「ピンク色の研究」のコメンタリー、続きです。
Previous → A Study in Pink Audio Commentary その1
Next → A Study in Pink Audio Commentary その3
場面はベイカーストリートに変わります。

モ:ベイカー街って言葉だけでなぜか興奮するよ。
無理に現代的にしているわけではない。
例えばベネディクトにホームズの面影がなかったら魅力がないのと同じだ。
イギリスには今もビクトリア調の家が多い。
ドアも不自然だけど「221B」と付けずにはいられなかった。
建物のドアに番地の表示があるのは妙だよね。
でも221Bは外せない。いろいろ言い訳を考えてあるよ。
ゲ:もし表示を変えたら画期的だね。221とか。

※これは額に入れて飾っておきたい場面です。
ハドソンさんがお出迎えし、ハドソンさんにハグをしてジョンを迎え入れる。
これを見てもシャーロックは社会不適合者ではないんじゃないかしら。

※そしてジョンを2階の部屋に案内するところ。
何度も書いているような気がしますけど
シャーロックは先に上がるけど足の悪いジョンが上がってくるまでドアのところでちゃんと待っていて
ジョンが上がり切ったところでドアを開けてジョンを入れるところが大好きで。
育ちの良いおぼっちゃんの所作です。

ゲ:これが部屋のセットだ。パイロット版とは少し違う。
居心地はいいけど学生風の汚い部屋とは違う豆をよく食べる若い独身男2人の部屋だ。

ポールは壁紙にこだわりがあってパイロット版より赤みの無いビクトリア調にした。
ポールは自他ともに認める壁紙フェチ。
スー:最初はフロアに段差があった。
ゲ:でもみんなが転ぶからやめた。

ゲ:主役ふたりのことを話す前にハドソンさん役のウーナ・スタッブスの話をしよう。
彼女は人間国宝ものの重要な役を演じた。
彼女は息子を世話する母親に近い。
モ:脚本にあったか忘れたがシャーロックは冷徹で高慢だけどハドソン夫人が大好き。
進んで抱きしめたりキスしたりしてる。
彼は常に冷たいというわけではない。好きな人には優しい。

※玄関先でハドソンさんにハグしてましたがそんな描写がなくても
ハドソンさん大好きというのはじゅうぶん伝わってきます。
ゲ:このあとのふたりのやり取りはある意味息子と母親みたい。
ハドソンさんの役はウーナ以外考えられない。
モ:ここは書きたくて書いた大好きな場面。気に入ってるし完璧に出来上がった。
ゲ:なげやりになっていた男が突然息を吹き返し悠然と歩きだす姿は見ごたえがある。

※モファットはS4で大好きと言える場面があるのかしらね。(失礼)
ジョンはシャーロックと出会って救われた、それはシャーロックも同じ。
だからふたりは一緒にいる、というのがすごく好きでした。
と、毎度同じ事ばかり言っている私。
ス:ふたりが移動するシーンのカメラワークを見て欲しい。
モ:ワイプで画面を切り替えて場面転換をしている。あり得ない撮り方だ。

モ:ここで彼は外へ。カメラが空に飛んでいく。
種明かしをすると、マーティンが横切ったのがワイプになっている。

※マーティンがワイプってこれは言われないと全然気づかないですよ。本当にすごいと思いました。
ゲ:これはベネディクトとマーティン。
紹介は以上だ。自分たちで話すだろうから。

モ:ベネディクトは現代版シャーロック・ホームズのオーディションをした最初で唯一の人物。
ゲ:「つぐない」を見た君とスーがベネディクトを挙げた時、彼と知り合いだった僕は「なるほど」と思った。
オーディションを見て完璧だと思った。
モ:君は彼を見て即決したね。30代前半の若い俳優を探していたけど、
その年齢で風格があり尊大でラスボーンっぽさと出せる俳優はめったにいない。
だから彼の他に候補がいなかった。

ゲ:それと彼は優秀な俳優で将来性があるからだ
モ:スター性がある。
ゲ:彼は確かにホームズぽいが大事なのは外見じゃなく
役になじみ自由に演じていることが重要だ。
だけど俳優としてベネディクトが偉大だと思うのは実際の彼がすごくドジで陽気な男だってことだ。
「bumbling and delightful」
ドラマのシャーロックとは全然違う。

