私的美遊空間

美しく愛しいものたちへのつぶやき

高校茶道部の文化祭

2014年11月15日 | 茶の湯便り

今日の茶花
野菊と実葛(さねかずら)
花入れは竹一重切

※実葛は別名(美男葛)




11月14日(金)は茶道部最大のイベント、文化祭でのお茶会の日です。
時間が十分に取れない中で一生懸命にお稽古を重ねて来ました。
この日を「今か、今か!」と待ち望んだ者、「来てしまった!」と
気後れする者、それぞれの胸に去来するものは違っても、とにかく
今日一日一丸となって頑張るしかありません。

床にかかった「直心是道場」の教えを胸に納めて「さあ!始めるよ!」
「はいっ!」一席目のお客様をお迎えする直前の緊張の一瞬です。
ここまで来れば、お点前やご挨拶に自信がなくても、もうやるしかありません。
「先生っ!あーどうしよう、、」
「はいっ!行ってらっしゃい!」

教室での姿しか知らない先生方は、おしとやかに変貌した教え子達の姿を見て
感心して下さったようです。
そうです!やれば出来るんです!
ここがお茶を教えていて楽しいところです。

お点前やご挨拶のない、お運びだけの下級生達が「緊張するぅ!」と言うのを
聞いて、あんなにのんびり屋さんでも緊張するのかと意外な側面に触れるのも
こんな時ならではです。
「人間は緊張感を持たないと成長出来ないんよ。いつでもダラダラしてたらアカンのよ!」
などと自分にも言い聞かせながら激励。

大勢のお客様の対応で「忙しいわぁ!」と言いながらもよく頑張りました。
無事にやり遂げた皆の表情は晴々としていました。
「ご苦労様でした。無事に終わって良かったね」
記念写真を撮って終了しました。

お茶室の入り口に掲げるのは「風葉霜を経て紅なり」の短冊。
「先生、これってなんて書いてあるんですか?」
「楓の葉っぱはね、秋が深まって霜が降りるくらい寒くならないと赤くならないんよ、
だから、私たちもね、いろいろ苦労してそれに耐えることで磨きがかかっていくってことだよ」
「へえーそうなんですか、、、」
「だから頑張って生きて行ってね!」
「はいっ!」

文化祭のお茶席を経験して、いろいろと感じることも多かったことでしょう。
お稽古を続けたこと、大勢のお客様のおもてなしをしたこと、これらの経験が彼女達の
良い思い出となり、これからの人生で役立つよう願ってやみません。
そして、師弟共々良い文化祭の一日を過ごせたことに感謝!感謝!です。
コメント
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