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海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

ボブという名の猫 幸せのハイタッチ

2020-06-17 21:16:51 | 映画+ドラマ

A Street Cat Named Bob

Directed by Roger Spottiswoode
Produced by Adam Rolston
Written by Tim John Maria Nation
Based on A Street Cat Named Bob by James Bowen
2016 UK

『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』予告編

「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」メイキング映像

実は別の映画の感想を書いていたのですが
ボブが虹の橋を渡ったニュースを知ったので急きょこちらを。

ロンドンでプロのミュージシャンを志したものの様々な困難に遭い路上生活者となった青年ジェームズ。
人生に目的も目標も持てないままいつまでもヘロイン中毒から抜けだせずにいた。
そんな彼の前に突然現れた、一匹の野良猫ボブ。ホームレスの青年と野良猫の友情物語。
(Google Booksより)
この映画はジェームズ・ボウエン自身が書いた「ボブという名のストリート・キャット」が原作です。

初めてこの映画を観た時、
ボブ役の茶トラにすごく魅了されてしまいボブの動画を探しては見ていました。
走ったりするアクション以外はご本人、いえご本猫が演じていたと
後になって知った時はかなり納得感がありました。

茶トラを英語でジンジャーキャットを呼ぶのもこの映画で知りました。

ストーリーは挫折していた青年が動物と知り合い一緒に過ごすことで立ち直っていく
よくあるストーリーなのですがポイントはこれがノンフィクションだということ。

幼い頃の家庭環境の問題を癒すために麻薬に手を出してしまい、
止めてはまた手を出すことを繰り返し路上生活までに至ったジェームズは、
同じ境遇のバズから麻薬を勧められ、再び手を出してしまいます。


ジェームズ・ボーエン( ルーク・トレッダウェイ)

捕まったジェームズはソーシャルワーカーのヴァルから住居をあてがわれますが
そこへ窓の隙間から見知らぬ猫が入り込んできて一晩泊めて上げます。

ヴァル(ジョアンヌ・フロガット)

ある日その猫がケガをしているのを見つけたジェームズは
隣人のベティの紹介で獣医に連れて行きます。

なけなしの所持金でねこの治療のための薬を購入したジェームズ。
ベティに「ボブ」と名づけられジェームズと一緒に暮らすことになりました。

ベティ( ルタ・ゲドミンタス)

ある日路上ライブのためバスに乗ったジェームズのあとをついてきてしまい、
仕方なく一緒にライブを始めますがこれが観客に大うけ。
ボブとライブを続けますがある事件がきっかけで禁止になってしまいます。


生活のためビッグイシューの販売員になりボブと一緒に売り始めますが
今回もボブに注目が集まりジェームズから買う人が殺到したため
他の販売員とトラブルになり1ヶ月の販売停止処分になってしまいます。

やがて1ヶ月経ち再び販売を始めますがボブが逃げ出してしまい行方不明に。
ベティや父親ともうまくいかず憔悴したジェームズですが
ある日ボブがひょっこりと帰ってきます。

ジェームズが本気で立ち直るためドラッグをやめることを決意。
ボブに見守られながら苦しい離脱症状に耐えたジェームズに本の出版の話が舞い込みます。
出版した本のサイン会には父親やベティ、ヴァルの姿がありました。

こんなストーリーです。
なんというか、猫の恩返し?
もしくはジェームズを心配したご先祖様の化身とか。

明日食べるものにも困っているのに
ケガをした猫のために全財産出せるのも結構すごいと思います。
私も猫好きですがそこまでできるかどうか・・・・いやもちろん見捨てはしないけど。

