったスターズオンアースは半馬身差の2着。過去一度も馬券に絡んでない16番枠が嫌われて7番人気でしたが、ルメールマジックで人気薄を覆しました。3着のタイトルホルダーも果敢な大逃げで最後の意地を見せました。ドウデュもスタオンもタイホ、ユタカさんもルメールさんも横山カズもみんな持ち味を十分に発揮し、ここ最近の有馬で最高のレースでした。
ちなみにこの上位3頭は阪神競馬場のGⅠレースを勝ったことがあり、阪神タイガース38年ぶり日本一で枠連「3-8」が来ました。武豊騎手も阪神ファンですからねぇ。
1番人気のジャスティンパレスは最後方から追い上げて4着でしたが、タイホにあと一歩のところまで迫ってました。5着のシャフリヤールも香港ヴァーズ取消の無念を晴らすかのような力走を披露。今年のダービー馬のタスティエーラは3歳世代で最上位の6着。皐月賞馬のソールオリエンスが8着だったから、最優秀3歳牡馬争いでタスティが優勢か?にしても先輩たちに比べるとレベル低いな。2番人気のスルーセブンシーズは見せ場なく12着でした。
勝ったドウデュースは、昨年の日本ダービー以来3度目のGⅠ制覇で、重賞は4勝目。鞍上の武豊騎手は2017年のキタサンブラック以来6年ぶりの有馬記念勝利を果たし、池添謙一騎手と並んで歴代最多タイの4勝目。そんなユタカさんは、イヴ決戦の有馬で3連勝を達成しています。友道康夫調教師と馬主のキーファーズは有馬初勝利。ハーツクライ産駒は2019年のリスグラシューに次いで、同レース2勝目です。
今年のドウデュースは、京都記念で久々の勝利を飾った後、ドバイターフに向かうはずが、左前肢跛行を発症して無念の出走取消。秋の天皇賞では同世代のトップ・イクイノックスとの再戦が実現するも、当日に武豊騎手が他の馬に蹴られて右太ももを負傷→戸崎圭太騎手に乗り代わり。その影響もあって7着と完敗。ジャパンカップでも戸崎騎手とのコンビで挑むも4着に終わりました。
秋3戦目となった今回、ケガから復帰した武豊騎手と3戦ぶりにコンビを組み、スタートで出遅れて後方からの競馬を強いられますが、2周目3コーナーで仕掛け、大外捲りで2,3番手まで上昇。直線ではタイトルホルダー、スターズオンアースとの叩き合いの末に勝利。この1年、人馬共にアクシデントがありましたが、完璧な騎乗と逆襲の末脚で見事に復活。武豊とドウデュースのペアは改めて凄いと思いました。
2022年クラシック世代は、イクイノックスが世界ランキング1位になったり、ドウデュースがダービーと有馬制覇。さらにはジャスティンパレス、皐月賞馬のジオグリフ、熱中症で亡くなったアスクビクターモア、牝馬でもスターズオンアースやママコチャにナミュールとGⅠ馬を輩出。まさに「史上最強世代」と言えるでしょう。
イクイノックスがターフから去った来年は、ドウデュースが世代を引っ張り、海外GⅠ制覇も期待したいところです。キーファーズのオーナーは「もう一度凱旋門賞に挑戦したい」と言ってますが、その前にドバイで勝ってほしい・・・。
有馬記念が終わっても、まだまだ競馬は続きます。28日には2歳中距離王決定戦の「ホープフルステークス」、29日は大井競馬場でダート総決算「東京大賞典」が控えています。東京大賞典にはドバイ王者のウシュバテソーロ、JBCクラシック王者・キングズソード、南関東クラシック三冠馬のミックファイヤが参戦予定。どちらも見逃せません!