2007 UK
Director: David Attwood
Writer: Alexander Masters
続きです。
今回でいろいろな事実が明らかになります。
スチュアートの祖父母のところでワインを預かりパップワース病院へ。
スチュアートの病室を捜し当て、ドアを開けるとまずはジンを見せるアレクサンダー。
スチュアートはワインを飲まないからなんでしょうね。いや、そういう問題ではないですけど・・・
Oh, you fucking star.と歓迎するスチュアート。
アレクサンダーはお水のポットを空にし、そこにジンを投入。
スチュアートのベッドに「CLEAR FLUIDS ONLY」とあるのは、お水かお茶だけって事ですかね。
S:「ルースとジョンはどうしてる?」
A:「ジョンはよくない。仕事ができないんだ。
睡眠中に泣きだすと奥さんが言ってたよ。」
S:「ルースは?」
A:「癌なんだ。」
S:「サイテーだな。俺が言ってたシステムの意味わかった?」
A:「システムはな、そのシステムが彼女を生かすんだよ。
君に5000ポンドのペースメーカーを無料で与えてるのがそのシステムなんだ。」
(※このシステムの話はその6のふたりの会話に出てきます。
システムで保釈金出るのに何で君がそれを嫌うのかわかんないよってアレクサンダーが言ってるのですが、
システムがよくわからなくて端折っちゃっていました。まさかここで出てくるとは・・・すみません。
この会話はそんな経緯なんだと思います。)
その時、車いすの男性がトイレの場所を聞きに部屋に入ってきたので、
ふたりは外に移動します。
S:「全体が街みたいだろう。みんな障がい者だ。
俺はこういう学校に6年いたんだ。
いつか俺はこんな場所で終わる。死ぬ時は。」
A:「学校もこんな感じ?」
S:「いや、Spagie schoolだよ。」
(Spagie schoolを検索したのですがわかりませんでしたが養護学校のようなところでしょうか。)
筋ジストロフィーだったからそこに送られた。普通の学校に行くのはダメだと言われた。
70年代だった。皮肉な事にその段階ではどこも悪いところはなかった。
ちょっとぎこちなかったけどあんただったらほとんど気づかないよ。
子どもたちから苛められ、追いかけられているスチュアート。
A:「ひどく蹴られたのか?」
S:「毎日ね。放課後になるとやられる。ギャビーが慰めてくれた。」
退院してからわずか1ヶ月、隣人の首を切り落とそうとした裁判のスチュアートの法廷出頭日がついにきた。
ルースとジョンの時と同じ年老いた裁判官だった事が僕たちを不安にさせた。
ハウワースじゃありませんように、と祈っていたスチュアートでしたが名前を見て怒っています。
「ハウワース裁判官です。みなさん立ち上がってください。」
現段階でスチュアートは無期懲役だと見られていた。
「開廷します。
この事件はスチュアート・クライブ・ショーターが関与しています。
公共の場での騒動、治安紊乱行為、逮捕への抵抗が被告人のフラットでの事件です。」
結局スチュアートは告発されませんでした。
何て言っていいかよくわからないけど、ラッキー野郎は法律の解釈によって罪を免れた。
シャンパンを振り回し、はしゃぎながら「彼は自由の身だ!」とみんなでお祝いをしています。
それからスチュアートの家でも楽しそうにじゃれ合っています。
そして朝、アレクサンダーの顔が大変なことに(笑)
「朝だよ、起きろって。」とスチュアートに起こされるアレクサンダー。
「俺、妹の結婚式に着ていくスーツを決めないといけないから車で乗せっていってくれ。」
アレクサンダーの運転で外出するふたり。
車の中で、スチュアートが「テープ聞いたか?」と言います。
アレクサンダーはスチュアートの顔をじっと見ますがそれには答えず黙って運転します。
S:「9歳だったんだ、アレクサンダー。3年虐待を受けた。俺の兄ちゃんに。
それから仲間も加わった。
抵抗できなかった。やられるままだったよ。」
スチュアートは静かに告白すると缶ビールを飲み干します。
子どもたちに追いかけられギャビーのところに泣きつくスチュアートですが、
ギャビーの仲間たちが部屋に入り、ギャビーはそのままスチュアートを押さえつけます。
スチュアートはギャビーたちから性的虐待を受けていました。
妹のインタビュー。
「母はギャビーの事で罪悪感があるから今でもずっとスチュアートを甘やかしてるんだと思う。
でも彼は私にも同じことをしたの。私はスチュアートと同じなのよ。」
その瞬間、スチュアートの今までの言動が妹たちの証言と共に再生されます。
スチュアート:
「俺はどうしてこんなふうになったんだ?