それにしても肩のりにゃんこ、私もほしいです。
一緒にバスに乗りたいしお散歩したいです。

ジェームズさんはこれで人生が一転します。
映画化されボブと一緒にテレビ出演や日本も訪れてくれました。
印税でマイホームも購入したそうです。

ボブという名の猫―めざましテレビ

まさに苦楽を共にしてきたラッキーキャットのボブ。
そんなボブを失ったジェームズさんの心情は計り知れません。

BBCの記事です。
「ボブという名の猫」のボブが死亡 「少なくとも14歳」

その中でジェームズさんが語っていました。
「ボブは本当に大勢の人に会って、何百万人もの人生にかかわった。
ボブみたいな猫は今までいなかったし、これからもいない。
自分の人生の光が消えてしまったみたいだ。ボブのことは決して忘れない」

現存する猫ではたぶん世界一有名で世界をかけめぐる多忙な猫だったと思います。
ボブの人生ならぬ「にゃん生」が猫として幸せだったのかどうかわかりませんが
でもきっとジェームズさんと出会えて良かったと思っているでしょう。

第2作「A Gift from Bob」(ボブがくれた世界)の公開も決まったようです。
ボブも前作同様出演しているそうなので公開したら足を運ぼうと思います。

こちらはプレミアでキャサリン妃と。

コベントガーデンで路上ライブ
Bob The Street Cat Revisits Covent Garden

Youtubeで探すとたくさん動画がUPされていますが何しろ英語なので・・・
でも見てるだけでかわいいです。

ありがとう、ボブ。どうか安らかに・・・・
R.I.P. BOB

 


ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

2019-09-24 19:57:40 | 映画+ドラマ
Once Upon a Time in Hollywood

Directed by Quentin Tarantino
Produced by David Heyman Shannon McIntosh Quentin Tarantino
Written by Quentin Tarantino
2019 USA/UK

映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』予告


ネタバレありますのでご注意ください





ハリウッド大スター2大イケオジが揃うと華やかです。


このふたりを見るだけでも楽しいし更にマーゴット・ロビーまで付いてくるので満足です。


でもこの作品をもっと楽しむためにはこの時代の背景や事件を知らないといけません。
何も知らないで観るとこの感想で終わってしまいそうになります。

実は私も1960年代のハリウッドやヒッピーもよくわからなくて、
チャールズ・マンソンやシャロン・テート殺人事件も知らなかったんです。
観る前に予習しておいたほうが良いということでThe Riverさんのところで勉強しました。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』リック・ダルトンを追って ─ 1969年アメリカ、映画と時代がうごめく頃
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のためのタランティーノ完全ガイド ─ 渾身の集大成、その軌跡が丸わかり
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』徹底予習 ─ シャロン・テート殺人事件とチャールズ・マンソンとは

とはいえ付け焼刃は所詮付け焼刃なのか最後まで感情移入はできなかったです。
それでもラストの意味は理解できたので予習しておいて良かったです。
何も知らないごるちゃんは何の感動もなかったようです。
あ、でも予習しなくても魅力ある役者さんがたくさん出ているのでじゅうぶん楽しめたようですよ。

セロリが刺さっているトマトジュースは何だか見たことがあります。

リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)
西部劇のテレビドラマで人気を博しハリウッドのプール付き豪邸に住んでいるが
時代の流れと共に翳りを見せ葛藤中。


クリフ・ブース(ブラッド・ピット)
リックのスタントマン兼運転手兼雑用係。
リックの仕事が減ったうえに昔撮影現場で暴力沙汰を起こし干されている状態。
当時、役者とスタントマンの絆はかなり深かったそうです。


クリフはリックの面倒をよく見るけど良い人かと言うとそうでもなく、
何を考えているのかわからない部分もあってちょっと怖いかも。

このちょっと怖い人を演じるブラピは結構好きだったりします。

このふたりは架空の人物です。

シャロン・テート(マーゴット・ロビー)
「ローズマリーの赤ちゃん」の監督ロマン・ポランスキーと結婚しリックの隣に引っ越してきた
ハリウッドで売り出し中の若手女優。妊娠8ヶ月。