ス:ゆうべ劇場で観たけど彼とは別人だった
モ:似ても似つかないまるで正反対
ドラマばかり見てると彼の人柄を忘れがちだけどドジで人懐こくて優しい男
唯一の共通点があるとすれば、ベネディクトは優しくてシャーロックは横柄だけどふたりとも人使いが荒い事だ
ベネディクトは「優しい支配者」って言葉が合う。

「gentle occupation」
優しい支配者、懐かしいです。
STIDの時もよく優しい支配者って言われてました。
久しぶりにスタートレック観ようかしら。
続きます。
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Next → A Study in Pink Audio Commentary その3
場面はベイカーストリートに変わります。

モ:ベイカー街って言葉だけでなぜか興奮するよ。
無理に現代的にしているわけではない。
例えばベネディクトにホームズの面影がなかったら魅力がないのと同じだ。
イギリスには今もビクトリア調の家が多い。
ドアも不自然だけど「221B」と付けずにはいられなかった。
建物のドアに番地の表示があるのは妙だよね。
でも221Bは外せない。いろいろ言い訳を考えてあるよ。
ゲ:もし表示を変えたら画期的だね。221とか。

※これは額に入れて飾っておきたい場面です。
ハドソンさんがお出迎えし、ハドソンさんにハグをしてジョンを迎え入れる。
これを見てもシャーロックは社会不適合者ではないんじゃないかしら。

※そしてジョンを2階の部屋に案内するところ。
何度も書いているような気がしますけど
シャーロックは先に上がるけど足の悪いジョンが上がってくるまでドアのところでちゃんと待っていて
ジョンが上がり切ったところでドアを開けてジョンを入れるところが大好きで。
育ちの良いおぼっちゃんの所作です。

ゲ:これが部屋のセットだ。パイロット版とは少し違う。
居心地はいいけど学生風の汚い部屋とは違う豆をよく食べる若い独身男2人の部屋だ。

ポールは壁紙にこだわりがあってパイロット版より赤みの無いビクトリア調にした。
ポールは自他ともに認める壁紙フェチ。
スー:最初はフロアに段差があった。
ゲ:でもみんなが転ぶからやめた。

ゲ:主役ふたりのことを話す前にハドソンさん役のウーナ・スタッブスの話をしよう。
彼女は人間国宝ものの重要な役を演じた。
彼女は息子を世話する母親に近い。
モ:脚本にあったか忘れたがシャーロックは冷徹で高慢だけどハドソン夫人が大好き。
進んで抱きしめたりキスしたりしてる。
彼は常に冷たいというわけではない。好きな人には優しい。

※玄関先でハドソンさんにハグしてましたがそんな描写がなくても
ハドソンさん大好きというのはじゅうぶん伝わってきます。
ゲ:このあとのふたりのやり取りはある意味息子と母親みたい。
ハドソンさんの役はウーナ以外考えられない。
モ:ここは書きたくて書いた大好きな場面。気に入ってるし完璧に出来上がった。
ゲ:なげやりになっていた男が突然息を吹き返し悠然と歩きだす姿は見ごたえがある。

※モファットはS4で大好きと言える場面があるのかしらね。(失礼)
ジョンはシャーロックと出会って救われた、それはシャーロックも同じ。
だからふたりは一緒にいる、というのがすごく好きでした。
と、毎度同じ事ばかり言っている私。
ス:ふたりが移動するシーンのカメラワークを見て欲しい。
モ:ワイプで画面を切り替えて場面転換をしている。あり得ない撮り方だ。

モ:ここで彼は外へ。カメラが空に飛んでいく。
種明かしをすると、マーティンが横切ったのがワイプになっている。

※マーティンがワイプってこれは言われないと全然気づかないですよ。本当にすごいと思いました。
ゲ:これはベネディクトとマーティン。
紹介は以上だ。自分たちで話すだろうから。

モ:ベネディクトは現代版シャーロック・ホームズのオーディションをした最初で唯一の人物。
ゲ:「つぐない」を見た君とスーがベネディクトを挙げた時、彼と知り合いだった僕は「なるほど」と思った。
オーディションを見て完璧だと思った。
モ:君は彼を見て即決したね。30代前半の若い俳優を探していたけど、
その年齢で風格があり尊大でラスボーンっぽさと出せる俳優はめったにいない。
だから彼の他に候補がいなかった。