何が子どもだった俺を殺したんだ。」
妹:
「警察がギャビーを発見した時、ギャビーはすごく苦しんだと言っていたわ。」
祖母、祖父:
「あの子は苦しんだ。」
「のん気な子どもだったよ。」
妹:
「Mr.ラベラック。」
Mr.ラベラック:
「かわいそうな子だ。」
妹:
「一難去ってまた一難よ。」
スチュアート:
「俺を施設に入れろ!」
子どもたち:
「うざい奴!うざい奴!」
妹:
「死ぬ前に飲んだ錠剤が腎臓と肝臓を食い破ったのよ。」
祖母、祖父:
「いつも思いやりのある子だった。のん気な子どもだったよ。」
妹:
「嬉しかったわ。ギャビーが苦しんで嬉しかったのよ。」
現在に戻ってスチュアートの部屋。
スチュアートがスーツを試着しています。
S:「ギャビーだよ。」
そう言ってスチュアートは写真をアレクサンダーに見せます。
S:「俺とギャビー。」
A:「子どもだった君を殺したんだな。これが君を変わらせた。」
S:「そうじゃないよ。」
A:「じゃあ、何なんだ。」
S:「みんな小さいころに経験するんだよ。それを受け入れてうまく対処することを学んで生きていくんだ。
競争社会でね。すごく哲学的だな。」
A:「もし人生で何かひとつ変えられるとしたらどうする?」
S:「筋ジストロフィーかな?幼児性愛者?ギャビー?俺を変えるなんて簡単だな。」
A:「ひとつだけだよ。」
S:「暴力があるって事に気づいた日かな。」
俺の継父が、自分で外に出てやり返さないとまたやられるぞって言ったんだ。
スチュアートは外にいる子どもたちのところに行くとおもむろに頭突きをします。
逃げていく子どもたち。
弱者が強者になったんだ。
S:「暴力だとわかった日、俺は50倍も強くなったと感じた。
いじめられ、命令され、どんくさい奴と言われてから暴力の恐怖を学び、みんなを怖がらせることに熱狂した。
俺はわざと怒りにまかせていた。6ヶ月後には怒りを止められないと気づいた。
もう狂気から抜け出せることは出来なかった。
時々、俺は自分が悪魔の子じゃないかと思う。俺の中に悪魔がいて、もう追い出すことはできない。
燃やしたり、切りつけたりして追い出そうとしたけど、悪魔は取り合わなかった。
何でだろう?悪魔もホームレスになりたくないのかな。」
A:「まだ質問がひとつ残ってるんだ。」
S:「何?」
A:「当てろよ。」
うーんと考えるスチュアートに、
「僕たちは本を書いているわけだけど、必要な情報がもうひとつだけあるんだ。何だと思う?」とアレクサンダー。
A:「君の誕生日だよ。」
S:「あー、そっか。
俺はスチュアート・クライヴ・ショーター。1968年9月19日に生まれた。」
A:「じゃあ君は・・・33歳か。」
S:「33歳だ。もう若くないって言われる。」
アレクサンダーにジャケットを着せてもらい、
「俺はずっと論争の的になって嫌な人生を送ってきた。」と言ってから、
「どうだ?ベストマンだろ?」とちょっとポーズ。
ずっと行き当たりばったりで進めてきたので辻褄の合わない訳になってる部分もあるんじゃないかと・・・
なので、スチュアートに起こった事を簡単に時系列にきてみました。
9歳から3年間ギャビーから虐待。
12歳のときにナイフを振り回しながら「施設に入れろ。」と叫ぶ。
しかしラベラックも小児性愛者。
それから家に戻らずホームレスになったり刑務所に入ったり。
刑務所でも暴行や苛めが横行。
ギャビーが自殺。自殺前に祖母にスチュアートを性的虐待をしていたと告白。
奥さん?と赤ちゃんと立てこもったあと、部屋に火をつける。
ギャビーの命日に油に火をつけ身体中切り傷だらけにし、裸で叫ぶ。
この2件がつまり、自分の中の悪魔を追い出そうとしている場面なんですね。
次で終わります。