マーヴィン・シュワーズ(アル・パチーノ)
リックを気に入っている映画プロデューサー。マカロニウェスタン出演を提案する。


他にスティーブ・マックイーン役でダミアン・ルイスが出ていました。



リックが悪役で撮影している西部劇で共演している子役のジュリア・バターズちゃんが
めちゃめちゃ可愛くて、リックとの絡みも最高でした。


リックに役作りのための持論を語るのですが大人顔負けのプロフェッショナルぶり。
撮影の途中セリフをミスしてしまったリックが休憩中自己嫌悪に陥ったり葛藤していますが
その熱演に彼女が今まで見た中で最高の演技だったと褒めると涙目になってました。


この時代だけではなくスターになった役者さんの多くはいずれ斜陽化していくという現実があります。
でもアル・パチーノもそうだけどショーン・コネリーとか上手に老けていく役者さんも大勢います。
ブラピやレオさんは今後どんな役者さんになっていくんでしょうね。



リックはイタリアでマカロニウェスタンなどの映画に主演するものの
帰国後はやはり厳しい状況なのでとうとうクリフを解雇することになりました。


最終的にはシャロンの殺害がゴールだと思っていたので
そこに隣人のリックたちがどう絡むのか・・・と思いながら観ていましたが
リックとシャロンの接点はまったくありませんでした。

ヒッチハイクで知り合ったヒッピーのプッシーキャットがクリフを
チャールズ・マンソンとヒッピーたちが暮らしていたスパーン映画牧場に連れて行く場面がありましたが。


この場面の意味はラストでわかるようになっていました。



ここからネタバレです。





シャロンが殺害されたのは8月9日ですが
その日まで作中ずっと日付がカウントダウンされていたのでラストはシャロン殺害だと思っていたんです。

その当日、ヒッピーたちがシャロンを殺すためポランスキー家を目指しますが
途中でリックがヒッピーたちの怒りを買ってしまいリックが狙われることに。

結局クリフとクリフの愛犬にヒッピーたちがやり返されますが
かなりむごい殺され方なので思わず目を背けました。
でもシャロンたちが実際に殺されたときはもっと惨たらしい方法でしたからね。

クリフの愛犬ブランディ。


そんなわけでシャロンも襲われることなく
この件がきっかけでリックとシャロンが知り合いになるわけです。
もしかしたらポランスキー監督がリックに大きな仕事をくれるのかもしれません。
そんな予感を感じさせつつ終わりました。

最初は何だか拍子抜けでしたが
タランティーノ監督はこれをおとぎ話だと言っていたのを見て
すべて腑に落ちたような感覚でした。

映画の中のシャロンは人生を奪われることなく今後女優として更に活躍していくのでしょう。
そしてリックもクリフと共に再起したのかもしれません。
とてもハッピーなラストでした。
でもこれがハッピーだと感じるにはやはり実際の事件を知る必要があるんですよね。
タランティーノのこの時代への情熱を少しだけ理解することができたような気がします。

それでは最後にリックが出演した映画のポスターを。




ロケットマン

2019-09-21 22:59:27 | 映画+ドラマ
Rocketman

Directed by Dexter Fletcher
Produced by Adam Bohling David Furnish David Reid Matthew Vaughn
Written by Lee Hall
2019 UK US

『ロケットマン』本予告


タロンくん、実はタロン・エガートンではなくエジャトンと発音することを最近知りました。
でもエガートンと呼ばれても相手に恥をかかせたくないから指摘しないんだって。
えー、でも指摘してあげたほうが親切な気もするけど。

タロン・エジャトン、“エガートン”と間違われても指摘しない「理由」が良い人すぎる
この記事の中にある動画でタロンくんはエジャトンて呼んでねって言っているそうですが
公式が今でも「エガートン」表記しているのってどうなんでしょうね。


それはさておき、
「ロケットマン」と「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」ハシゴしてきました。