ゲ:それと彼は優秀な俳優で将来性があるからだ
モ:スター性がある。
ゲ:彼は確かにホームズぽいが大事なのは外見じゃなく
役になじみ自由に演じていることが重要だ。
だけど俳優としてベネディクトが偉大だと思うのは実際の彼がすごくドジで陽気な男だってことだ。
「bumbling and delightful」
ドラマのシャーロックとは全然違う。

ス:ゆうべ劇場で観たけど彼とは別人だった
モ:似ても似つかないまるで正反対
ドラマばかり見てると彼の人柄を忘れがちだけどドジで人懐こくて優しい男
唯一の共通点があるとすれば、ベネディクトは優しくてシャーロックは横柄だけどふたりとも人使いが荒い事だ
ベネディクトは「優しい支配者」って言葉が合う。

「gentle occupation」
優しい支配者、懐かしいです。
STIDの時もよく優しい支配者って言われてました。
久しぶりにスタートレック観ようかしら。
続きます。
ピンクはやっぱり見てて目にも心にも楽しいです。
ベネさんを選んだ理由、改めて聞くととても納得ですね。Γつぐない」の役の中身はアレですけど…確かに若いのに貫禄があって尊大な感じでした。そして、しぐさが何となく優雅だったようにも思います。
好きな人には優しい…は、言われてみれば確かに。でもやっぱりジョンに絞って、隠し味に女神のハドソンさん…ぐらいがいい感じだったのに…って、私も似たようなことを繰り返し言ってます(笑)
私はこの前見直したとき、シャーロックって、ホントは前から友達欲しかったのかも…とか思ってしまいました。でも、不器用でつい思ったままや観察して見えたことを言わずにいられない…でも根はそんなに悪い奴じゃない…そこに割れナベにとじブタのようなジョンが…って、例えが悪いかもですが。お互いを救った二人が一緒にいる…が、やっぱり私も好きです。
目にも心にも、ですよねー、本当にそうですよねーー!
貫禄と尊大さ、なるほどですよね。「つぐない」のアレはまだ30歳くらいですもんね。
そうそう、しぐさも優雅です。
この頃はジョン、たまにハドソンさんが良いバランスでした。レストレードもね。
繰り返しになってしまうけど、でも言いたくなってしまうんですよね~
前から友達が欲しかったシャーロックを妄想し、
それを前提にジョンが現れた時のシャーロックを想像するとヤバいです。いろいろヤバいです(笑)
お互いを救ったふたり、というのが根底にありましたよね、この頃は・・・(しつこいですね)
そしてジョンとの対話の、リズムの良さと緩急自在さ加減。「お茶でも飲んでて」といって出ていったのかと思ったら戻ってきて、
You are doctor.
からの畳みかけるような対話が、
Want to see more?
Oh God,yes.
で、意外性のあるひねったところに着地して、その後タクシー内での探り合いめいた話が、少し緩くなったテンポで始まる。
ジョンが本当に傷ついて、社会に復帰したいとしか思っていない障害者なら、絶対にいわないだろう答えを引き出したことで、シャーロックはまず第一段階の瀬踏みを越えた(予想通りこいつは僕の相棒になれる可能性がある、と思った)。
わかりきったことを繰り返してすみませんが、ここらのくだりは、ジョンを誘うシャーロック、同時に視聴者を誘うドラマの序段として、あまりにもよくできてます。
dicoさんのおかげで、映像を流しながら止めたいと殺し止めて「ああ、ここがいいのよっ」「そう。このセリフのときの表情がっ」とか盛り上がっている気分になれます。
なんだか物騒な変換ミス、失礼しました。
宝物、すごくわかります。私にとってもS2まではずっと宝物でしょうね。特にピンク。
ベネファンの私も最初はまったく同じですよ。
英国は変わった顔の人が好まれるのかしらーとかノンキの考えてました。
しかしこんな深いとは・・・・恐るべし英国です。
いつもながらシャーロックとジョンの場面が先生の言葉の魔法で萌えポイントがパワーアップです。
まさしく「探り合い」でしたね、タクシーでの会話。
思えばこのタクシーの場面は大切な事がたくさん詰まっているんですよね。
やはりピンクは神回としか言いようがありません。
