どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

長くつ下のピッピ

2014年10月15日 18時43分26秒 | 
昔からのアニメ好きであれば、まさに幻の作品として有名です。

アニメ化していないのに...。

でもその骨や肉は「アルプスの少女ハイジ」となり、「パンダコパンダ」となり、「未来少年コナン」となって活かされて行きます。

ある意味で、高畑勲・宮崎駿両氏の今に繋がる作品群の原点であり、出発点であったと言える企画だったのだと思います。

ようやくそれが一冊の本となって残されると知り、早速購入した次第(^_^)

それが『幻の「長くつ下のピッピ」』です。


ちょっとお高い本ですが(^_^;、いや~それだけの価値はありますよ!

目次からの抜粋ですが、
・イメージボード
・ストーリーボード
・キャラクターデザイン
・覚え書き
・字コンテ
と実際に描かれた水彩画が豊富に掲載されていて、ちょっとしたメイキングの構成となっていて、物凄く熱気が伝わってくる!

ピッピがどんな作品だったのか脳内でアニメが再生できちゃう感じなんですわ(*^o^*)


高畑・宮崎があまりにビッグネームとなったために霞みがちですが、小田部羊一氏の存在を忘れてはなりません。

ピッピではキャラクターデザインとして参加していますが、東映動画時代では宮崎氏の先輩であり、その手法・表現の多くが小田部氏の影響によるものです。

本書では、氏が描いたピッピが画面で大暴れしたくてウズウズしているかのようなカットが散りばめられています(^_^)

詳細は私も知りませんでしたが、ここまで企画が具体化していたのを初めて知りました。

結局、権利者からの許諾を得ることなく、お蔵入りになった時は相当くやしかったんだろうなと思います(その後、鈴木敏夫氏の企画で本書のような一冊を出そうと試みたが、当時はそれさえ拒絶されたそうですよヽ(`Д´)ノ)。

後年、宮崎氏が世界的に有名になった時、先方からアニメ化をとの打診があったそうですが、完全に「遅え~よ!」ですよね(^_^;

どんなに素晴らしい企画書見せても、東の端っこの何だかよく判らない国のアニメにされたら作品が汚れるとでも思ったンでしょう><

...で、その経緯もあって、同原作者の「山賊の娘ローニャ」がスムーズに企画も通り、宮崎吾朗氏によって今月から放映開始されたましたが...。

まぁ...比較して語れるようなモノじゃないですね...放映前の特番に出演していた鈴木敏夫氏も冴えない表情で力ないコメントしかしてませんでしたし(´д`)

初回放送やってましたが、見ていて痛々しく、吾朗氏...なにを目指して頑張ってるのかなぁ...という疑問しか浮かびませんでした...。

それはともかく(^_^;、幻の名作アニメ「長くつ下のピッピ」がどんなモノだったのか、日本のアニメ文化を語る上でも是非目を通すべき大きな価値ある一冊です!