まずはロケットマンから。
思っていた以上に魅力あるキャラクターとストーリーで最後まで楽しめました。


ボヘミアンラプソディはライブ中心で観客との一体感が凄かったという印象ですが
こちらはミュージカル仕立てで何よりもタロン君の歌は予想以上にうまくて驚きました。


ボヘミアンラプソディのラミ・マレックはフレディにそっくりでしたけど
所々ご本人の歌も使用していました。
一方、ロケットマンはすべて本人が歌っているのでエルトンに似ているかと言えばそうでもありませんが
それ以上に声と歌唱力に魅了されていました。


昨今の役者さんは演技だけではなく歌って踊れないとダメなんですね。
何でもできないとそれだけ役の幅が狭くなっちゃうのでしょうけど。

そうなんです、リチャード・マッデンの歌も最高にセクシーでした。
今まで王子的な役しか観たことありませんでしたが
人間のクズなセクシー「たらし男」ジョン・リードが最高に似合ってました。
本当にクズだし髪型変なんだけど、でもかっこいいのよ。


ジョン・リードはボヘミアンラプソディにも出てきてたんですよね。
演じたのはエイダン・ギレン。
フレディにソロを持ちかけたマネージャー。


そして作詞を担当したバーニーはジェイミー・ベルが演じています。
言葉は少ないけれど表情で感情を訴えることができる役者さん。
最後までエルトンの友人であり家族でした。


英国男子3人のオフショットが可愛いんです。



冒頭、エルトンは悪魔?のコスチュームに身を包み依存症の自助グループに参加し、
少年時代に遡って話を始めます。

幼少時に絶対的な愛情を受けなかった子どもは自分に自信が持てず
相手から愛されることを求め問題に向き合うこともできずに逃げがちになってしまう。
だから依存症になってしまうことが多いのかな。

エルトンも家庭から疎遠だった父親からはハグもされず
母親は彼にあまり興味を示しませんでした。
音楽の才能があったエルトンは祖母の支援を受けてピアノを習い始めます。

エルトンの母親シーラはブライス・ダラス・ハワード。
好きな女優さんのひとりです。


父親はスティーヴン・マッキントッシュ。



バーニーと出会ったエルトンは「ユア・ソング」を共作しデビューが決まります。


『ロケットマン』「ユア・ソング(僕の歌は君の歌)」本編映像


LAのライブハウス「トルバドール」での成功をきっかけに世界のスターになるエルトンですが
心は満たされないまま孤独が増すばかり。
バーニーとも疎遠になりドラッグや酒、セックスに溺れていきます。


トルバドールでジョン・リードと出会い、恋人になり、
やがてマネージメントも手掛けるようになり横領することになるジョン・リード。
このふたりの熱い場面もあってちょっとドキドキ。



エルトンは自助グループで過去を振り返りながら衣装をひとつひとつ脱いでいきます。
それは彼自身を覆っていた虚飾を捨て去る行為だったのかもしれません。
父親にハグを拒まれた少年を自ら抱きしめることでようやくエルトンは救われます。


このあたりずっとごるちゃん号泣、その横でハナミズがとまらない私・・・
何か最近鼻が緩いんですよ、なんで?


スターの孤独とドラッグは定番と言えば定番ですが、
最後に出てくるエルトン・ジョンの現在は結構幸せで良かったなーと思います。

リピートしたくなる作品でした。時間があればもう一度くらい行きたいかな。
そうそう、タロンくんもちゃんとスキッ歯になっていましたがこれはマウスピースではなくお歯黒だそうです。

では最後に関連動画を貼って終わりにします。


『ロケットマン』特別映像|タロン・エガートンの歌声

『ロケットマン』本編映像|ドジャー・スタジアムで「ロケット・マン」を熱唱!

