「若おかみは小学生!」に続けて、立川シネマシティ・gスタジオにて。
E列の中央ブロック一番右端と全く同じ座席、個人的にベストポジションです(^_^)
客層はやはり中高年層中心で、男女比は半々くらいかな。
どういうワケか?ハコの後ろ半分に密度が高い感じでした(^_^;
9月になくなった樹木希林さん、最晩年作の一つですが、テーマが茶道、主演が黒木瞳さんというキーワードが強烈に響き、これは絶対に映画館で観るべきだと(*^o^*)
監督・脚本は大森立嗣さん、麿赤兒さんの長男にして大森南朋さんのお兄さんなんですな。この方の作品は初めて観ましたが、過去作はハードで男臭いものばかりらしくて、今作はかなり異色作になるっぽいです。
まだ公開されたばかりの作品ですので、ネタバレは避けますが、期待していた通り小津さんの匂いがそこかしこからプンプンしてきて、愉悦の100分を過ごすことができましたよ(*´艸`*)
この手の特定業界・ジャンルに特化したモノって、下手すると説明臭くなっちゃうんだけど、ある程度ウンチクも入れないと面白みがないというバランスが難しい分野。
主人公の個人的な生活や人生もどれだけ織り込むか監督のサジ加減が試されますが、絶妙な感じでしつこくなくてとても良かったと思います。
20歳の大学生時代から中年女性へと達する四半世紀を描く長大な物語でしたが、淡々と薄味で処理されていて素晴らしい。
度が過ぎない程度に厳しく、どこか惚けている樹木希林さん演じる武田先生が絶品でしたねぇ(^_^)...うまいなぁやっぱりこの人...。
サウンド面でもハッとさせられる表現が多くて楽しめました。激しい雨、シトシト雨、激しい滝の音、川の流れ、杓子から碗に落とす湯と冷水の違い...等々いろんな水の音が耳を擽ってくれました(^_^)
以下、小津映画ファンとして嬉しかったり気になったりしたポイントをいくつか。
まず主人公が典子(のりこ)で、小津作品に多く登場する「紀子」を想起させるところですね。これはまぁ原作者が森下典子さんなので、そこからなのかもしれませんが、あえて「のりこ」としたのはオマージュが含まれていると感じられます。
茶室が主な舞台になるため障子に囲まれた和室がメインになりますが、所々で開いた障子を画面左右に...これって額縁のように見せる絵作りの一つですね。
武田先生の師匠である人物の額装写真が映し出されますが、もしかしたら「晩春」冒頭でお茶を点てるシーンがありますが...。
この先生役は紅澤葉子さんという女優らしいんですが、なんかこの方に似ているなぁと。
そして白眉は海岸で遊ぶ典子と従姉妹の美智子(多部未華子さん)の2ショット。
この映像を観た瞬間ウヒョ〜っと舞い上がりましたよ。
「麦秋」の紀子と兄嫁が海を長めながら静かに語り合うシチュエーションそのものを持ってきたなぁって(*^m^*)
樹木さんの円熟味も旨みタップリで、どこか小津作品に登場する杉村春子さんを思わせてくれて...観終わった後、本当に惜しい俳優をなくしてしまった事実に改めて愕然とする思いです...。
こんなところですが、まだ潜んでいるかもしれません。なんか自然と共生し共鳴する日本人の心...諦念や枯淡があって...また観たいなぁと思わせてくれる良作でした。
E列の中央ブロック一番右端と全く同じ座席、個人的にベストポジションです(^_^)
客層はやはり中高年層中心で、男女比は半々くらいかな。
どういうワケか?ハコの後ろ半分に密度が高い感じでした(^_^;
9月になくなった樹木希林さん、最晩年作の一つですが、テーマが茶道、主演が黒木瞳さんというキーワードが強烈に響き、これは絶対に映画館で観るべきだと(*^o^*)
監督・脚本は大森立嗣さん、麿赤兒さんの長男にして大森南朋さんのお兄さんなんですな。この方の作品は初めて観ましたが、過去作はハードで男臭いものばかりらしくて、今作はかなり異色作になるっぽいです。
まだ公開されたばかりの作品ですので、ネタバレは避けますが、期待していた通り小津さんの匂いがそこかしこからプンプンしてきて、愉悦の100分を過ごすことができましたよ(*´艸`*)
この手の特定業界・ジャンルに特化したモノって、下手すると説明臭くなっちゃうんだけど、ある程度ウンチクも入れないと面白みがないというバランスが難しい分野。
主人公の個人的な生活や人生もどれだけ織り込むか監督のサジ加減が試されますが、絶妙な感じでしつこくなくてとても良かったと思います。
20歳の大学生時代から中年女性へと達する四半世紀を描く長大な物語でしたが、淡々と薄味で処理されていて素晴らしい。
度が過ぎない程度に厳しく、どこか惚けている樹木希林さん演じる武田先生が絶品でしたねぇ(^_^)...うまいなぁやっぱりこの人...。
サウンド面でもハッとさせられる表現が多くて楽しめました。激しい雨、シトシト雨、激しい滝の音、川の流れ、杓子から碗に落とす湯と冷水の違い...等々いろんな水の音が耳を擽ってくれました(^_^)
以下、小津映画ファンとして嬉しかったり気になったりしたポイントをいくつか。
まず主人公が典子(のりこ)で、小津作品に多く登場する「紀子」を想起させるところですね。これはまぁ原作者が森下典子さんなので、そこからなのかもしれませんが、あえて「のりこ」としたのはオマージュが含まれていると感じられます。
茶室が主な舞台になるため障子に囲まれた和室がメインになりますが、所々で開いた障子を画面左右に...これって額縁のように見せる絵作りの一つですね。
武田先生の師匠である人物の額装写真が映し出されますが、もしかしたら「晩春」冒頭でお茶を点てるシーンがありますが...。
この先生役は紅澤葉子さんという女優らしいんですが、なんかこの方に似ているなぁと。
そして白眉は海岸で遊ぶ典子と従姉妹の美智子(多部未華子さん)の2ショット。
この映像を観た瞬間ウヒョ〜っと舞い上がりましたよ。
「麦秋」の紀子と兄嫁が海を長めながら静かに語り合うシチュエーションそのものを持ってきたなぁって(*^m^*)
樹木さんの円熟味も旨みタップリで、どこか小津作品に登場する杉村春子さんを思わせてくれて...観終わった後、本当に惜しい俳優をなくしてしまった事実に改めて愕然とする思いです...。
こんなところですが、まだ潜んでいるかもしれません。なんか自然と共生し共鳴する日本人の心...諦念や枯淡があって...また観たいなぁと思わせてくれる良作でした。