いつかまたジョン視点、シャーロック視点で更に掘り下げたいです。
画像、お役に立ててすごく嬉しいです。
このドラマはほんのわずかな表情も見過ごせませんしね。
訂正もわざわざありがとうございます。
確かに物騒ですね(笑)
小説というのはスピードは読む人によって違う。だけどドラマは音楽と一緒で、決まったテンポで流れます。だからなおさら大事、テンポとリズム。緩急というの。あまりに緊迫した場面が続くと、人間は見ていて疲れてしまう。カーチェイスも爆発もアクションも、刺激が強すぎて長すぎたら効果は漸減します。緊迫したりほっとしたり、ひやひやしたりぷっと笑えたり、そういうのがほどよく流れてくるのが快いというもの。そういう視点で「ピンク」の開幕から序盤を眺めてみると、この緩急自在の効果に改めて目を見張ります。
最初我々はジョンによりそい、彼の辛く淀んだ状況に同調する。懐具合、体力、精神状況、何を置いてもどん底の彼を見ていると、いきなり変な人が顔を出した。シャーロックですね。そして初対面。翻弄され、呆気に取られるしかないジョン。逆らうほどの意欲もないから呆然と流されちゃった、みたいな。そこに放り込まれた爆弾が「クリスマス!」で、またまた呆気に取られたまま置いていかれるか。でも、それがちっとも嬉しくないんだ。
だからハドソンさんの親切に、いきなり癇癪を起こしたりする。ところがそこへシャロが戻ってくる。クリスマス→アップ・お茶でも飲んでて→ダウン・癇癪→小アップ・君は医者だ、からの畳みかけるような応酬→徐々にアップへ。そして「もっと見たい?」「見たいとも」ここ、爆弾です、心理的な。
普通に考えると、戦場後の後遺症に悩む傷痍軍人なら、誰でも腫れ物に触るように扱わねば、と思う。ひどい死体を山ほど見たかと問われ、「一生分」と答えた男に「もっと見たい?」ってあなた、なんてこというのと思いませんか。こんなことをいえるのはガキだけでしょう。大人はいわないよ。
でもジョンはそれに「Oh God,Yes」と答える。ここにも歳に似合わぬガキがいた。ふたりの息がぴたっと合っちゃった。ハドソンさんに見送られて出発するシャロがめちゃ高揚してるのは、事件が楽しみなだけじゃない。相棒が見つかった、そのせいです。
で、その後にタクシーの中での、お互いの探り合い第二段階が、今度はテンポゆっくり目に始まるのですね。本格ミステリ的にいうと、実は穴が気になる「ピンク」ですが、事件の展開に平行して、ふたりの歩み寄りというか、「ぼくはこうなんだけど、君はどういう人間?」「俺はこうなんだけど、俺ら、一緒にやっていける?」という腹の探り合いが、せりふでなしに、でもとてもはっきりと描かれるという、希有なドラマになっているところが、いくら誉めても誉めたりないんでありました。
そこでシャーロック・ホームズは「彼しかいない」と指名されてベネディクト・カンバーバッチが演じることになる。
さらにはオーディションの結果、ワトソン役にはマーティン・フリーマンに白羽の矢が立つ。
今改めて振り返ると。すべてが奇跡や偶然の積み重ねで…つくづく、神がかりとしか思えない状況で生まれたドラマですよね!
もう少しと言わずいつでも語りにきてくださいませ。
ジョン視点、興味深いです。ジョンの感情の起伏が面白いですね。
あそこでシャーロックに置いて行かれたままだったらジョンはどうしていたんでしょう。
やはり同居はしなかったのかな。
確かに戦場帰りのPTSDの人に「死体たくさん見た?」も聞かないし
見たと答えたら普通は「大変だったね。」ですよね。
でも「大変だったね」の言葉ではPTSDは治らないんです。
シャーロックはそれを見抜いていたんでしょうけどね。
あの高揚っぷりは本当にかわいいです。
理想の相棒が見つかったわけですもんね。
しかも自分のことを素直に褒めてくれるんですもん。
テンポの解説でこの場面がさらに深みが増してきたように思います。
コメンタリー見終わったら本編観ようと心に決めました(笑)
はやく堪能したいです。
ホントホント、すべてが奇跡ですね。
神がかり的な奇跡(日本語変)がふたりのスターを生んだということですね。
ところで明日いよいよ陛下に会いにいきますー。ワクワク~