『ロケットマン』本編映像|「Goodbye Yellow Brick Road(黄昏のレンガ路)」ミュージカルシーン

映画『ロケットマン』特別映像(ミュージカルシーンの舞台裏)

Elton John & Taron Egerton – Your Song (Brighton & Hove 2019)

Elton John & Taron Egerton - ‘Tiny Dancer’

Taron Egerton, Richard Madden and Jamie Bell on Elton John's Iconic Style | GQ

Carpool Karaoke: The Series — Taron Egerton & Richard Madden

Taron And Richard Carpool Crack! (rocketman)


ボヘミアン・ラプソディ

2019-01-26 11:46:44 | 映画+ドラマ
Bohemian Rhapsody

Directed by Bryan Singer Dexter Fletcher
Produced by Graham King Jim Beach
Screenplay by Anthony McCarten
Story by Anthony McCarten Peter Morgan
2018 UK/USA

ネタばれを含みますのでご注意ください




この映画は夏に予告を観た時からずっと観たくて
でも入院になって、ダメかー諦めるしかないかー、と思っていたら
何やら右肩上がりに人気が上昇し気がつけばロングランになっていて
公開から約2ヶ月、まさかスクリーンで観られるとは、
しかもDolby ATOMSの立派な設備で観られるとは・・・まさかの奇跡。

かなり大げさですが、
いやでもまさか年を越しても上映しているとは思いませんでした。

何というか、この世代のファンは本当に根強いと思うんです。
その方たちに後押しされたQueenの魅力が若い世代に伝わり一大ブームになったと、
かなり適当な事を言っていますがそんな感じですよね。


私は友人に中学生の頃からいつもロジャー、ロジャーとうるさかった人がいたので
人並みに聴いてはいたもの熱心なファンではありません。
でも確かにロジャー・テイラーはかわいかったと思います。(何を言ってるんだ)

昨年、映画を観たその友人の感想は、
ブライアンもジョン・ディーコンもかなり似てた。
でもロジャーはちょっと違う・・・・でした。
うん確かにそれはわかる。


ベン・ハーディが残念だと言っているわけではないんです。
きっと誰が演じてもダメだったと思うんです。ファンてそんなものです。
でもロジャーらしい、とても良い味だしてました。



フレディ・マーキュリーも含めてメンバーは顔というよりは
雰囲気やしぐさがそっくりでものすごく研究したんだと思うとラミ・マレックのGG賞も納得です。



年代で変化していったメンバーたちの髪型も忠実でしたし、
LIVE AIDに至っては隅から隅までコップひとつも逃さず再現した拘りはファンでなくても感動しました。
Youtubeに20世紀フォックスがDVDの宣伝で本物と比較している動画をUPしていましたが観ました?これ。
Live Aid Side by Side: "Crazy Little Thing Called Love"

メンバーを演じた役者さんたち、
素の彼らを見るとそうでもないあたりやっぱり役者は恐ろしいし、
メンバー以外の方たちもみんなかなり似ているのでよくこれだけ集めたと思うしすごいキャスティングです。

アカデミーもノミネートされましたね。
正直なところストーリーは平凡だとは思いますが、LIVE AIDをゴールにしたのは良かったと思います。
曲の使い方も最高でした。


今更ですがキャストです。

ラミ・マレックasフレディ・マーキュリー


グウィリム・リーasブライアン・メイ


左ベン・ハーディasロジャー・テイラー


右ジョゼフ・マゼロasジョン・ディーコン

単体の画像がなかったの。
ジョゼフ・マゼロがジュラシックパークの子役だとは!


ルーシー・ボイントンasメアリー・オースティン

オリエント急行殺人事件では伯爵夫人でした。


エイダン・ギレンasジョン・リード

びっくりしました。エイダン・ギレンだと最初は全然気づかず。
何だかんだ言ってもバンドへの愛は深いのにクズ男にはめられ契約解除されてしまったマネージャー。

トム・ホランダーasジム・ビーチ

フレディに「マイアミ」と呼ばれた専属弁護士。
劇中の画像が探せませんでした。
見るたびに渋くなっていくホランダーさん。

アレン・リーチasポール・プレンター

クズなゲイ男をアレン・リーチがきっちり演じていました。
アレン・リーチはちょっと情けないダメ男を演じるのが上手いと思います。


マイク・マイヤーズasレイ・フォスター

ずっとサングラスなのであまり気づいてもらえなかったらしいマイク・マイヤーズ。



劇中のフレディは人を信じ切れないゆえの孤独感があったように思います。
セクシャルマイノリティもその要因のひとつですが、
天才にありがちな性質みたいなものもあるのかなと。


