文化の日だった11月3日は、地方競馬の祭典・JBC2011が大井競馬場で行われました。「JBC(ジャパン・ブリーディングファームズカップ)」は今年で11回目を迎え、「JBCスプリント」と「JBCクラシック」の統一GI競走が行われます。大井での開催は今回で5回目となります。今年は「JBCクラシック」にトランセンドとスマートファルコンのダート界の2強対決に注目が集まりました。
ダート最速王決定戦・第11回JBCスプリント(GI・1200m)は、15頭立ての予定でしたが、⑨オーロマイスターが出走取消のため14頭で争われました。中央勢からは2009年の勝ち馬⑪スーニ、⑫セイクリムズン、前回の優勝馬①サマーウィンドが参戦すれば、芝スプリントの常連⑮ダッシャーゴーゴーがダートに挑戦。 地方勢は⑥ラブミーチャン(笠松)、⑤ジーエスライカー(大井)、⑦ナイキマドリード(船橋)が出走しました。
14頭が揃ったスタートで始まったこのレース、先行争いではジーエスライカーとラブミーチャンが鼻を奪い合い、⑫セイクリムズンと⑬ブリーズフレイバー(大井)の7枠2頭が3番手争い。5番手集団の中にダッシャーゴーゴー、ナイキマドリード、サマーウィンドがいて、⑩セレスハント9番手、スーニは後方3番手、⑧テンジンミナトオー(大井)は最後方と言う展開。
3コーナーを回って14頭が縦長となり、ジーエスライカーが先頭、ラブミーチャンが2番手につける。その後ろにセイクリムズン3番手。オーロマイスターとダッシャーは5~6番手追走で4コーナーから最後の直線へ。ジーエスライカーが逃げ粘り、ラブミーチャンが並びかけ、さらにはセイクリムズンとダッシャーゴーゴーが差を詰める。残り200mを切り、先頭争いはラブミーチャン、ダッシャー、クリムズンが横一線。しかし、大外からスーニが襲いかかり、残り100mを切って横一線、ゴール前で3頭を一気に抜いて先頭ゴールイン!豪快な差し切り勝ちでJBCスプリント制覇だ!
大激戦となったJBCスプリント、単勝1番人気だったスーニが、道中後方待機~直線で大外から一気に追い込み、ダッシャーゴーゴーやラブミーチャンなどをゴール前でまとめて抜き去り優勝を飾りました。スーニの同レース制覇は2年ぶり2度目となります。2着にはセイクリムズン、久々のダートとなったダッシャーゴーゴーは3着。ダート適性はあるのかと気になってましたが、内容的にも良い走りをしたんじゃないかと思います。ラブミーチャンは一旦は先頭に立ちましたが、最後は地方勢最高の4着。惜しかった。
スーニはこれで統一GI3度目の制覇で、大井の1200mで3勝目。優勝タイムの1分10秒1はコースレコードです。今年はなかなか勝ちきれないレースが続いていましたが、8月のサマーチャンピオン(佐賀)で久々の勝利を飾ると、前哨戦の東京盃で2連勝。今回のレースで3連勝を飾り、完全復活を証明しました。ダート短距離王に輝き、次なる目標はドバイになるんでしょうかねえ。
そしてこの日のメインイベント「第11回JBCクラシック」(GI・ダート2000m 12頭立て)。⑨トランセンドが国内ダートGI4連勝なるか?それとも⑩スマートファルコンがJBCクラシック連覇か?2強以外では、①シビルウォー、③フィールドルージュ、⑤ボンネビルレコード(大井)、⑫テラザクラウド(大井)が出走。
注目のスタートは12頭綺麗に飛び出し、スタンド前での先行争いで、スマートファルコンが早くも先頭に立ち、トランセンドが2番手追走。後続ではシビルウォー3番手、4番手の位置にフィールドルージュと④アプローチアゲン(高知)が並走。ボンネビルレコード6番手でゴール板通過。
1,2コーナーを過ぎた辺りでかなり縦長となり、スマートファルコンが3馬身リードで逃げ、トランセンド2番手は変わらず。シビルウォー3番手。4番手以降は大きく離れ、テラザクラウド、フィールドルージュ5番手、6番手のところにアプローチアゲンとボンネビルレコード、8番手⑥タガノサイクロン(兵庫)、9番手に⑦スウィングベル(高知)。後方では⑪グランシュヴァリエ(高知)が10番手、11番手②サイレントスタメン(川崎)、⑧コロニアルペガサス(高知)が最後方。
3コーナーを過ぎてスマファルVSトランセンド2強の一騎打ちとなり、4コーナー手前でトランセンドが早くも藤田伸二騎手のムチが入る。最後の直線に差し掛かってスマートファルコンが一気に突き放す。トランセンドやシビルウォーも懸命に前を追うも届きそうにない。これで勝負ありだろう。残り100mでトランセンドが差を詰めるが、スマートファルコンがそのまま逃げ切ってゴールイン!2着にはトランセンド。最後は1馬身差まで詰めたが時すでに遅しだった…。
やっぱり地方の舞台では強かった!スマートファルコンが終始先頭を守り続け、逃げ切り勝ちで史上4頭目のJBCクラシック連覇を達成しました。鞍上の武豊騎手も同レース5連覇達成で、通算6勝目。最近は中央のGIで勝てなくなったけど、JBCでは強いですねえ。これで自身7連勝、統一GI4連勝となりました。帝王賞でエスポワール、JBCでトランセンドを撃破。交流重賞のタイトルは獲り尽くしたから、今度はジャパンカップダートで中央のビッグタイトルを狙ってほしい。「たまには中央競馬で走ってくれ!」と願っているファンもたくさんいると思いますが、陣営は地方路線を変えないんだろうな…。
2着のトランセンドは、残り200mを過ぎたところで猛追を見せましたが、「交流重賞の鬼」には敵いませんでした。JBCでは勝てなかったけど、次のジャパンカップダートでは連覇がかかっております。JCダートでスマファルとの再戦が実現したら、トランセンドの方が有利だと思うんだけど。