7年前の生誕100周年記念上映の折りに、タイミングが合わず悔しい思いをし次の機会を待っていたんですが、その甲斐あって4Kデジタルリマスターの素晴らしい画質で堪能できました(*^o^*)
いや〜土曜の早起きは苦手なんですが、頑張っていった価値は物凄くありましたね。
「午前十時の映画祭」と名打ってのシリーズ上映で、先日の「野良犬」に引き続き、今期黒澤明作品第二弾となります。
2時間23分、全くダレ無しでグイグイ引き込まれて、アッと言う間に「終」マーク...という黒澤さん全盛期、脂の乗りきった大傑作だなぁと改めて認識させられました。
とにかく人間ドラマが濃厚で多重、「天国と地獄」のタイトルを時代・人生・立場・駆け引き・状況と、何層にも重ねて見せていくストーリー展開と演出の手腕に溜息ばかりです..。
主役級の三人、権藤・三船敏郎の苦悩する様、スマートだが熱血を内に秘めて行動する戸倉・仲代達矢、冷徹で歪んだ犯人・山崎努らの卓抜した演技に加え、七人の侍のような刑事たち、小さく恐縮ばかりの運転手とか...もう枚挙にいとまがないほど群像劇としてのクオリティも非常に高い。
黒澤作品の中でも好きな作品として上位に入るもので、ビデオ・DVD・BDで何度も繰り返し観てきましたが、今回の映画館上映でさらに好きになってしまいました(^_^)
帰宅して、手持ちのBDを復習の意味でチェック...。
結局最後まで観てしまいました(^_^;
画質は一見して大きく違ってました。米クライテリオン版は高画質処理で有名なんですが、「天国と地獄」に関してはちょっと微妙。
見やすさとしては国内・東宝版かなとも思っていたけど、そんなもん比較にならないほど、今回の4Kは素晴らしい(´д`)
明るいシーンも暗いのも全体がシャキッとしていて、粒状感もなく、黄金町でゾンビのような菅井きんさんのお肌まで綺麗に見えたほどです(^_^;
4チャンネルのステレオ効果も存分に発揮され、権藤邸の窓を開けたときドッと飛び込んでくる横浜港の環境音の広がり感は映画館ならではで、とても満足できました!
少しも古くささを感じない、こんな凄い作品を50年以上も前に作っていたんです。それを知らないで見過ごすのはあまりに勿体ない!
これもまた一人でも多くの方に観て欲しい大名作です(^_^)