ボヘミアン・ラプソディ大ヒット 伝説のバンドに涙する理由

フレディのインタビューで友人を作らない、他人と親しくなれないと言っていました。


また、フレディの孤独感は生い立ちからもきているようで父親との確執もありました。


フレディはこんなセリフを言っていました。
「We’re family. We believe in each other. That’s everything.」
僕たちは家族だ。お互いを信頼している。それが全てなんだ。

でもそのあとに
ブライアン(ロジャーかも)の
「Freddie, we're a family.」俺たちは家族だ。
のセリフに
「No, we're not!We're not a family!You've got families,children, wives.What have I got?」
違う、家族じゃない。君たちには妻や子どもがいるだろう。


家族と言われてもこの頃のフレディにとってはキレイ事でしかないだろうし、
孤独を抱えたままポールの用意した世界に閉じこもりソロアルバムも制作し
メンバーたちとも疎遠になっていきます。

見かねたメアリーがフレディに会いに行き、言うんです。
「Freddie, you don't need to be.Because no matter what, you are loved.
By me, by Brian, Deacy, Roger...your family.」
何があろうとあなたは愛されている。私やブライアン、ロジャー、ディーキー。
だって家族なのよ。


泣けますね。

フレディはポールと決別しジムに頼みメンバーたちとの話し合いの場を持ちます。
この時のロジャーの「You just killed Queen.」もすごく好き。
フレディにクイーンを壊したのは君だよってセリフなんですけどね。


フレディにとってメアリーは唯一の友人であり、
言葉では言い表せない深い愛情と信頼を寄せられる相手だったそうです。




LIVE AIDの当日にフレディは父親にこんなセリフを言います。
「Good thoughts, good words, good deeds. Just like you taught me, papa.」
良い考えを持ち、良い言葉を使い、善い行いをする。パパから教えてもらったことだ。


ここから「魂に響くラスト21分」の宣伝通り涙腺崩壊でした。



We’re family
そして
Good thoughts, good words, good deeds.
何度か出てきていたセリフです。

バンドが家族はこの映画のキーワードですね。



様々な事を経てラストに聞くLIVE AIDのボヘミアンラプソディが
フレディの人生と重なってしまって更に涙。


伝説のチャンピオンもね。
胸アツ上映だったら確実に泣くながら歌っていたと思います。

オープニングからエンドロールまでちゃんと意味のある選曲なんですよ。
考えようによってはとても深くQueenの楽曲の良さをあらためて感じました。


ツイッター見てるとファンの方たちが仲良しエピソードや感動話をツイートしてくれるので
読むたびに思うことがいろいろあります。



20世紀フォックスのオープニングのファンファーレがやけにロックだなと思っていたら
ブライアンとロジャーの演奏だったと後で知りました。
ブライアンがインスタにUPしている映像。いいのか、これ(笑)
オープニング


アダム・ランバートがカメオ出演していたのも気がつかず・・・何か悔しい。




あとね、
フレディが猫好きなので猫がたくさん出てくるのだけど
「にゃーん」だけじゃなく「ゴロゴロ」まで入れてくるのですごく癒されました。






『ボヘミアン・ラプソディ』がもっと楽しくなる!トリビアまとめ

「クイーン」B・メイ&R・テイラーが明かす、映画「ボヘミアン・ラプソディ」と事実の違い
クイーン単独インタビュー【前編】ロジャー・テイラーさん
クイーン単独インタビュー【後編】ブライアン・メイさん


