私的美遊空間

美しく愛しいものたちへのつぶやき

ここは別世界や!高校文化祭のお茶席

2015年11月14日 | 茶の湯便り

昨日は高校の文化祭で、お茶席のお手伝いに行って来ました。
10時開始ですが準備は学校側でしてくれますので、9時過ぎに登校すると
お道具はすっかり指定した通りに、間違いなくセットされていました。
茶道部担当の先生とはもう8年ものお付き合いですから、あうんの呼吸です。
初めの頃は前日に準備していましたが、もうそれは先生の指図で部員のみで
出来るようになっており、私はずいぶんと楽になりました。

この日は、卒業生も手伝いに来てくれましたので、持ってきた着物を着せました。
全ての準備が整うと、タイミングよくバザー開始の放送が入り、お茶席も開始です。

さあ、今年のお茶席はどんな風になるのでしょうか、、
期待と不安のハーフハーフの気分です。

~ * ・ * ・ * ~

開始早々に、三年の男子生徒が三人連れ立って入って来ました。
男の子が待ってましたとばかりに入って来るのは珍しいと思っていると
「へえー!ここは別世界やなあ!」の第一声が、、

これこそが、お茶席で感じてもらいたいことの一つです。
お菓子が美味しかった、お茶が苦かった、あるいは美味しかったなどの感想は
よく聞きますが、お茶席そのものの感想は聞いたことがなかったので、
今時の子供たちには、そこまでの考えや思いがないのだろうと思っていました。

ところが、この文化祭のお茶席で、しかも男子生徒からこの一言が出たことで、
驚きましたが、かえって今時の子だからこそ、そう感じたのかも知れないですね。

今頃の家で和室のある家はどのくらいあるのでしょうか、、
また、床の間のある家はどのくらいあるのでしょうか、、

畳のある部屋で床の間には掛け軸、香合、花入れのしつらい。
恐らく今までに見たことがなかったのでしょう。
今回の一言はたぶんそう云った視覚的なことを述べたのだと思いますが、
多少はお茶席の雰囲気から、一種独特のお茶の世界を感じてくれたのかも知れません。

この一言を得たことが、この度のお茶席の成果だったように思います。
お茶の稽古は、一瞬現実から離れ無になることが大事なのですから、
ある意味で「別世界」に入ることですもんね。

文化祭でのお茶席は「別世界!」
有難く素敵な一言でした。

コメント (6)
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