動画です。
映画『ボヘミアン・ラプソディ』最新予告編が世界同時解禁!
映画『ボヘミアン・ラプソディ』メイキング映像「クイーンになるまで」”本物”ブライアン・メイ、ロジャー・テイラーらも絶賛!
Queen - Live at LIVE AID 1985/07/13
フレディになるまで『ボヘミアン・ラプソディ』メイキング映像
ベストヒットUSA QUEENスペシャル
Queen + Adam Lambert - We Will Rock e We Are The Champions


毎度まとまりのない感想になりましたがこれで終わります。

希望のちから

2018-10-20 14:36:37 | 映画+ドラマ
原題:Living Proof

Director: Dan Ireland
Writers: Vivienne Radkoff (teleplay), Robert Bazell (book)
2008年 アメリカ


免疫チェックポイント阻害剤に結び付くPD-1という分子を発見、
その仕組みを明らかにした功績で本庶教授がノーベル医学生理賞を受賞しました。

これの何が凄いかというと、
標準治療は現在、手術、抗ガン剤、放射線治療の3通りありますが
これに「免疫療法」という第4の道筋が開かれたという事のようです。

人の持つ免疫力を使う治療が確立されれば近い将来ガンも不治の病ではなくなりそうですが
まだまだ解明されていない免疫システムをコントロールするのも難しそうですね。

余談ですが最近「はたらく細胞」が面白くて愛読している私。
これを読んでいると、自分の細胞がとても愛しくなり大事にしようという気になるんです。
細胞に無理をさせないよう摂生したくなるのでおススメです。


前置きが長くなりましたが、
ノーベル賞に便乗してこの映画をご紹介したいと思います。
ご存知の方はあまりいないのかもしれません。
かく言う私も知ったのは去年です。

この映画はハーセプチンの発明者、デニス・スレイマン医師によるハーセプチンが認可されるまでの
厳しい道のりを描いた実在のストーリーです。

ハーセプチンはHER2陽性の乳がん治療に用いられる「分子標的薬」で、
HER2陽性は進行が速いためそれまで予後不良とされていましたが、
ハーセプチンの登場でかなり改善されたそうです。

文字通り数えきれないほどの女性の命を救うことになりましたが、
スレイマン医師は今も現役でいらっしゃいます。

1988年 UCLAの研究医であるデニス・スレイマン医師は
毎年20万人の女性が乳がんに罹患する事実を受け止め
女性たちを救うべく「ハーセプチン」実用に向けて奮闘していました。

1989年、共同開発のバイオベンチャー企業ジェネンテックはHer2の研究資金の提供を中止します。
デニスの友人でNBCの社長夫人、リリー・ターティコフが資金を援助、
さらにリリーは「新薬ができれば毎年4万人の女性が救える、2年で競技場がいっぱいになる」
とスレイマン医師の言葉でレブロンのオーナー、ロン・ペレルマンから寄付を引き出し、
ロンの提案で資金集めの慈善パーティ「Fire and Ice Ball」を長年に渡り開催することになります。

しかしその間にも乳がんに罹患する女性が後を絶ちません。
フェース1、第1相の前に抗体テストが行われました。
ステージ4を宣告された2児の母親であるニコールという女性も参加をし、
結果的にこの女性の余命が数年延びています。

ジェネンテックが積極的ではないためフェーズ1の許可がなかなかおりないので
スレイマン医師は直接ジェネンテックの役員を説得します。
その中のセリフ「医師は患者のみならずその家族も救う」本当にその通りだと思いました。
インターフェロンで巨額の損失を出したジェネンテックはハーセプチンに効果は見込めないとし、
これ以上リスクを負うのを嫌っていました。

スレイマン医師の説得で試験の許可は下り、1992年にフェーズ1の試験が開始されます。
治験に参加する女性たちの前で医師は新薬が「ハーセプチン」という名前がついたと発表。
HER2のハーにインターセプト(妨害)のセプチンです。

ニコールの母親が医師を訪ねてきます。
抗体テストで延びた寿命が尽き欠けているので治験に参加させてほしいと言います。
治験の参加には適正があり、最初に抗体を投与しているニコールに参加資格はありませんでした。
しかもフェーズ1では人道的投与も許可されていないので母親は諦めるしかありませんでした。
治験中に亡くなってしまう人もいました。

フェーズ1が終了しましたが効果の出なかった人、
また効果があっても著しくない人はフェーズ2には進めません。
認可されるには良いデータを出さなくてはならない、という事情もあるようです。

しかもジェネンテック社の反対派に阻まれフェーズ2もなかなか開始できませんでしたが
様々な協力者のもと、どうにかフェーズ3まで終わりFDAの認可もおりました。

この治験で完全奏功し普通の生活を送ることができた患者さんもいます。

ラストではスレイマン医師が競技場までランニングをする場面で
多くの女性たちが観客席で拍手を送っています。
それはハーセプチンが新薬として認可されたことで救われることになる多くの女性でした。

今も多くの薬が承認され私たちはその恩恵を受けていますが
その陰では厳しい治験があり多くの涙が流されている事を知りました。
患者さんたちの勇気ある行動と尽力してくれている様々な人たちに感謝せずにはいられません。
化粧品もレブロンにしようと思いました。

日本は薬の認可がとても遅いらしいですね。
もう少し何とかしてほしいところです。


研究開発はどこの組織でも企業でも捻出するのに苦労しています。
投資する余裕がなく、しかし研究開発を怠れば未来はありません。
難しいですね。
収益が見込めない分野こそ国に投資してほしいですが。


ここでしれっとカミングアウトしてしまいますが
実は一昨年の11月にHER2陽性の乳がんを告知されました。

告知されたときは足元の地面が崩れていくような、
昨日まで自分がいた世界とは違う世界になった感覚がありました。

仕事はどうしよう、とか、
このブログもやめないとダメかな、とかいろいろな事を考えていました。

翌年の1月5日から抗がん剤とハーセプチンの化学療法を開始、
初回は時間かけて点滴をしますがその最中に何をしていたかというと
シャーロックS4を訳していたんです。辞める気ゼロ(笑)

副作用と戦いながらも仕事も休まずに続けられました。
仕事も趣味も続けることで励みになっていた部分はすごく大きかったと思います。
何もなければ乗り越えることはできなかったかもしれません。

また、10年以上通っている病院がガン拠点病院だったので
馴染みのある場所で総合的に治療できたのも良かったと思います。


おかげさまで抗ガン剤の効果判定は「完全奏功」し、ガンは完全に消えていました。
今も再発予防でハーセプチンは続けています。

「HER2は進行度も悪性度も高いけど、
今は良い薬があるから大丈夫。頑張りましょう。」
今でも乳腺外科の言葉は忘れませんし、
スレイマン医師に足を向けて寝ていません。(本当か)
ハーセプチンがなければ私は今頃この世界にはいなかったのですから。


人生は本当にいろいろあります。
このブログを読んでくださっている方でガンに罹患されている方もいるかもしれません。
このブログが何かの役に立つわけではありませんが・・・・

人は何かが起こるとそれに意味付けをしたくなるものです。
ガンに罹患して良い事などひとつもありませんが、
今まで知っていたようで実は知らなかったことがたくさんあることに気づかされました。
何より当たり前のように享受していた事、
食べられること、眠れる事、そして自分の意志で動けることの大切さを知りました。

人はひとりでは生きてはいませんし、
私もたくさんの人に支えられて生きている事を実感しました。


医学の進歩はすさまじく不治の病も1年生きれば新薬で治る可能性もあります。
何があっても希望だけは持ち続けたいです。

原題の「Living Proof」ですがこれはどう訳すのでしょうか。
生きた証?
難しいですね。